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〔Ⅰ〕
問1
アクチンフィラメント,中間径フィラメント,微小管
問2
1次構造:Gアクチンのポリペプチドを構成しているアミノ酸の
配列順序。
2次構造:ポリペプチド内の水素結合などによって形成された,
αヘリックスやβシートなどの立体構造。
3次構造:Gアクチンのポリペプチドが疎水結合やS-S結合な
どにより折りたたまれ形成された,球状の立体構造。
4次構造:多数のGアクチンが鎖状に連なり,さらに2本の鎖が
互いにらせん状に巻き付いて形成されたFアクチン。
問3
あ:H2O,
い:H3PO4
問4(分離)プラス端:Gアクチン-ATP
マイナス端:Gアクチン-ADP
(脱重合速度)
速度の違い:Gアクチン-ATPの脱重合は,Gアクチン-ADP
の2倍の速度で進行する。
Cへの依存性:Gアクチン-ATP,Gアクチン-ADPともに,
脱重合速度はCに依存することなく,一定の速度
で進行する。
問5
遊離のGアクチン-ATPに結合することで,Fアクチンへの重合
を妨げる。
問6
はじめは重合速度の方が脱重合速度より速かったため,Fアクチ
ンが伸長した。遊離のGアクチン-ATPがしだいに減少すると,や
がて平衡状態になり脱重合速度と重合速度が等しくなった。
(式)
図5で,Gアクチン-ATP のうち 20%が常に脱重合してい
ることから,重合速度は脱重合速度の4倍である。
図2より,Fアクチン全体の脱重合速度は2+1=3なので,重
合速度は4倍の 12 である。
図2の Vp と Vm を合わせたFアクチンの伸長速度の式は,
V=
5
C0-3
2Ce
したがって,V が 12 のときの C0 は,
100
Fアクチンを形成している
Gアクチンの割合[%]
問7
80
60
40
20
100
Fアクチンを形成している
Gアクチンの割合[%]
問8
0
80
60
40
20
0
薬剤Xの添加
C0=6Ce
〔Ⅱ〕
問1
動物培養細胞株は,実験室内での特殊な培養条件でないと生存で
きないようにしてあるため。
問2(1)耐性遺伝子を導入した農作物以外の植物種を駆除できる。
(2)目的の農作物以外の植物種へ耐性遺伝子が移行し,除草剤に
耐性を持つ別の種が出現する可能性がある。
問3
・条例による規制が厳しい。
・外国から安価な遺伝子組換え作物が輸入されており,競争に不
利である。
・消費者を含め遺伝子組換え作物への警戒感が強い。
など。
問4
過剰な免疫反応によって生じる生体に不都合な反応をアレルギ
ーといい,その原因となる抗原をアレルゲンという。アレルゲンが
体内に侵入して免疫記憶が成立すると,2回目以降の侵入でアナフ
ィラキシーショックを起こし,死亡することもある。
問5
B農場は,導入遺伝子をヘテロ接合でもつ親株どうしを交配して
おり,C農場は,導入遺伝子をホモ接合でもつ親株どうしを交配し
ていると考えられる。
問6
従来の品種改良では,交配可能な生物間でだけ,遺伝子の新たな
組合せを作り出していた。一方,遺伝子組換えでは,幅広い生物種
から目的遺伝子を選んで,直接導入する。したがって,自然界では
ありえない組合せの遺伝子を人為的に付与する点で懸念がある。
〔Ⅲ〕
問1
10 µm
問2
・すべての細胞の体積や比重を同一として設定している点
・結合組織の細胞間物質など細胞以外の体積を考慮してない点
問3
6.0×104 分子
問4
0.6 分子
+
理由:細胞外に流出しやすいH を呼吸により補う。また,電子
を受け渡しやすい電子伝達系をもつ。H+の代わりに,Na+
などの陽イオン勾配を利用し,さまざまな反応を行う。
〔Ⅳ〕
問1
ヌクレオソームを形成していると,DNAポリメラーゼがDNA
の複製開始点に作用しにくくなり,複製が進みにくくなる。
問2
DNAを含まない細胞核抽出液には,ヒストンに作用してヌクレ
オソームを緩める因子が含まれている。ヌクレオソームが緩むと,
DNAポリメラーゼが作用しやすくなり,複製効率が高くなる。
問3
タンパク質Xには,ヌクレオソームを形成しているDNAにおい
て,ヒストンに作用してヌクレオソームの凝集を強めるはたらき
がある。ただし,ATP存在下ではATPの加水分解エネルギーによ
ってヌクレオソームを緩める。
問4
実験2で用いたヒストンよりもDNAと複合体を形成しにくく,
実験2で形成されたヌクレオソームよりも緩やかなヌクレオソー
ムを形成する。このため,複製効率は高くなる。
〔Ⅴ〕
問1 土壌中に無機窒素養分が少ないとき,根粒菌はマメ科植物の根
に共生して窒素固定を行い,NH4+を植物体に供給する。植物体の
落葉や枯死により,土壌を肥沃にすることに貢献する。
問2 電子供与体として水が分解され,電子伝達反応に伴うATP合成
とNADPH生成に利用されて,CO2が固定される。その際にO2が発
生し,光合成に利用されることなく排出される。
問3 タンパク質Aは転写因子として機能し,ポジティブフィードバ
ックにより遺伝子Aおよび遺伝子Bの発現量を増加させる。増加
したタンパク質Bは,ネガティブフィードバックにより遺伝子A
の発現を抑制する。
問4 遺伝子Aを過剰に発現させた細胞は,遺伝子Bの発現量も恒常
的に高く維持される。その結果,ほぼすべての細胞がヘテロシス
トに分化するため,光合成が行えず,やがて死滅する。一方,遺
伝子Bを過剰に発現させると,遺伝子Bの転写が強く抑制されて,
遺伝子Aが発現しなくなり,ヘテロシストへの分化を抑制する。
問5 遺伝子Aの発現が続く細胞がヘテロシストに分化し,タンパク
質Aの作用で遺伝子BのmRNAとタンパク質Bも高濃度に蓄積
する。タンパク質Bは隣接する数細胞に拡散し,それらの細胞で
は遺伝子Bの転写が抑制される。また,タンパク質B濃度が低い
ため,遺伝子Aの発現が生じず,ヘテロシストが分化しない。
問6 細胞の特定部位にmRNA遺伝子が係留されて局在し,そこで翻
訳される場合を想定する。翻訳したタンパク質は細胞内を自由に
拡散するため,mRNA量の分布と相関がなくなる。