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高浜原発 3,4 号機の再稼働に反対する声明
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本 年 2 月 12 日 、原 子 力 規 制 委 員 会 は 関 西 電 力 高 浜原 発 3,4 号 機 が
「新規制基準」を満たしているとする審査書を正式決定した。今後、
工 事 計 画 の 認 可や 設 備 の 検 査 、地元 同 意 の 手 続 な ど を 経 て 、今 夏 以 降
の 再 稼 働 を 目 指す と す る 。
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「 新 規 制基 準 」は 安 全 性 を 確 保 す る 基 準 で は な い。同 基 準 は 福 島 第
一 原 発 事 故 の 収束 も 原 因 解 明 も で き て い な い 中 で 作 ら れ、 EU 基 準 で
実施されている格納容器の強度や電源系統の独立性なども盛り込ま
れ て い な い 著 しく 不 十 分 な 基 準 で ある 。原 子 力 規 制 委 員会 も「 リ ス ク
が ゼ ロ と 確 認 した わ け で は な い 」と 説 明 す る 。し か し、安 倍 首 相 は 同
基 準 を「 世 界 一 厳 し い 安 全 基 準 」だ と 強 弁 し 、同 日 の衆 議 院 本 会 議 で
の施政方針演説の中でも原子力規制委員会が新規制基準に適合する
と 認 め た 原 発 の 再 稼 働 を 進 め る 方 針を 改 め て 強 調 し た。こ の よ う な 政
策 は 、福 島 第 一 原 発 事 故 の 結 果 、厳 し く 批 判 さ れ た「 安 全 神 話 」の 復
活 と 、凄惨 な 事 故 の 現 実 を 顧 み な い無 責 任 な 原 発 政 策 への 回 帰 と 言 わ
ざるを得ない。
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原 子 力 規 制員 会 は 高 浜 原 発 3,4 号 機 で 同 時 に 事 故 が 起 き て も 対 応
で き る と し た が、 そ れ は 1,2 号 機 の 原 子 炉 に 燃 料 が な く 停 止 し て い
る こ と が 前 提 とな る 。さ ら に 、福 井 県 嶺 南 地 方 は 、日 本 海 に 面 し 、高
浜 原 発 の ほ か に 、高 速 増 殖 原 型 炉 もん じ ゅ 、敦 賀 原 発 、美 浜 原 発 、大
飯 原 発 の 合計 14 基 が 集 中 的 に 立 地す る 地 域 で あ る 。 高浜 原 発 は 大 飯
原 発 と は約 14 ㎞ し か 離 れ て い な い。 巨 大 津 波 や 地 震 に襲 わ れ れ ば 事
故 が 同 時 多 発 的に 起 き る 危 険 性 が 十分 あ る 。今 回の 審 査 で は そ の 点 は
考 慮 さ れ て お ら ず 、福 島 第 一 原 発 事故 で 1~4 号機 が 同 時 に 過 酷 事 故 に
陥 っ た と い う 重大 な 事 実 を 無 視 す るも の で あ る 。
4 「 地 元 の 同 意 」に 関 し て、関 西 電 力 や 福 井 県 知 事 は「 立 地 自 治 体( 県
と 高 浜 町 の 意)だ け 」で 十分 だ と 明 言 す る 。しか し 、高 浜 原 発 の 場 合 、
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30 キ ロ 圏 内 に は福 井 県 だ け で な く 京 都 府 や 滋 賀 県 も 含ま れ る 。滋 賀 県
の 前 知 事 は「 被 害 地 元 」と い う 概 念 を 提 唱 し 現 知 事 が そ れ を 引 き 継 い
で い る 。近 畿 の 水 が め 琵 琶 湖 が 汚 染さ れ れ ば 大 阪 府 な ど も「 被 害 地 元」
で あ る 。 福 島 第一 原 発 事 故 では 30 キ ロ 圏 内 の 飯 舘 村 は放 射 能 に よ る
全 村 避 難 を 余 儀な く さ れ た 。ど こが 被 害 地 元 に な る か は、そ の 時 々 の
複 雑 な 気 象 条 件次 第 で あ る 。原 発 事 故 で 被 害 を 受 け る 可能 性 の あ る 自
治 体 は す べ て「 地 元 」と 考 え る べき で あ る 。立 地 自 治体 の み に よ る 拙
速 な 「 同 意 」 によ り 再 稼 働 を 強 行 す る こ と に 強 く 反 対 する 。
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大 飯 原発 3,4 号 機 の 運 転 差 止を 認 め た 2014 年 5 月 21 日 の 福 井地
方 裁 判 所 の 判 決が 示 す と お り 、福島 第 一 原 発 事 故 は 、我 が 国 始 ま っ て
以 来 最 大 の 公 害、環 境 汚 染 で あ る。そ し て 、豊 か な 国土 と そ こ に 国 民
が 根 を 下 ろ し て生 活 し て い る こ と が 国 富 で あ り 、こ れ を 取 り 戻 す こ と
が で き な く な るこ と こ そ が 国 富 の 喪 失 で あ る 。
高浜原発の再稼働は、福島第一原発事故再来のリスクを招くもので
ある。そして、原発に依存しない社会を築いていこうとする多くの住
民の意見を無視し、生活の安全をないがしろにするものであり、原発
の安全性は絶対に確保しえないという福島第一原発事故の現実を顧み
な い 全 く 無 責 任な 判 断 で あ る と い わざ る を 得 な い 。
自 由 法 曹 団 は 、原 発 事 故 の 被 害 を 二 度 と 繰 り 返 さ せ ず 、将 来
世代に禍根を残さないために、原発政策からの早期撤退こそ
が、我が国の取るべきエネルギー政策の姿であると考える。
原発ゼロの社会を実現するためにも、それに逆行する高浜原
発再稼働への動きに対して、強く反対の意を表明する。
2 0 1 5 年 2 月1 8 日
自
団長
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由
法
荒
曹
井
団
新
二