平成26年度宮崎県水産業・漁村振興協議会 議事概要 ○宮崎県水産業の現状と課題について 委員:漁業者が大幅に減少し、後継者の問題が課題となっているが、漁業就業者の収 益を増やし、魅力的な漁業としていかなければ後継者は育っていかない。 地元の活性化のためには、沿岸漁業を良くすることが大切であり、そのため には、藻場の造成が重要である。 委員:今、他の産業が良いため一度外に就職した若者が、地元に U ターンして家業 の漁業に従事している例が結構ある。しかし、親が漁師ではない者の新規就業 は少ない。やはり、所得が良くないと帰ってこないので漁の好不漁が一番新規 就業に影響している。 委員:現状の漁業収益が上がらなければ新規参入者は増えてこない。 いかに、所得を上げるかということが大事だと考える。 委員:漁家の立場から、燃油や漁業用資材が高騰しているうえに、水揚げ量も減少し、厳 しい状況である。魚を沢山売るために、学生や親の世代を対象に、料理講習会 等を開催しており、魚食の普及に努めている。 委員:以前は、魚価の低迷は仲買人のせいだと思っていたが、実際はそうではなかった。 まずは、量販店の販売価格ありきの仕入れが、魚価の低迷に影響しているのでは ないかと考えている。 委員:量販店も無理して営業している部分もあり、水産部門が赤字だという所は多く、最 近では、鮮魚より惣菜部門に力をいれており、そちらに魚の販売もシフトしてきて いる。宮崎でも鮮魚中心の販売から加工販売への対応が必要ではないか。 最近の消費動向で好まれる魚種がサケ、ブリに変化してきているのは、手間だけ ではなく料理のバリエーションも変わってきているためだと考えている。 委員:魚が安いと言われるが、豚肉や鶏肉と比較すると消費者の立場からは高く感じてい る。体に良いことはわかっているが、安くて、新鮮でおいしいものであれば、購入 したい。消費者としては、限られた収入の中で家計をやりくりする必要があり、で きるだけ食費を安く抑えたい。 委員:最近の若い世代は共働きであり、料理に時間をかけることが難しい。そうなると、 加工品などはすぐに食べることができ重宝する。そのような世代は、質よりも量や 手軽さを求める傾向があるのではないか。 委員:県北ではイワシが多く揚がっているが、宮崎では販売されていないのか。 委員:2 週間ぐらい前に1尾 10 円でマイワシやウルメイワシが売っていて、皆競って買 っていた。新鮮で安い物であれば売れる。 委員:今後の高齢者社会では、魚料理が求められており、スーパーで調理済みとあるのは 便利である。若いうちは肉でもよいが、年齢が上がるにつれて徐々に魚にシフトす るのではないか。また、子供たちへのタンパク質の供給にも魚は必要である。 委員:配布されたデータから判断すると、宮崎では生鮮品が多く取り扱われていて、加工 品は少ない。加工品開発については、「誰に何をいくらぐらいで売るか」を意識し て行うことが重要である。 ○第五次宮崎県水産業・漁村振興長期計画の改定方針(案)について 委員:20年前はチヌや養殖マダイの活きづくりというのは消費者に喜ばれていたが、最 近は消費者の嗜好も変わってきており、消費者に求められる魚を漁獲するなど漁業 者も変わる必要性を感じている。 他の地域では、サワラ、ヒラメ等を狙った新しい漁法等で収益を上げている例も あり、高収入を挙げる漁業への転換のために行政の指導に期待している。 委員:漁港の災害対策や漁村の活性化を盛り込んでもらいたい。また全体的な視点もある が、個々の問題については、町レベルでも取り組んで行きたい。 委員:資源管理と経営安定対策は非常に密接な関係であり、それらをうまく結びつけた計 画策定をお願いしたい。 委員:視点のⅡについて、経営体の事業承継や新規参入を促進する施策の強化とあるが、 どのようなことをイメージしているのか。 事務局:具体的に今から意見交換をさせて頂きながら、具体的な事業化の内容について は、今後、検討していきたい。
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