資料1_ 災害廃棄物対策関連の主な国の動き

2015/2/19
東日本大震災の教訓を踏まえた災害廃棄物対策の推進
資料1
①「災害廃棄物処理情報サイト」の開設
http://kouikishori.env.go.jp/
・東日本大震災に係る知見・経験を集約し、本年4月に関連情報サイトを一元化
・今後、巨大災害対策を含めた関連情報の集約をさらに推進
②「災害廃棄物対策指針」を策定
http://www.dwasteguideline.or.jp/
災害廃棄物対策関連の主な国の動き
・本年3月末に「災害廃棄物対策指針」を策定し、都道府県、市町村における計画策定、体制
整備を支援
・専用のWEBサイトを開設
③「巨大災害発生時における災害廃棄物対策のグランドデザインについて」を公表
・本年3月末に有識者委員会による中間取りまとめを公表し、今後の具体的な取組の方向性を提示
・本年度内に国としての「行動指針」を策定し、地域ブロックにおける対策の検討・具体化を促進
④循環型社会形成推進交付金を活用した災害対策の強化
平成27年1月15日
近畿ブロック第一回協議会
・地域の防災拠点となる廃棄物処理施設に対する交付率のかさ上げ(1/3 → 1/2)を行うなど災害対
策を強化(本年4月施行)
⑤環境省内「災害廃棄物対策チーム」の設置
近畿地方環境事務所 廃棄物・リサイクル対策課
・巨大災害の発生に備え、グランドデザインを具体化するためのチームを本年4月に廃棄物・リサイクル
対策部内に設置
・台風、大雨、大雪等による災害発生時には、市町村における災害廃棄物の処理等を支援
巨大災害発生時における災害廃棄物対策のグランドデザインと災害廃棄物対策指針
被害 大
災害廃棄物対策指針の内容
①被災市町村及び支援市町村を想定して策定する市町村災害廃棄物処理計画
②被災都道府県及び支援都道府県を想定して策定する都道府県災害廃棄物処理計画
被害 小
都道府県を超える広域的な対応が不可
欠となる巨大災害への備え
災害発生前
<災害発生前>
巨大災害発生時における災害廃棄物
対策のグランドデザインについて
(H26.3中間取りまとめ)
・大規模災害により発生する災害廃棄物が
膨大であり、適正かつ円滑な処理のために、
事前に具体性のある計画作成が重要。
・県内の既存施設だけでは処理が長期戦と
なるため、広域連携や仮設処理施設のため
の場所の確保等が重要。
巨大災害発生時における災害廃棄物対
策行動指針(平成26年度作成予定)
大規模災害発生時における災害廃棄物対
策行動計画の作成(近畿ブロック)
都道府県・市町村で対応できる
災害への備え
災害廃棄物対策指針
(H26.3改定)
・災害時における廃棄物処理を適正か
つ迅速に行うために必要となる基本的
事項を整理
・災害発生前、災害応急対応、災害復
旧・復興期の3つに整理
連携
災害廃棄物処理計画の作成
本省
自治体
府
県
の
計
画
市
町
村
の
計
画
災害応急対応時期
<人命救助から生活再開まで>
復旧・復興期
<廃棄物処理終了まで>
被災
被災市町村と連携し連絡調整・情報
収集・共同行動・支援要請、代行措
置等を含む計画
進行管理
実行計画の検討支援
応急対応(体制、財政、実施等)
被災市町村の情報収集・支援要請
進捗管理
被災市町村の情報収集・支援要
請
都道府県による復旧・復興等
支援
広域的な視点からの支援対策(組
織・人員・機材等)を含む計画
支援協定の締結
支援に必要な情報収集・支援の実施
災害対策経験者の派遣
支援に必要な情報収集・支援の
実施
長期支援の実施計画
・想定被災規模の統一
・連絡体制の調整
処理現場としての具体的な計画
進捗管理
実行計画の検討
初動体制、状況把握、災害対応、財政管
理等
都道府県及び隣接する市町村、地方公共
団体、民間事業者団体への支援要請等
進捗管理
復旧・復興計画と合わせた処理・
再資源化
他地方公共団体・民間業者団体
への支援要請等
支援対策(組織・人員・機材等)に関
する計画
支援協定の締結
支援に必要な情報収集・支援の実施
災害対策経験者の派遣
支援に必要な情報収集・支援の
実施
長期支援の実施検討
被災
支援
・広域的な視点の検討
・市町村の計画との整合性
地域ブロック
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災害廃棄物対策指針の構成(1)
災害廃棄物対策指針の構成(2)
<本編>
【第1編
<資料編>
総則】
【第3編
・災害廃棄物対策指針の目的や基本的な事項を記載し、重点を実線枠内で強調
【第2編
災害廃棄物対策】
・地方公共団体が地域防災計画を踏まえた処理計画の作成に資することを目的とし
て、阪神・淡路大震災や東日本大震災で体験した課題に対する検討内容を中心に
記載
・各項目において、「処理計画の作成に必須」と考えられる補足資料を括弧内に太
字で表示
・各項目に資料名・番号を示し、必須資料(資料編)を容易に検索可能
・特に発生頻度が高い大雨や台風などの水害対策については、関連する部分に(水
害)のマークで強調し、各章の末尾に「水害廃棄物対策の特記事項」を統括的に提
示
巨大災害発生時における災害廃棄物対策のグランドデザインについて(平成26年3月)
第1章 巨大災害が発生した時の起こりうる事態
第1節
第2節
第3節
第4節
第5節
巨大災害が発生した時の起こりうる様々な事態による影響
東日本大震災における経験と都道府県・市町村における対策の現状
被災地域での膨大な災害廃棄物の発生
被災地域での既存の廃棄物処理施設における圧倒的な処理能力の不足
被災地域での避難所等から発生するし尿処理の必要性
第2節 東日本大震災
の教訓を踏まえた、発
災前の周到な事前準
備と発災後の迅速な
対応
第3節 衛生状態の悪
化・環境汚染の最小化
による国民の安全・健
康の維持
第4節 強靱な廃棄物
処理システムの確保と
資源循環への貢献
第5節 大規模広域災
害を念頭に入れた、
バックアップ機能の確
保
(1)実効性の高い処理計画の
策定
(2)処理期間の設定と発生量
の不断の見直し
(3)連携体制の整備
(4)災害廃棄物処理に係る円
滑な業務発注
(1)衛生状態悪化や環境汚染
の最小化
(2)し尿処理や廃棄物収集体
制の早期確立
第4章 今後の具体的な課題の検討に向けて
第1節
第2節
第3節
第4節
第5節
参考資料】
・地方公共団体職員が事務手続きを行ううえで必要な法令や計画、様式集、国
庫補助等
今後の具体的な進め方(第4章) ①
●巨大災害発生時における災害廃棄物処理のため、「巨大災害廃棄物対策チー
ム」を速やかに構築し、関係する様々な業種の民間団体との連携・協力体制の強
化を通じて、災害廃棄物の処理システムの検討を行う。
●地域単位での検討状況を踏まえた広域処理を含めた処理体制等に関する全
体的な調整を行った上で「巨大災害発生時における災害廃棄物対策行動指針」
を平成26年度中を目途に作成する。
【地域単位での災害廃棄物処理体制構築に向けた具体的な検討】
第3章 具体的な取組みの基本的方向性
(1)仮置場等の確保と適切な
運用
(2)既存施設の最大限の活用
(3)仮設処理施設の整備
(4)最終処分場の確保
(5)情報発信
(6)地域の住民(国民)理解の
醸成
【第4編
【全国単位での災害廃棄物処理体制構築に向けた具体的な検討】
第2章 巨大災害の発生に向けた対策のあるべき方向
第1節 膨大な災害廃
棄物の円滑な処理の
確保
技術資料】
・本編の項目に関係する情報のうち、主に災害廃棄物処理対策に係る発生量推計
方法、協定書フォーマット、災害廃棄物種類別の処理方法等を添付
・東日本大震災で出された環境省や国立環境研究所、被災地方公共団体のマニュ
アル等も添付
・情報の集約化(プラットホーム化)も意識。利用者がイメージしやすいよう具体例
(東日本大震災の事例)を充実。計算例も記載。
全国単位での災害廃棄物処理体制構築に向けた具体的な検討
地域単位での災害廃棄物処理体制構築に向けた具体的な検討
制度的・財政的な対応に関する検討
情報発信及び人材育成・体制の強化に関する検討
災害廃棄物処理システムや技術に関する検討
(1)既存の廃棄物処理システ (1)燃料や資機材の確保
ムの強靱化
(2)人材の確保・育成、受け入
(2)民間事業者の処理施設の れ体制
活用
(3)広域輸送体制の整備
(4)再生利用先の確保
●地域単位ごとに国(地方環境事務所及び関係国機関)、都道府県、主要市町
村、地元民間事業者団体等で構成される協議の場を設置し、必要となる施設の
整備や連携・協力体制の構築に向けた検討を行う。
●管内関係者間での災害廃棄物対策に係る情報を共有するとともに、地域住民
も含めて災害廃棄物に対する意識の醸成を図るため、地域の特徴を踏まえた「巨
大災害発生時における災害廃棄物対策行動計画」を策定する。
●発生原単位等の精度の向上を図り、地域の実情を踏まえて、災害廃棄物等の
発生量や既存施設での処理可能量を試算する。
*行動指針、行動計画は、地域ごとの具体的な検討を通じて得られる新たな知見を踏まえ常に進化させる。
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今後の具体的な進め方(第4章) ②
【制度的・財政的な対応に関する検討】
●災害廃棄物の発生量や既存廃棄物処理施設の状況を踏まえ、制度面からみて
必要な措置をあらかじめ幅広に検討し、検討状況に応じて必要な措置が具体化さ
れたものから、法令面の見直しを適宜行う。
・巨大災害発生時における災害廃棄物処理に係る関係者の役割・責務の明確化
・巨大災害発生時の災害廃棄物処理に係る特例の基準の設定
・仮設処理施設の設置に係る諸手続きに関する特例措置の検討
・巨大災害発生時における災害廃棄物処理に係る新たな財政支援制度の検討
【情報発信及び人材育成・体制の強化に関する検討】
●過去の巨大災害において得られた知見のアーカイブスを作成するとともに、国
等の防災・減災に関する取組について積極的に情報発信を行う。
●部局間の連携を想定した災害廃棄物対策に関する研修やシンポジウム等を実
施する。など
【災害廃棄物処理システムや技術に関する検討】
●東日本大震災等における災害廃棄物処理に係る技術的・システム的課題を体
系的に整理し、その知見を巨大災害における災害廃棄物処理に活用する。など
巨大災害発生時における災害廃棄物対策の取組
東日本大震災以降の動き
東日本大震災
【政府全体】
【環境省】
廃棄物処理施設整備計画
の改定(H25.5閣議決定)
災害廃棄物対策指針
(H26.3策定)
災害対策基本法
(H25.6.21改正公布)
国土強靱化基本法
(H25.12.11公布)
南海トラフ地震対策特別措置法
(H25.11.29改正公布)
首都直下地震対策特別措置法
(H25.12.26公布)
■廃棄物処理施設における災害対策の強化
・廃棄物処理施設を、通常の廃棄物処理に加え、災害廃棄物を円滑に処理する
ための拠点と捉え直す
→広域圏ごとに一定程度の余裕を持った焼却施設及び最終処分場の能力を
維持し、代替性及び多重性を確保
・地域の核となる廃棄物処理施設においては、施設の耐震化、地盤改良、浸水
対策等を推進し、廃棄物処理システムとしての強靱性を確保
想定される巨大災害被害
要国
な土
施強
策靱
に化
位に
置お
づい
けて
さ災
れ害
て廃
い棄
る物
。対
策
が
重
強靱な廃棄物処理施設整備
●市町村等が行う地域の生活基盤を支えるための重要なインフラである廃棄物処
理施設の整備を支援。
●東日本大震災の教訓を踏まえるとともに、今後想定される大規模災害(首都直
下型地震、南海トラフ巨大地震)に備え、地域の防災拠点となり得る廃棄物処理
施設の整備を戦略的に支援。
●老朽化対策での予算の確保
●災害時の取組への支援の強化
(循環型社会形成推進交付金)
高効率エネルギー利用に加え、地域の防災拠点の整備
機能を備えた施設に1/2交付対象を重点化
(防災拠点として必要な機能)
・耐震・耐水・耐浪性
・薬剤等の備蓄倉庫
・始動用電源、燃料保管設備
ダイオキシン対策により整
備した施設の多くが老朽化
(全国約1,200施設のうち築
20年超:406施設、築30年
超:103施設、築40年超:4施
設)し、地域でのごみ処理能
力の不足、事故リスク増大
の恐れ。
●避難所への電力供給・熱供給機能の確保
●防災部隊の拠点としての活用など
●膨大な災害廃棄物を処分するための既存処
分場の拡張、整備について財政支援
大規模災害による膨大な量の災害廃棄物等を処分
するために、埋立処分場の拡張や整備について、財
政支援が必要。
老朽化した廃棄物処理施設の適切な更新を行うこ
とにより、地域住民の安全・安心を確保。また、災害
時においても施設の処理能力を確保するなど防災
拠点として整備することにより、迅速な復旧・復興を
可能とする。
また、インフラ長寿命化の観点から、防災拠点の機
能を長期的に維持していく。
●災害廃棄物を処理するため財政支援(仮設処
理施設の整備など)
大規模災害による膨大な量の災害廃棄物等の処理を円
滑に進めるために、既存の施設に加え、仮設処理施設の
整備に向けた財政支援が必要。
災害廃棄物対策指針と地域ブロック行動計画の位置づけ
環境省防災業務計画
事前に備えるべき目標
大規模災害発生後であっても、地域社会・
経済が迅速に再建・回復できる条件を整備す
る。
回避すべき起こってはならない事態
大量に発生する災害廃棄物の処理の停滞
により復旧・復興が大幅に遅れる事態
プログラムの推進方針
●廃棄物処理に係る災害発生時の対応を強
化するための施設整備について検討する。
●広域的な対応体制の整備及び備蓄倉庫・
資機材等の確保を効率的かつ円滑に進め
るための所要の検討を行う。
●二次災害防止のための有害物質対策や
廃棄物処理技術と教育・訓練プログラムの
開発等の業務を通じた廃棄物処理システム
の強化を検討する。 等
(国土強靱化政策大綱(H25.12国土強靱化推進本部)
総合的な取組の展開
●環境省では、有識者による検討委員会(「巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会」)を開催して、
H25.10から総合的な対策の検討に着手。H26.3に中間とりまとめ「巨大災害発生時における災害廃棄物対策のグ
ランドデザインについて」を公表。
●全国的に関連団体との連携強化や広域処理体制の検討を進めるとともに、地方環境事務所と連携して、地域ブロッ
ク単位で、国・地方公共団体・民間事業者が参加する協議会を設置して災害廃棄物対策の具体化を行う。 11
●これらの検討を通じて、必要となる制度的な対応を明らかにし、具体的な措置を講じる。
災害廃棄物
対策指針
(H26.3改定)
巨大地震発生時における災害廃棄物
対策検討委員会(H25.10設置)
方向性(H26.3中間とりまとめ)
(都道府県・市町村の対
策用)
・大規模災害により発生する災害廃棄物が膨
大であり、適正かつ円滑な処理のために、事
前に具体性のある計画作成が重要。
・県内の既存施設だけでは処理が長期戦とな
るため、広域連携や仮設処理施設のための
場所の確保等が重要。
・災害時における
廃棄物処理を適
正かつ迅速に行
うために必要と
なる基本的事項
を整理
地域ブロックでの計画策定に
むけた指針(H26年度策定予定)
地域ブロックでの
災害廃棄物処理計画の作成
連 携
地域防災計画
・
広域防災計画
・備えておくべき
災害の設定
・防災体制の設定
など
都道府県、市町村の
災害廃棄物処理計画の作成
優先順位の検討
施策の実施
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