国際規制物資の使用等に関する規則の一部を改正する規則(案)等 について 平成27年2月19日 原子力規制委員会 1. 背景 (1) 国際原子力機関(IAEA)は保障措置の実施に当たり、限られた資源をよ り効果的・効率的に利用すべく、保障措置手法の更なる改善を目指している。 その一環として、核燃料物質の未申告の生成及び処理の検知能力の強化を 目的に試験研究用等原子炉、研究開発段階発電用原子炉及び使用施設等のう ちの一部を対象とする新たな保障措置手法が IAEA から提案された。 同手法は、現在行われている核燃料物質の在庫やその変動を確認する目的 で行う中間在庫検査1の一部に代わり導入されるものとして提案され、あら かじめ設定された区域に短期通告2により立入り、巡視や、施設の運転状況 を示す計測制御装置の指示値の目視確認等により施設の運転状況が事業者 の申告と相違ないことの確認を通じ、対象施設において核燃料物質の未申告 の生成及び処理が行われていないことを確認するものである。 同手法の導入により、保障措置がより効果的に実施される一方で、様々な 効率化も期待される。具体的には、実施に当たり施設の運転を妨げないこと、 核燃料物質の在庫量やその変動に関する帳簿の検認、非破壊測定、封じ込め /監視機器の設置・検認、核燃料物質その他の必要な試料の収去等を伴わな いため、従来手法では必要であった準備作業が不要となること、検査に要す る時間の短縮が見込まれること、査察機器の運搬やそのための作業も不要と なること等が挙げられる。 同提案を受けて、具体的な実施手順についての協議及びリハーサルを IAEA と行い、当該手法は実施可能であるとの共通の結論に達した。 1 2 事業者等が前回の実在庫検査(核燃料物質計量管理区域内の核燃料物質の量の確認を行う 際に受ける検査)を受けた日から次回の実在庫検査を受ける日までの間において、原子力規 制委員会が適当と認める日に行う検査 立入りの数時間前にその実施が通告されること。 1 日・IAEA 保障措置協定の実施のために必要な原子力施設等への立入検査 は、原子力規制委員会の指定する職員が行うことができるほか、検査内容の 明確化が可能なものについては、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制 に関する法律(昭和 32 年法律第 166 号。以下「法」という。)第 61 条の8 の2の規定に基づく保障措置検査として位置づけ、同法第 61 条の 23 の2の 規定に基づき、原子力規制委員会に代わって指定保障措置検査等実施機関に 実施させることができることとされている。 協議の結果、同手法の内容及び実施範囲が明確化され保障措置検査として 実施することが可能となり、短期通告への対応のため指定保障措置検査等実 施機関に実施させることを可能にする必要があることから、国際規制物資の 使用等に関する規則(昭和 36 年総理府令第 50 号。以下「規則」という。) にこれを規定することとする。 また、記載の適正化を行うこととする。 (2) 上記で規定する保障措置検査の対象となる試験研究用等原子炉、研究開 発段階発電用原子炉及び使用施設等を特定するため、規則(案)に基づき工 場又は事業所の名称を告示することとする。 2. 概要 (1) 保障措置検査の内容 試験研究用等原子炉、研究開発段階発電用原子炉及び使用施設等において、 施設の操作状況の確認を通じ、原子炉の運転状況、使用済燃料集合体の取扱 状況及び核燃料物質その他の有用物質の分離、化学的処理の状況を把握する ための検査。 (2) 新たに規定する保障措置検査の対象施設 試験研究用等原子炉全22施設のうち7施設、研究開発段階発電用原子炉 2 全2施設のうち1施設、使用施設等全15事業所50施設のうち8施設。 なお、今後の運転計画の変更、廃止措置の状況により対象施設は変更され る可能性がある。 3. 今後の予定 意見募集の実施 平成 27 年2月 19 日(木)から3月 20 日(金) までの 30 日間 原子力規制委員会 平成 27 年3月末予定 (規則等の制定について) 公布 平成 27 年4月上旬予定 以上 3
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