『カッコいい人生とは』 - 卒業する6年生に贈る言葉 - 校 長 武田 義治 カッコいいのは顔や姿だけではありません。人生にも当てはまります。 「カッコいい人生」を送るために大切なことは何か,小学生時代からこんなこ とを考えることができれば,きっと生きることが楽しくなるはずです。 では,カッコよく生きるためには,どうすればいいのでしょうか。 まず,嫉妬心(しっとしん)の克服です。 嫉妬心とは人をうらやましく思い , ねたむ心のことです。誰にでもある,この嫉妬心という敵をやっつけなければな りません。たとえば,勉強がよくできる人を見てどのように受け止めますか。嫉 妬心に捕らわれた人は「あいつは塾にいっているから」 などと自分ができないこ との言いわけを探そうとします。中には「なにガリ勉してるんだよ」とがんばろ うと思っている人の気持ちを 引きずり下ろすようなことを言う人もいます。嫉妬 心は,お互いが向上し合おうとするときに,マイナスの働きをするのです。 でも,嫉妬心を乗り越えた人は, 「すごいな。どんな勉強をしたらいいんだ?教 えて」と素直に人をほめることができます。こんな人がカッコいいのです。 このように,「あこがれ」の人,つまり人生のお手本をたくさん見つけられる人 ほど人生は充実します。身近な人でもいい ,スポーツ選手でもいい,伝記の偉人 でもいい,「あこがれ」の人を見つけてください。「あこがれ」の人を目標にして 生きる力を身につければ,皆さんの人生はカッコよくなります。人をいじめて楽 しむような生き方が,どんなにカッコわるいことか分かってきます。 次に大切なことは,「口癖」を変えて「心構え」を強くすることです。人間は習 慣の動物です。一人一人の日々の細かな習慣が癖となってその人独特の癖が 作ら れ,癖が固まって心が作られます。それがその人の「心構え」になります。 日頃から,「うざい」なんて言っている人は,本当は「困ったなあ,苦手だ,む りだ」という弱い気持ちを隠しているだけ。とても危ない言葉です。「意味わかん ねーし」自分に丌都合なことを受け入れないだけ。「やろうと思えばできるよ」ど うぞやってください!「おれ,○○な人だから」ああみっともない,恥ずかしい。 「でも~」後出しジャンケンのようでずるい。「え~」「だって~」。やってもない のに限界を決めています。どの言葉もなんてカッコわるいのでしょう。 「いいわけ」をする癖がつくと,無駄なエネルギーが使われ,肝心なことに力 を発揮できません。手でブレーキをかけながら足でペダルをこいでいる自転車 の 状態です。「口癖」を変えて心を素直にすること。これが「心構え」を強くする秘 訣です。この「心構え」がしっかりすれば,カッコいい生き方ができます。 さらに,挑戦してほしいことがあります。それは,自分の力を他の人のために 使い,まわりの人に喜んでもらうことです。他人の喜びを自分の喜びとする人は, 周りの人から好かれ,頼りにされます。人にたくさんのことをしてあげられる人 はカッコいいのです。残念ですが,世の中には他人のことを恨んでばかり ,批判 してばかりの人がいます。感謝の気持ちが少しも生まれてこない人です。 でも, 今の自分が生きているのは,まわりのみんながお世話してくださったから です。 してもらったことが多いことに気づけば,自ずと感謝も気持ちが生まれてきます 卒業を控えた6年生の皆さん。人生をどう生きるか,どんな人間になりたいか, 生きていく上で大切なことは何か ,できるだけ早い時期に伝えてい かなければな らないと思い,言葉にしました。全部はまだわからないと思いますが,納得でき る言葉が一つでもあれば,それを支えに,「カッコいい人生」を求め続けてほしい と思います。
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