竹田一則 - 日本学生支援機構

平成26年度 全国障害学⽣⽀援セミナー「体制整備⽀援セミナー」
独⽴⾏政法⼈ ⽇本学⽣⽀援機構
⼤学等における障害学⽣修学⽀援の体制整備と今後の課題
〜筑波⼤学障害学⽣⽀援室の現状と課題を踏まえて〜
筑波大学(人間系・障害学生支援室)
竹田一則
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⽇本の⼤学における障害学⽣の動向
障害学⽣の総数は
平成23年度以降、
1万⼈を超え、増
加傾向が続く
障害学⽣の割合は
0.42%
(平成25年度)
Hidden / Invisible
Disabilities「⾒えな
い障害」と⾔われて
きた、発達障害、精
神障害、慢性内部疾
患などが急増
その他:知的障害、精神障害、精神疾患等
⽇本における障害学⽣の⼤学等在籍者数が急増
(特に従来障害学⽣と認識されてこなかったHidden / Invisible Disabilities「⾒えない障害」 が増加
※発達障害は、身体障害に比べ健常の間が明確でなく、どこまでが障害でどこからが本人の個性や能力の問題であるのか区別がつきにくい。
また、同じ発達障害でも問題の現れ方は一人一人違い、障害をもっているかどうかが周囲あるいは本人にさえ自覚しづらい。
このため、誰を対象に、どこまで、どのような支援を行えばよいかを考えていくことが困難となっている。
出典:日本学生支援機構
障害者の権利に関する条約
(Convention on the Rights of Persons with Disabilities)
・平成18年12月
・平成19年 9月
・平成26年 1月
・平成26年 2月
国連総会にて採択 (2006)
日本署名(賛同) (2007)
批准(2014)
発効(2014)
第24条 教育(抜粋)
5 締約国は、障害者が、差別なしに、かつ、他の者と平等に高等教育一般、職業訓
練、成人教育及び生涯学習の機会を与えられることを確保する。このため、締約国は、
合理的配慮(reasonable accommodation)が障害者に提供されることを確保する。
※第2条 定義(抜粋)
「合理的配慮」とは、障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有
し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定
の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さ
ないものをいう。
施策・関連諸法の動向
○ 2008年 国連 「障害者の権利に関する条約」発効
障害者の⼈権及び基本的⾃由の享有や固有の尊厳の尊重を促進することを
⽬的として,障害者の権利の実現のための措置等について定める条約
○ 同条約を受けた国内での障害者施策関連法の整備
2011年 障害者基本法の改正 →障害を理由とした差別の禁⽌(4条)
2012年 「障がいのある学⽣の修学⽀援に関する検討会」(⽂部科学省)
2013年 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解
消法) 制定(2016年施⾏予定) →⼤学における合理的配慮の義務化(7条・8条)
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•
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○
2014年 ⽇本 国連 「障害者の権利に関する条約」
批准
今後すべての⼤学において、障害学⽣に対して「合理的配慮* 」の提供が
義務づけられる
*合理的配慮とは、障害のある学生が、他の者と平等に『教育を受ける権利』を享有・行使することを確保するために、
大学等が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある学生に対し、その状況に応じて、個別に提供されるもの
(障害のある学生の修学支援に関する検討会報告第一次まとめ, 2012) 1
障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)
・障害者基本法第4条に規定された「差別の禁⽌」を具体化
・それが遵守されるための具体的な措置等を規定
・平成25年6⽉公布、平成28年4⽉施⾏(⼀部を除く)
(2016年施⾏)
第7条 ⾏政機関等における障害を理由とする差別の禁⽌(抜粋)
2 ⾏政機関等は、その事務⼜は事業を⾏うに当たり、障害者から現に
社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合におい
て、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害
することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応
じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなけ
ればならない。
第8条 事業者における障害を理由とする差別の禁⽌(抜粋)
2 事業者は、(同上)…必要かつ合理的な配慮をするように努めなけ
ればならない。
国公⽴⼤学・⾼専など ⇒ ⾏政機関等(第2条第3号)
学校法⼈、学校設置会社 ⇒ 事業者(第2条第7号)
⇒
⇒
法的義務
努⼒義務
障がいのある学⽣の修学⽀援に関する検討会
(平成24年6⽉〜12⽉、⽂部科学省⾼等教育局)
(2012)
○我が国の⾼等教育段階における障害のある学⽣の修
学⽀援の在り⽅等について検討するために設置
○7か⽉の議論を経て平成24年12⽉に(第⼀次ま
とめ)発表
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou
/24/12/1329295.htm
合理的配慮の考え⽅(定義)
(2012,⽂部科学省検討会)
合理的配慮=変更・調整を行うこと
○検討会報告(第一次まとめ)における定義
・障害のある者が、他の者と平等に「教育を受ける権利」を共有・行使することを確
保するために、大学等が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、
・障害のある学生に対し、その状況に応じて、大学等において教育を受ける場合に
個別に必要とされるもの
個々の学生の教育的ニーズに応じて提供
かつ
・大学等に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さ
ないもの
大学等にとって過度な負担ではないか
≒合理的か
【参考】障害者の権利に関する条約の定義
第2条 定義(抜粋)
「合理的配慮」とは、障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保す
るための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した
又は過度の負担を課さないものをいう。
合理的配慮は多様かつ個別性が⾼く、「何が合理的配慮か」を網羅して⽰すことは難しい
⇒ ⼤学等において提供すべき合理的配慮の考え⽅を整理
合理的配慮の考え⽅(留意点)
(2012,⽂部科学省検討会)
基本的な考え方
修学機会の確保
一方で…
○入試
・大学の学修に必要な能力・適性等
について、障害のない学生と公平に
判定するための機会を提供
○受入れ後
・個々の学生の障害の状態・特性等に
応じて、学生が得られる機会への平
等な参加を保障
高等教育の質の維持
ただし、
・教育の本質や評価基準を変えて
しまうこと
・他の学生に教育上多大の影響を
及ぼすような教育スケジュールの
変更や調整を行うこと
を求めるものではない
大学等にとって過度な負担ではないか
変更・調整
個々の学生の教育的ニーズ
⇒各⼤学における障害学⽣⽀援担当部署の設置が喫緊の課題