いま、あらためてコンピュータ・アルゴリズムと人 間の関係を考える

いま、あらためてコンピュータ・アルゴリズムと人
間の関係を考える
Ponanza 開発者 山本一成
自己紹介
・山本一成(やまもと いっせい)
・Ponanzaという将棋プログラムを開発
・大学時代から初めて今年で開発7年目
@issei_y →
Ponanza?
・将棋を指すプログラム
・ただ指すだけでない、とても強い!
電王戦トーナメント 優勝1回, 準優勝1回
・初めて現役のプロ棋士を倒した
・第2回、第3回電王戦出場
・第4回電王戦出場予定(最多)
今のコンピュータ将棋の強さ
・Ponanzaは対プロ棋士 2戦全勝
・ほかのプログラムも合わせて7勝2負1引
・10年前にはまったくプロ棋士に勝てなかった
問題1.
どうしてコンピュータは強くなった?
・プロの棋譜をすべて覚えられるから?
・今COMが抱えている問題で本質的に記憶容量
が問題なることはあまりない
今のコンピュータ将棋の強さ
機械学習
機械学習
様々なパラメタを人間ではなく機械が調整
Q なぜ機械にやらせる?
A1 人間には扱えない大量のパラメタを扱える
A2 人間には検討もつかないパラメタを扱える
将棋プログラムの概要
探索
評価
どれだけ沢山読めても・・・
指針が決まってないと・・・
評価関数
局面を与えて、良いか悪いか判定する
評価関数をどのように作るのか?
・10年ほど前は手作業
・しかし強くない
何故?
問題2
将棋が難しいのは合法手が多いせい?
・COMは人間に比べて相対的に終盤が強い
・終盤の方が合法手が多い
ここでいったん将棋とチェスの比較
・1997年 DEEPBLUEがカスパロフを破る
・2015年 将棋はようやく勝利が見えてくる
☓ 合法手が多いから
◎局面の評価が難しいから
なぜ局面の評価が難しい?
よくないね!
いいね!!
チェスの駒は動きが速い
将棋の駒は動きが遅い
将棋は位置の
評価が大事
評価関数を手で作るのは難しい
・膨大なルールがありながら、大量の例外
歩き方をロボットに教えてみよう
1. 右足を前に出す
2. 左足を前に出す
ダメでした(๑╹‫╹ڡ‬๑)
ちょっと考えてみよう
右足を前に上げ始めた時、左手はどこにある?
右足が一番高い位置にあるとき、左ひざは曲がっ
ている?
その時腰はねじれていた?
右足が着地した時、左足のかかとはついてる?
言葉にできることはとても少ない
・人間は自分がなにを知っているかを知らない
・適切な場面にならないと知識は出てこない
・言語化できることは実はとても浅い部分
“ひゅー”と来るから
“ぽかーん”と打つ
今COMが抱えている課題は
記述すること(=プログラム)が難しい
エキスパートシステムの敗北
将棋もこういった類の問題だった
現在はCOMの膨大なリソースと機械学習で様々
な問題が解決し始めている
機械学習の躍進
・機械学習が一般化
・DeepLearningの恐るべき性能(遅いけど)
・自動車の発明
ここからが本題
・コンピュータと人間の関係
・人間はどう振るまいのか?
・人間はどう振る舞うべきなのか?
将棋界におけるコンピュータと人間の関係
・将棋村に激震が走る
・受け入れるか、拒絶するか
第2回電王戦(初めて人類が敗れた時)
お通夜
第3回電王戦の場合
なんだか明るい
慣れた
人間は新しい価値観を受け入れる
コンピュータは強くなった
・そんなことは許されない
・じゃあ電王戦をどうやって盛り上げるか
変わる時代
・人間にしかできないものがCOMも扱える
・人間の聖域はドンドン水没していっている
・スキームが変わろうとしている
・我々は今SFの世界に生きている
終わりに: 先進国内で格差は広がる
・先進国すべてで中間層の没落
・中間層がする仕事がない
・ITに仕事を奪われた?
終わりに:IT化で仕事がなくなる?
・今やっている仕事はなくなる
・ITの力で個人の力は上がっている
・我々の時代は産業革命を上回るIT革命時代
・自分で考えて未来をつかもう!
まとめ:時計の針を進めること