道路橋の劣化検知技術を開発 開発の特長 1.超音波を用

(2013 年 9 月に日本音響学会で発表済み)
2015 年 2 月 17 日
三菱電機株式会社
見えないところを短期間で検査
道路橋の劣化検知技術を開発
三菱電機株式会社は、老朽化が社会問題となっている道路橋の路面の陥没の原因である、アス
ファルト舗装下のデッキプレートの貫通亀裂を、超音波で簡易に検出できる検査技術を開発しま
した。道路橋の下側から検査することで通行止めが不要となり、路面陥没の予防を通じて社会イ
ンフラの維持管理の効率化に貢献します。
開発の特長
1.超音波を用いた非破壊検査により、路面陥没の原因となる貫通亀裂を検出
・超音波を用いた非破壊検査で、アスファルトで覆われ目視点検できないデッキプレートの貫
通亀裂を検出
・道路橋の下側から検査するため、交通を妨げずに効率的に検査可能
2.簡易な作業のため、短期間での検査を実現
・道路橋の下側にセンサーを当てるだけの簡易な作業で貫通亀裂を検出
・10m 程度の範囲を 1 度で検査可能。800m の道路橋の検査を 3 日で完了
開発の概要
検知方法・原理
作業内容
検査期間
(800m)
センサーを当てるだけの
ポイント検査
3日
今回
U リブ内の雨水の有無を調べ、貫通亀裂を検出
従来
亀裂に超音波ビームを照射し、反射波で亀裂を検出。 センサーを当てた後、
しかし、亀裂が貫通しているかどうかは、不明
全面走査による検査
30 日以上
今後の展開
1 年後の事業化を目指し、各検査会社やコンサルタント会社に提案していきます。
報道関係からの 〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目 7 番 3 号
お問い合わせ先 三菱電機株式会社 広報部
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TEL 03-3218-2359
FAX 03-3218-2431
開発の背景
高度成長期に建設された各種構造物の老朽化が社会問題となっています。道路橋も例外ではな
く、長年に渡って多くの車両が通行したため、様々な箇所で劣化が進んでいます。これまでは維
持管理のための目視点検が行われていますが、目視できない箇所も存在し、検査に時間がかかる
という課題がありました。また、目視点検するために路面のアスファルトを剥がして検査を行っ
た場合、長時間の通行止めを必要とし、交通を妨げるうえ多大なコストがかかっていました。加
えて、道路の下側からも目視点検することができませんでした。
当社はこれらの課題を解決するため、超音波による道路橋の検査技術を開発し、簡易的で効率
的な検査法を実現しました。
検査法の詳細
路面の下にあるデッキプレートは U リブと呼ばれる鋼材で支えられており、貫通亀裂があると
U リブ内に雨水が浸入します(図 1)。U リブの底面に超音波を伝搬させると、雨水があれば超音
波のエネルギーが水中に漏れるので、受信信号は小さくなり、雨水がなければ、大きな信号が受
信されます(図 2、図 3)。受信信号の振幅の大きさにより雨水の有無を調べ、間接的に貫通亀裂
を検出します。
また、水は低い場所に溜まるため、約 10m ごとに仕切られた U リブの一区間で一番低い場所
を調べることで区間全体の検査が可能になります(図 4)。センサーを走査する従来法よりも、短
期間での検査が可能です。
共同研究
この技術は、独立行政法人 土木研究所および菱電湘南エレクトロニクス株式会社との共同研究
で開発しました。
開発担当研究所
三菱電機株式会社 情報技術総合研究所
〒247-8501 神奈川県鎌倉市大船五丁目 1 番 1 号
FAX 0467-41-2142
http://www.MitsubishiElectric.co.jp/corporate/randd/inquiry/index_it.html
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