HILL HOUSE,1 ラダーバックチェア(チャールズ・レニー・マッキントッシュ)

HILL HOUSE,1 ラダーバックチェア
/チャールズ・レニー・マッキントッシュ
名作プロダクトに息づく
日本の心
日本趣味流行の
香りを含んだ名作椅子
「マッキントッシュ」といえば、今ではパソコンを連想
する人がほとんどかもしれませんが、少し前までは偉大
な建築家・インテリアデザイナーの名前として知られて
いました。そして、今も彼が建築・デザイン史上偉大な
存在であることに変わりはありません。スコットランド
のグラスゴーに生まれて地元の設計事務所で活躍し、そ
こで華開いたモダニズムへの萌芽は、アール・ヌーヴォ
ーの「グラスゴー派」と呼ばれています。
この「ラダーバックチェア(背もたれが梯子(ラダー)
HILL HOUSE,1
に似ていることからそう呼ばれる)
」は、彼の代表的な建
(ヒルハウス1)
ラダーバックチェア
築作品「ヒル・ハウス」
(1901年)のためにデザインさ
サイズ : W410 × D350
× H1400 × SH450
素材:フレーム/アッシュ材
座/シルクベルベット
価格:¥300,000(税抜)
問合せ先:カッシーナ・イクスシー
青山本店
TEL:03-5474-9001
www.cassina-ixc.jp
れたもの。腰掛けるというよりは空間を構成する装飾の
一部で、その幾何学的なデザインはモダン・デザインの
元祖ともいわれています。
ヒル・ハウスの 2 年前に建てられた自邸には、着物の
シルエットを模した棚をデザインしたり、浮世絵を飾る
など、日本趣味がより色濃く反映されています。この椅
子の直線的なデザインが、日本建築の要素を直接引用し
たものかどうかは定かではありませんが、当時デザイン
界全体を覆っていた日本趣味の一端と見ることに、不自
然さはないでしょう。
参考資料:
『マッキントッシュの世界』木村博昭著、平凡社刊
影 響 を 与 えた日 本 の 文 化
日本建築の直線的なデザイン
19世紀中頃の万国博覧会などをきっかけに、
英国では1870年代から日本趣味がもてはや
されました。絵画や工芸品のみならず、建築
界でも日本建築の柱・梁・壁面による直線的
で抽象的な空間構成がモダン・デザインに影
響を与えたといわれています。
チャールズ・レニー・マッキントッシュ
Char l e s Re nnie a c kint osh
(1868 -1928)
モダニズムを先駆けた建築家
スコットランドの建築家・デザイナーで、アール・ヌーヴォーの提唱者の一人。
16 歳でグラスゴーの建築家に弟子入り。当時前衛的な運動であったアーツ・ア
ンド・クラフツ運動への傾倒を経て、アール・ヌーヴォーへと変遷し、ヨーロッ
パのアヴァンギャルドの建築家として活躍。個人の住宅のほか、ティールームな
どで建築からインテリア・什器までをトータルにデザインし、先鋭的でありなが
ら女性的ともいえる壮麗な意匠空間をつくり出しました。