見通しの悪い煙霧の中でも視界を確保する

インコヒーレントテラヘルツ波によるアクティブイメージング技術
革新技術
Active Imaging with Incoherent Terahertz Waves
見通しの悪い煙霧の中でも視界を確保する
R-4
Ensures a Clear View Even in Severe Smoke and Fog Environments with Poor Visibility
煙霧に対する透過性が高く、煙の立ち込めた地点の可視化に最適な電磁波であるテラヘルツ帯電磁波を用いて、火災現場において、目
標地点を可視化し、消火活動や被害者救助をサポートする技術です。その実現のカギになるのは、干渉性が低く、十分に明るい照明用テ
ラヘルツ波を発生させる技術です。まず手始めに我々は光を制御し、可視化に適した強いテラヘルツ波を発生させることに成功しました。
300G
1mm
3T
100μm
光
30T
300T
10μm
1μm
透過性と高
空間分解能
の両立
空間分解能
煙への透過性
煙粒子の寸法
煙越し
煙越し
可視光像 テラヘルツ像
周波数 30G
[Hz]
波長 10mm
テラヘルツ電磁波
被写体
電波
本技術の応用イメージの一例
特
徴
■ 周波数が異なる2つの光信号から、光信号の周波数差に等し
い電気信号を発生させる、フォトミキシングという技術を用いて、
テラヘルツ波を発生させています。
■ 2つの光のうちの片方に光雑音を用いることで、発生するテラ
ヘルツ波は、広い帯域を占め、干渉しなくなります。さらにバン
ドパスフィルタで、光雑音の中から特定の周波数帯を切り出す
ことで、煙霧環境での照明に最適なテラヘルツ波が発生します。
■ 並列に並べた複数のデバイスから同時にテラヘルツ波を放射
させ、目標地点を明るく照らします。
利用シーン
防災センタ-
画像データ
■ 火災現場において、円滑な消火活動や被害者救助・捜索をサ
ポートします。
テラヘルツ
カメラ
制御
テラヘルツ照明器
(本開発技術)
実際の状況(可視)
・ 本成果の一部は、独立行政法人科学技術振興機構からの委託研究として、東京理科大学と共同で実施し、得られたものです。
■ テラヘルツ波は、煙以外にも非金属の物質を透過するという性
質があります。また、多くの物質がこの周波数帯に固有の吸収
スペクトルを持っています。バイオ、医療、食品、建築などの分
野で、本研究で実現するテラヘルツ波発生器を用いることに
よって、物体表面からは見えない、内部の欠陥や不純物、異物
を検出する非破壊検査が可能になります。
〈問い合わせ先〉[email protected]
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