平成 25 年度 企業等の名称 大牟田市 溶融帯制御法による高純度アルミニウム及び再生金属製造法の 開発 九州三井アルミニウム工業株式会社 代表者氏名 代表取締役社長 所 在 地 福岡県大牟田市四山町80 連 絡 先 0944-54-3910 U R L http://www.kmac-web.com 市町村名 事 新技術・地域資源開発補助事業を活用した取組 業 名 企業等概要 蓮尾勇次 平成 27 年 1 月現在 【事業者概要】 アルミ合金ビレット・スラブ、高純度アルミ、アルミ鋳物用合金、 アルミ鍛造用素材、アルミ鋳物製品、半導体製造装置用部品等の製 造・販売。 旧三井アルミニウム工業から鋳造事業を引き継ぎ、建築・車両分 野へのアルミ素材や半導体液晶製造装置用素材等の高付加価値ア ルミ製品を製造している。 【事業概要】 ◇背景・経緯 4N(99.99%高純度アルミニウム)市場は、主に アルミ電解コンデンサーに使用され、国内使用量 は、年間平均 37,000tとなっている。この市場は、 車の電装化や発電分野でワールドワイドに約 15% ~30%の伸び率で拡大すると予想されている。 しかし、近年中国等でアルミ精製やコンデンサー 三層電解法 の生産が低価格で行われるようになると、高い市場シェアを有 していた国内のメーカーのシェアは減少し、危機的状況となっ ている。 海外メーカーに対抗するためには、安価に高純度アルミを精 製する技術、アルミ材料と異種金属を精度よく容易に分離する リサイクル技術の確立等が必要である。 現在のアルミ精製技術は、大きく分けて2つの精製法が存在 する。イオン化して電気的にアルミニウムを抽出する三層電解 法と、合金が凝固する時に偏析する現象を利用し、初期に固ま りはじめた純度の高いアルミニウムを取り出す偏析法である。 三層電解法は、精製に大量の電力を必要とし、40%Cu やハロ ゲン化物等有害物質を使用するため、電気の消費量が少ない偏 偏析法 析法が主流となっている。しかし、精製した凝固塊が残湯の中に存在する偏析法は、残 湯の汲み出しに手間がかかり、大気の温度・環境等により精製条件も一様でなく純度に ばらつきが生じる等の課題がある。 本事業は、偏析法を基盤としつつ、高純度アルミを効率良く精製する新たな技術を開 発し、さらには、本技術をアルミ材料のリサイクル事業へ展開し、国内市場の回復を目 指すもの。 ◇研究開発の概要 溶融帯から凝固体に遷移する領域の温度を制御する ことにより、従来法より精製度、精製効率、製造コス トに優れたアルミニウムの新しい精製技術を確立す る。さらに、その精製技術を応用し、使用済みアルミ ニウム合金から種々金属を分別抽出するリサイクル技 術を開発する。 【成果】 ◇新規性 電気の消費量が少なく、有害物質を使用しない偏析法を基盤としながら、時間や結晶 塊の高さに応じた制御プログラムを基に、アルミニウムの凝固点近傍における緻密な制 御を行うとともに、製純度の低さや精製度のばらつきといった従来の精製法の欠点を克 服し、高い純度のアルミニウムを精製するものである。 ◇商品化・販売先 試験設備による検証の結果、温度制御のみでのアルミニウム精製は困難であることが 判明したため、冷却エアーや撹拌を行い期待する効果が得られた。現時点では、試験継 続中であるが、精製条件を決定し、精度・効率の良い超高純度アルミニウムの量産化へ 展開する予定である。 【今後の展望】 本事業で開発した精製法により、製造コストを抑え、 安価な超高純度アルミ材を製造することで、国内市場 の回復が期待される。 開発した試験機
© Copyright 2024 ExpyDoc