第3章 那須 地区 教育の 概要 学習指導 学習指導要領では、教育課程実施上の配慮事項について、小学校では12項目、中学校では14項目に わたって示しています。各学校では主に、言語活動の充実、体験的・問題解決的な学習及び自主的・ 自発的な学習の促進、学級経営と生徒指導の充実、見通しを立てたり振り返ったりする学習活動の重 視、指導方法や指導体制の工夫改善など個に応じた指導の充実、障害のある児童・生徒の指導の充実、 情報教育の充実、指導の評価と改善等について取り組んでいます。これらの事項に十分配慮し、教育 課程を実施することが望まれます。ここでは、学力の3要素のうち、主体的に取り組む学習態度の育 成に向けた、『子どもが意欲的に取り組む授業づくり』の事例について紹介します。 1 子どもの主体的な学び、「学ぶ楽しさ」を意識した取組 (1) コミュニケーション活動の導入 外国語科においては、言語や文化に対する理解を深め、 積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成 を図り、「聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと」 等のコミュニケーション能力の基礎を養うことが重視さ れています。 A中学校では、週4時間の外国語の授業の中で、1時 間はALTがT1となって、英語によるオーラルコミュニ ALTとのコミュニケーション活動 ケーションの授業が展開されています。ALTとの会話 の中では即答を求められる場面が多く、生徒たちはジェ スチャーや表情等を工夫して、間違いを恐れずに積極的 にコミュニケーションを図ろうとする態度が育ってきて います。生徒たちは、ALTとの関わりを通して、英語 を使って思いを伝えたい気持ちが高まり、「伝えたい⇒ そのために学びたい」という学びの意欲につながってい 生徒同士のコミュニケーション活動 ます。 また、3年生の修学旅行では、自分たちで作成した地 域を紹介するパンフレット(英語版)を外国人に配付し ています。授業で培ったコミュニケーション力を生かし、 自分たちから積極的に話し掛け、説明を加えながらパン フレットを渡す経験を通して、英語を話す自信を育み、 自発的に学習活動に取り組んでいます。 (2) ICTの活用 パンフレット(英語版) 授業でICT(情報通信技術)を効果的に活用するこ とにより、より分かりやすく深まりのある授業を展開し たり、児童生徒の情報活用能力を育成したりすることが 期待できます。 B小学校では、各教室に教師用タブレットパソコン、 電子黒板等のICT機器に加えて、児童が一人一台ずつ 使うことができるタブレットパソコンが整備され、様々 な授業や学校行事等で活用されています。 - 74 - タブレットを活用した協同学習 学 特 別 活 動 総 合 学 習 生 学 習 指 導徒 指 導 キ ャ リ ア 人 権 教 育 健 康 安 全 特 別 支 援へ き 複 式 生 涯 学 習 生 涯 ス ポ 講 演 記 録 H26 H26 那須 地区 教育の 概要 学校経営 デジタル教科書で教師が視覚的に学習内容を伝えたり、 タブレットパソコンに配付されたデジタルワークシート で個別に学習課題に取り組んだり、体育のマット運動で 教育課程 道 徳教 育 録画機能を使ったりなど、児童の実態や教科等の特性に 応じた活用がなされています。 なお、児童生徒が安心して情報手段を活用できるよう、 学校においては情報機器にフィルタリング機能の措置を 講じたり、情報セキュリティの確保などに十分配慮した 学ぶ意欲を育むためには、子どもたちの現状を把握する必要があり、その方法の一つとして 質問紙法があります。栃木県総合教育センターでは、小学校3年生以上を対象とした「学習に 意欲分析ツール」に入力することで、学ぶ意欲の分析結果が得られるようにしています。 生徒指導 関するアンケート」を作成し、ホームページで公開しています。アンケートのデータを「学ぶ 総合学習 (3) 学ぶ意欲を育むための実態の把握 ア 「学習に関するアンケート」について 特別活動 ICT機器を活用した授業の様子 りすることが必要です。 キャ リ ア 人権教育 イ 学ぶ意欲分析ツール 「学習に関するアンケート」の活用 特別支援 C中学校では、「学習意欲を育む~学習に関するアン ケート~」(栃木県総合教育センター)を実施し、各学 年、学級の生徒の学習に関する実態を把握しています。 へ き複 式 グループでの課題解決学習の様子 するのかのゴールを示す』 生涯学習 ・学んだことを生かす場面の設定『自分が学習したこと が生活のどの場面に生きるのかをイメージさせる』 ・認められる場面の設定『課題の提示-協同学習(課題 提案や発信をさせる』 ワールドカフェ方式での発表活動 参考資料「小学校学習指導要領解説 総則編」 「中学校学習指導要領解説 総則編」 「学業指導の充実 子どもが意欲的に取り組む授業づくりを通して - 75 - 平成20年8月 文部科学省 平成20年9月 文部科学省 」 平成26年3月 栃木県総合教育センター 生 涯ス ポ の追求)-まとめと発表の活動を取り入れ、自分から ※ 帰国外国 分析結果から、生徒たちは、受け身的な学びの姿勢で あったことがわかり、主体的な学びを促す指導方法の工 夫を学習指導上の課題としました。 改善に向けての具体的な取組を以下に示します。 ・導入の工夫『見通しをもたせる、この単元で何を学習 健康安全 学習に関するアンケート
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