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『LOGIQ E9 による Shear Wave Elastography について』
GE ヘルスケア・ジャパン(株)宮野崇司
この度、LOGIQ E9 に搭載された Shear Wave Elastography について、その機能、特
徴について紹介する。
超音波診断装置における硬さの測定には定性的なものと定量的なものがある。いずれも
組織の変位を計測することにより結果が得られる。組織に変位を与える方法として音響放
射力を用い、
硬さの情報を検出する手法として Shear wave を用いたものが本手法である。
プッシュパルスと呼ばれる従来の画像診断に用いられるものより高いエネルギーの超音
波を生体に照射し、組織内にミクロンレベルの変位を生じさせ、そこから発せられる Shear
wave の伝搬速度を測定する仕組みである。ところが、この Shear wave の振幅は非常に
微小であり伝搬に従い急速に減衰してしまう。断層像において ROI 内の硬さを測定するた
めに、LOGIQ E9 では Comb-Push Excitation という櫛状プッシュパルスを採用し、よ
り広範囲の硬さの画像化を実現している。複数個所で同時にプッシュパルスを発生させ、
それぞれを独立した Shear wave 発生源として取扱い、複数個所で生じた波面をまとめて
処理する仕組みである。それにより計測数値と共に対象領域における組織の硬さをカラー
の二次元マップで視覚化することが可能となっている。非侵襲的に組織の硬さを数値化で
きるという点で有望な技術であり、組織弾性の変化を伴う病変の診断、進行度診断、経過
観察に有用であると考えられる。