実機ロボティックスワームの群れ行動生成における 入出力構成の及ぼす

平成 26 年度 卒業論文概要
実機ロボティックスワームの群れ行動生成における
入出力構成の及ぼす影響
B112030 安保 雅基
【背景と目的】
Swarm Robotics (SR) とは多数の比較的単純な自律ロボットを利用し,局所的な相互作用を通
して,群れとしての協調行動を創発することを目的とする研究領域である.本研究では,SR のタ
スクの一つである Coordinated motion を行う.これは社会性生物に頻繁に見られる群れ行動の生
成を目的としたものである.群れ行動生成において他ロボットの情報の取得は必須であるが,実
環境において他ロボットの情報を詳細に得るためには高精度なセンサや多数のセンサが必要とな
り,これは SR の定義である比較的単純な自律ロボットと相反することとなる.そこで本研究で
は,入力情報を単純化することで群れ行動生成に与える影響の検証を行う.
【実験】
本研究では,10 台の移動ロボットを使用して実験を行う.Fig.1 に我々
が設計,製作した移動ロボットを示す.実験では,環境二箇所に設置して
あるランドマーク間を群れを形成しながら,往復することを目的とする.
Fig.2 に実験環境を示す.移動ロボットは他ロボット,およびランドマー
クに対する接近行動と他物体に対する反発行動を行う.本研究では,他ロ
ボットを認識する移動ロボットの視野を分割する.視野の分割によって生
成される群れ行動の比較を行い,群れ行動生成に与える影響の検証を行う.
Fig. 1: Robot
移動ロボットの視野の分割方法を Fig.3 に示す.分割され
Landmark
たエリアの内,最も他ロボットが多いエリアの重心方向に
対して接近,反発を行う.移動ロボットの視野が分割され
ていない時は認識した他ロボットの重心位置に対して接近,
反発を行う.
Landmark
Fig. 2: environmental
sight1
sight2
sight3
sight4
sight5
Fig. 3: Division of input
0.8
0.6
0.4
largest aggregate
0.2
0.0
largest aggregate は最大の集合に属するロボット台数の割合を
表す指標である.この値が 1 に近いほど,群れが一つにまとまっ
ていると言える.ロボットの視野の分割数が多いほど評価値が高
くなっているといえる.また視野の分割数が同じ時でも分割の方
法が異なることで評価値が異なっている.これらのことより,入
力情報の離散化具合が同じであっても離散化の方法によって群れ
行動生成に影響があると考えられる.
1.0
【実験結果
· 考察】
Fig.4 に評価値 largest aggregate による評価を示す.評価値
sight1
sight2
sight3
sight4
sight5
Division of input
Fig. 4: largest aggregate for input