東京ジャーミイ金曜日のホトバ 2015 年 2 月 13 日 イスラームにおける人間の価値 親愛なるムスリムの皆様。 崇高なるアッラーは、他のどの被造物にも与 えられなかった特長と能力を、恵みとして人 間に与えられました。さらに、被造物の多く に、人間へ奉仕するものとされました。崇高 なるアッラーは、ご自身がこれほどの恵みと 能力をお与えになられた人間から、信仰とイ バーダと感謝を求めておられます。 人間の誉れは、崇高なるアッラーを知り信 仰することに結び付けられたものであり、人 間の価値は、アッラーにイバーダをすること に結び付けられるものです。なぜなら、アッ ラーは、人間のうち 最も優れ、最も尊い 者について、聖クル アーンの部屋章第1 3節において 「人び とよ、われは一人の 男と一人の女からあ なたがたを創り、種 族と部族に分けた。 これはあなたがたを、 互いに知り合うよう にさせるためである。アッラーの御許で最も 尊い者は、あなたがたの中で最も主を畏れる 者である。本当にアッラーは、全知にしてあ らゆることに通暁なされる」 と仰せられて おられるからです。つまり、人間は、聖アー ダムとイブに連なる存在であるという観点か ら、すべて同等であり、人種や民族の優劣を 誇るのは無意味なことです。人の真の優は、 アッラーへの畏怖によるものなのです。だか らイスラームは、人間の皮膚の色や言語、人 種や民族、財産や地位などには重きを置いて いないのです。人々の行い、すなわち信仰の 実践に重きを置き、それに応じて人の価値が 定まるのです。聖クルアーンの識別章第77 節では次のように記されています。 「(不信者に)言ってやるがいい。「あなた がたがわたしの主に祈らないなら、かれはあ なたがたを、構って下さらないであろう。」 親愛なるムスリムの皆様。 預言者ムハンマド(彼の上に平安あれ)は、 あるハディースで、次のように仰せられてお られます。「アッラーはあなた方の顔や財産 を見られず。アッラーはあなた方の信仰の実 践や心を見られる。」 親愛なるムスリムの皆様。 人間の価値は、アッラーへの信仰心の表れ であるイバーダ、美徳、そして善行によって 見極められます。これを定められるお方は、 アッラーのみなのです。 イスラームの教えは、人々を見下すこと、 嘲笑すること、悪を暗示させるような呼び名 をつけること、中傷すること、嘘を付くこと、 その他、人を貶める行動を禁じています。聖 クルアーンの部屋章第11節では次のように 説かれています。 「信仰する者よ、ある者たちに ほかの者たちを嘲笑させてはな らない。それら(嘲笑された 方)がかれらよりも優れている かも知れない。女たちにもほか の女たちを(嘲笑させては)な らない。その女たちがかの女た ちよりも、優れているかも知れ ない。そして互いに中傷しては ならない。またあだ名でののし り合ってはならない。信仰に入った後は、悪 を暗示するような呼名はよくない。それでも 止めない者は不義の徒である」 親愛なるムスリムの皆様。 崇高な私たちのこうした教えが、これらの 命令を伝えている以上、人間を、彼らの出身 地、血筋、皮膚の色、民族などによって区別 する権利は、私たちにはないのです。さらに 聖クルアーンの圧倒的事態章第22節におい てアッラーは、預言者ムハンマド(彼の上に 平安あれ)に対して「だからあなたは訓戒し なさい。本当にあなたは一人の訓戒者にほか ならない」 と仰せられています。つまり皆、 その勘定をアッラーに委ねているのです。 今日のホトバを、夜の旅章第84節で締め くくりたいと思います。 「言ってやるがいい。「各人は自分の仕方に よって行動する。だがあなたがたの主は、誰 が正しく導かれた者であるかを最もよく知っ ておられる」
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