1 2013年11月29日の大型商業複合施設「させぼ五番街」の開業から1年が 過ぎた。当初、街中の中心商店街は、客足に影響が出るとして懸念を示してい たが、調査では街中全体で通行量が増加していることがわかった。一方で、 一部の商業施設、百貨店、商店街から五番街へのスイッチングがみられ、ま ちなか全体では競争が激化し、一部空洞化が進むとの見方が出ている。今後 は五番街と商店街との一層の連携が求められるが、一体的に街づくりを進め るため、新たにまちづくり会社を設立する構想も検討が進められている。 岸壁にクルーズ船が寄港し始めた 並べている。今後は中国語、韓国 月から施設の出入り口に させぼ五番街の開 業は確 実に 波 及 効 果をもたらしているよう 語にも幅を広げていく。他方、ク 問い合わせに応じるサービスも始 年 だ。例えば佐世保商工会議所が ルーズ船の寄港で外国人観光客の によれば、佐世保中心商店街の三 量は休日は昨 年 度 ・ 約 万2000人となり、商工会 3 に近いJR佐世保駅ではJR、松 効果を挙げている。また、五番街 議所ではその理由に五番街の開業 中国語、韓国語に対応する。 門の通訳センターを通じて英語、 ポートタクシー」サービスで、専 り、松浦鉄道では前年比( 月) ・ %増となった。市内だけで 10 なく、市 外・県 外から幅 広く集 いた海上自衛隊や米海軍基地を 月からは隣接する三浦 海上から楽しむ「軍港クルーズ」 年 客しているのも特徴で、土日祝日 が 年 月から始まる予定で、五 5 には県外ナンバーの車が多い。 未来創造フォーラム」が提案して 浦鉄道ともに輸送人員が伸びてお 一交通が始めたのは「ウェルカムサ まっている。タクシー事業者の長 8 ヶ町、四ヶ町両アーケードの通行 14 崎第一交通佐世保営業所と三光第 8 %増の 14 21 他にも佐世保の産学官トップで 地元振興策を話し合う「させぼ 6 17 14 4 4 番街前の岸壁を発着点とする計 15 78 Zaikai Kyushu / FEB.2015 ことを受け、クルーズ船の外国人 観光客の取り込みも好材料となっ ている。 年は 月までに延べ トに取り組んでいる。第 弾とし 外国人のサービス向上プロジェク こうした外国人観光客に備え、 五番街は地元の長崎短大と組んで 増える可能性が高い。 り、クルーズ船の来航数がさらに ミナルが供用開始されることもあ 隻が誘致され、 年には国際ター 10 実施した通行量調査( 年 月) 広域から集客する五番街 外国人観光客も取り込む 15 11 新たにまちづくり会社の設立構想も 若者やファミリー層 などが多い五番街 14 て英語版のフロアガイドを作成し、 1 開業 年。「五番街」 で変わる街中 佐世保 五番街開業後、休日 の人通りが増加した 中心商店街 第一交通は外国観光客向け サービスを拡充した 円)から 年は %に減少してい ムードが漂っていた中 心 商 店 街 る五番 街だが、開 業 前から対決 佐世保のウオーターフロントの 集 客 核として順調に機 能してい 子育て応援を行う「暮らし創造 同センターは広報活動などを行 う「プロモーション部」 、 定住促進・ の設立構想を検討している。 ちなか未来創造センター(仮称) 」 織として街づくり会社「佐世保ま ていく。併せてそのための実働組 期、中期、長期に分けて具現化し 盛り込まれており、各 事 業を短 退役護衛艦の活用といったものが ヶ町周辺は中 高 年 層が中心とな 性層が中心で、三ヶ町、玉屋、四 子育てファミリー層、 歳未満女 らに、佐世保駅(えきマチ 丁目 ストア現象が懸念されている。さ 全体では競争が激化し、オーバー り替えが見られ、その結果、街中 百貨店、商店街から五番街への切 者行動調査では、一部の商業施設、 る。また、五番 街 開 業 後の来 街 ビュークラブの公園支店の開設、 年 か ら は 佐 世 保の 秋の 風 物 詩 部」 、 起業支援などに取り組む「し るなどすみ分け状態となっており、 画も持ち上がっている。 「YOSAKOIさせぼ祭り」の ごと創造部」 、来街者のおもてな 活発な回遊性はみられないとして 新たなまちづくり計画と まちづくり会社設立構想 新たな会場の一つとなったほか、商 しに取り組む「繋がり創造部」の いる。 店街の冬の定番イベント「きらき ほか、事務局で資金調達や調査・ 佐世保)周辺と五番街は若者や 算。年代層によって使い分けたサ との関 係にも変 化が見える。 らフェスティバル」にも参画する 研究活動のための専門部などで構 にも設立したい意向で、街づくり ービス創出によって街中への来街 つな など、商 店 街との協調が着 実に ただし、街中の潜在的購買力は 現行の 倍となる720億円と試 関係者は「しっかりと事業の具現 街のある佐世保港周辺からの徒歩 アクセスの改善により、街中全体 の回遊性は高まると期待する。同 協 議 会の竹本 慶三会長は「まち 域を知る住民、商店、企業が知恵 元気プランをスタートとして、地 今後、課 題となるのは商 店街 と五番街の「回遊性」だ。同協議 を束ね、心を合わせて街中の価値 売額は減少傾向にあり、市内全 し、街中のにぎわいを市全体に波 ㌔圏内)の小売りなどの年間販 アーケードの建設や街中の交流広 及させたい考えだ。 (鳥海 和史) 体の年間販売額に占めるまちなか 年の %(470億 場「くっけん広場」の再整備、 「ま を高めていくことが肝心だ」と話 会の調査によれば、街中( ㌔─ 協調から 「回遊性」 に 街中の価値を高める 「SASEBOまち元気協議会」 その成果として 年 月に発 表されたのがSASEBOまち元 チ・コミュニケーション」で、約 者の裾野は広がるとともに、五番 年に相互連携を目的にした 1 化に努めたい」と意気込む。 29 のシェアは の事業を実施する。例えば、簡易 80 気計画。キーワードは「ヒト・マ 10 ための施策を一緒に検討してきた。 世保のまち全体を活 性 化させる なまちづくりを視察するなど、佐 は 年 度中 成する。検討を重ねて 14 進んでいる。中心商店街と五番街 07 2 14 を設立しており、他都市の先進的 15 1 14 ちなか散策道」の整備、ハーバー 04 18 Zaikai Kyushu / FEB.2015 79 3 13
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