コンビナートシンポジウム 1 月 21 日ホテルサンルート徳山で経済産業省中国経済産業局他主催による「平成 26 年度 コンビナートシンポジウム」が開催された。参加者の公表はなかったが、約 200 名弱の参 加で、会場はほぼ満席(店員 200 名締切)であった。参加者は日本全国の石油、石化コン ビナート関係者、本社スタッフ、商社等多岐にわたっていたようである。内容は主催者に よる挨拶の後、基調講演として、一橋大学大学院教授橘川武郎氏が「新たなコンビナート 連携と国際競争力の強化」というテーマで、規模と高付加価値の 2 正面作戦の重要性、コ ンビナート連携、マザーファクトリーとしての強いコンビナート構築の需要性等について 話した。昨今、シェール革命による米国での次期エチレンプラント及び誘導品の新設、中 東の石化事業拡大、中国の成長鈍化、中国のオレフィン自給率押し上げ等、日本の石化を 取り巻く環境が一段と厳しくなりつつある。昨年、産業競争力強化法第 50 条に基づく調査 報告で、上記環境の変化により最も厳しい条件が重なると、2020 年には日本のエチレン生 産は 470 万トンまで減少するとの見解が示された。その時点の生産能力は、現状の計画で は 640 万トンであり、稼働率は 73%ということになる。90%が採算維持ラインとされてい ることから、石化の採算割れが避けられないということである。 基調講演のあと、山口県及び周南市から今後の取り組み紹介について講演があり、「瀬戸内 産業再生戦略」として「物流拠点港湾の機能強化」「工業用水の安定供給」等について紹介 があった。周南市としてはトクヤマ、出光等を含む周南コンビナートの特徴について説明、 石炭を利用した火力発電(安いコスト)と電解設備、新たな取り組みとして水素の利活用 等について述べられた。 その後資源エネルギー庁から石油関連施策・予算の紹介があった後、 「さらなる連携による 国際競争力強化」というテーマで、石油コンビナート高度統合運営技術研究組合・能村郁 夫氏、京浜臨海部コンビナート高度化等検討会議・藤井文人、東ソー・南陽事業所長 井 上英治氏、経済産業省化学課長・茂木正氏によるパネルディスカッションが行われた。 現実の各コンビナートで進捗している連携等について紹介、議論が行われたが、一般参加 者からの質問、意見も取り入れながらのディスカッションで、なかには、連携する際に、 様々な法的規制が阻む場合もあり、それがネックになるケースも多い、などと活発な意見 交換が見受けられた。最後に情報交換・意見交換会が行われ初日を終了した。 2 日目は(株)トクヤマの工場見学会が行われ、周南コンビナートの中央に位置するトクヤ マの 3 工場を見学した。特に今後に期待が寄せられる水素製造工場では詳しい説明があっ た。工場見学は約 2 時間程度で終了、全日程を終えた。 なお、前回(初回)は 2012 年に「コンビナート連絡会議」が岡山県倉敷で開催され、300 人規模の参加者があった。今回は会場の関係で 200 名に制限された。
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