債券マーケット・ビュー(2015年1月)

時の動き
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債券マーケット・ビュー(2015年1月)
大和証券 金融市場調査部
日銀は、昨年10月末に量的・質的金融緩和の拡大に踏
大は原油価格下落そのものに対応したものではない、との
み切った際、「実際の物価上昇率の伸び悩みが続けば、そ
大方の委員の認識を明らかにした。
れがどのような理由によるものであれ、デフレマインドの
転換を遅らせるリスクがあるため、予防的に対応する」と
日銀は最近、金融政策運営の先行きを考える上でのポイ
説明した。その後、原油価格が一段と下落したことから、
ントは「予想物価上昇率の動向」であると、改めて強調し
物価上昇率の大幅鈍化は避けられず、一時的にマイナスに
ている。しかも、予想物価上昇率を見極めるうえで、日銀
なる可能性もあり、日銀はさらなる追加緩和策を投入せざ
が月報や展望レポートでも取り上げているサーベイ指標の
るを得なくなる、との見方が市場で浮上している。こうし
類を追うだけでなく、家計や企業の行動の変化を捉えるこ
たなか、日銀は、市場の憶測修正に躍起となっているよう
とが重要だという。既に、政労使会議で、賃上げに向けて
だ。すなわち、1月に公表した展望レポートの中間評価
(図
最大限努力することに合意し、経済の好循環に向けた積極
表)では、2015年度の物価見通しを前年比+1.0%と、
的な対応を行っていく方針が示されていることなどを踏ま
10月時点の+1.7%から大幅に下方修正するのと同時に、
えると、追加策を講じることへの日銀の消極性がうかがえ
エネルギーの寄与度を明示し、原油価格変動の直接的な影
よう。
響により物価の伸びが変化しても、日銀の見通し通りと判
断して、政策対応を行わない意図を示唆した。また、12
注 当データにつきましては1月末時点のものです。
月に開催された金融政策決定会合の議事要旨でも、緩和拡
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February 2015