非構造化データを含む多様な データのビジネス活用

エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
連載 第21回
リレーションシップ ビルダー
非構造化データを含む多様な
データのビジネス活用
ビッグデータを取り巻く動きや環境は依然として活況を呈しているが、ビジネスの現場でう
まく活用できているケースは少ない。“当たり前”にビッグデータを活用するには何が必要に
なってくるのか。
ビッグデータの「今」
といった形が定まりづらいデータ自
㈱ NTTデータ
第一金融事業本部 金融グローバル ITサービス事業部
事業戦略企画担当
課長 宮本 拓也氏
“ビッグデータ”という言葉が叫
体を取り扱う周辺技術が未整備だっ
ばれてから数年、バズワードとして
たことから、ハードルが高く、なか
キスト(文脈と照らし合わせた意味)
の扱いから徐々にビジネスでも取り
なか実現してこなかったという背景
の解釈まで組み込んでデータ自体の
組まれつつある。一方で、
ビッグデー
がある。
意味付けを行うことで、そのデータ
タとは何か、具体的にどのように活
用するのか、どのような道具立てを
技術の進化
が意味するものは何なのかをデータ
自身とセットで属性として持てるよ
利用するのか、などが模索されてい
「システム目線では難しいとして
うになる。後から利用する際にその
る状況は依然として変わっていない
も、ビジネスの現場では実現のニー
属性も参照することで、様々なシー
ように見える。ビッグデータという
ズが相応にある」というギャップが
ンに応じたデータの活用が可能とな
と 3V(Volume, Variety, Velocity)
生じると、それを埋めるべく自然と
る。特に非構造化データにおいては、
とよく言われるが、これまではどち
技術が進化していくのはこれまでも
データそれ自体だけでは他のデータ
らかと言うと Volume に焦点が当て
見られたことであり、この分野でも
との組み合わせなどを含めて活用が
られていた。多量のデータをどのよ
同様である。Hadoop を始めとする
難しいため、より属性とのセットに
うに扱うのか、という視点が中心に
分散処理技術や NoSQL データベー
よる活用が重要となる。
なってしまうと、それだけでは効果
スといった要素技術が一般的に使わ
また、後者に際しては、ビッグデー
的な活用にまでなかなか至らず、今
れるようになり、データ処理自体は
タを活用する、と意識させるのでは
の状況につながっている。
性能面・機能面で飛躍的に進歩しつ
なく、普段のビジネスの中で気がつ
つある。
くと様々なデータを活用しながら業
“多様さ”の活用
実際のビジネスでは多量のみなら
務を行っている、という環境を作り
出すことが必要である。
ず、むしろ様々なデータをまとめて
利用者目線での非構造化データを
含むビッグデータ活用に必要なもの
扱うことで意味が出ることが多いの
その一方で、実際に利用者目線で
用が、利用者にとって当たり前になる
ではないか。1 つ 1 つのボリューム
各種データが使われているかと言う
ような仕組みを先進的な技術も組み
が小さなデータでも、まとめて扱う
と、まだそこには至っていない。そ
合わせながら、ソリューションのよう
ことで立派なビッグデータ活用にな
の要因は主に以下の 2 つだと考える。
な使いやすい形で作っていきたい。
る。これまでも、こうしたニーズは
・データそのものが持つ意味を捉ま
ビジネスの現場ではあった。一方で、
えて活用するに至っていない
技術的には多様なデータを扱うにあ
・ビジネスフローにデータの活用が
たり、データベースの制約や、非構
自然な形で組み込まれていない
造化データ(SNS・動画・メール等)
ビジネスコミュニケーション 2015 Vol.52 No.2
前者は、データそのもののコンテ
そんな環境作りとビッグデータ活
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広報部
TEL:03-5546-8051
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