12.随筆

協 会 報
平成27年2月号
随
(25)
筆
建設産業人材確保・育成推進協議会
平成26年度『私たちの主張』
応募作
「線路保守の大切さ」
石川建設工業 株式会社
荒井 将
私は平成19年にこの会社に中途採用で入社しま
得できた際は今までの苦労がすべて飛ぶくらい無
した。これまで15年近く職を転々としてきました。
理をして頑張って良かったと思える瞬間です。資
以前から手に技術を身に着けたいと考えながらも
格を持っているからそれで良いという訳ではあり
若い事もあって下積みが比較的に少ない職を選ん
ません。責任とルールを守って当たり前の事を当
できました。やがて家庭を持ち家族も増え不安定
たり前の様に出来て資格保持者と言えるのだと思
な収入に加え浮足状態での仕事に私自身不安を感
います。
じてきました。そんなある日、今の会社で軌道部
話は戻りますが労働災害を一度起こしてしまえ
門を立ち上げる際、この会社に縁のあった3名で
ば今までコツコツ積み上げてきた信頼、実績が一
保線の仕事をスタートしました。
瞬で失ってしまいます。しかも事故を起こした当
これで手に技術を身に着けて行ける仕事に巡り
合えたと思いました。
事者の責任だけでは済まず、会社の存亡の危機に
もつながりかねません。
保線の仕事をして、まず最初に感じた事が線路
今私がやっている保線の仕事は常に危険と隣り
内での安全に対するルールの教育の徹底でした。
合わせで、自分の命、仲間の命、そしてその家族
線路内での安全ルールを教育する為定期的に現場
の生活を作業員全員が高い意識をもって守ってい
を止めて会場を貸り線路内教育が行われます。そ
く必要があります。またその逆で自分達の施工の
の線路内教育の大切さは実際現場に入ってから必
品質ひとつで鉄道を御利用されるお客様の大切な
要性を感じました。線路内では一歩間違えれば死
命を脅かす事にも成りかねますので作業員一人ひ
です。最高130㎞/h で走ってくる列車と接触す
とりが作業内容を良く理解して、今日の作業での
れば怪我ではすみません。実際に過去には何人も
危険なポイント等を周知徹底して、事故防止と高
の尊い命が失われています。そんな悲惨な事故を
品質な技術を提供できる様にこれからもたくさん
二度と起こさないと全員が安全に対しての意識を
勉強していかなければいけないと思います。自分
高めていく必要があると思います。
の会社、自分個人、一緒に働く仲間、そしてその
時代はひと昔とは違い経験値だけがいいもので
家族のためにも作業効率が多少低くなっても安全
は無くなった時代になっています。経験値だけで
を第一に考え、不安全行動が行われていた場合見
はなく、資格を持っていないと技術があっても仕
て見ぬふりをする事無く注意できる人になりたい
事をさせてもらえない時代になっています。私が
と思います。そのためにはまず最初に自分を正し
思うにどこの現場でも例外なく「安全第一」を唄
ていく必要も十分にあります。自分への甘えを払
っています。そのため安全に対する教育を受け、
拭できるように今後も努力していこうと思います。
危険予知活動なども含めしっかり現場の危険を把
握して、その上で対処方法、問題が起きた場合で
も連絡方法等の教育を受けて最小限に留め、二次
災害防止に努めます。
今の会社に入社してからは資格取得の為の勉強
は仕事が終わってからの時間になるので正直かな
りの負担になりますがその努力が報われ資格を取