カルテ①:朝日地域における現況とニーズの整理 人口動態 公共交通の利用及び収支状況(路線別) ○人口は緩やかな減少傾向である。 ○一方、高齢化率は増加傾向である。 ○人口の約68%を占める65歳未満のうち、頻度の高い外出目的は「通勤・通学」が 25.0%で最も多くなっている。 ◆人口3区分 及び高齢化率 の推移 (人) 7,000 6,000 5,000 6,309 5,864 1,571 1,682 4,000 3,000 24.9 3,640 2,000 1,000 0 28.6 3,308 1,098 874 H7 H12 ◆頻度の高い 外出目的の割合 (%) 50 45 5,378 40 35 1,683 30 31.3 25 20 3,026 15 10 5 669 0 H17 25.0% 60.9% 10.9% 1.1% バス運行路線図 ○「大鳥」「上田沢」「田麦俣」は運行回数は4~5.5回と多い一方、公費負担も1,220万~ 1,320万円と多くなっている。 ○「湯殿山」は田麦俣~湯殿山までの路線、「朝日庁舎」は上松根~朝日庁舎の延長 運行を行っている路線のため、運行回数が「田麦俣」より2回、「上松根」より2.5回少な い。 ○バス路線は5路線あり、西大島方面と田麦俣方面の2系統に大きく分かれる。 ○スクールバスの路線網は、路線バスと重複している。 歳以上 歳~64歳 15歳未満 高齢比率 65 15 通勤・通学 買い物 通院 娯楽 その他 不明 N=92 2.2% (資料:H22市民意向調査(65歳未満)) 主な目的施設と公共交通空白区域図 ○現状の路線バスの路線網は、主な施設へのアクセス性が確保されている。 地域内の人の動き 住民ニーズ(市民アンケート調査結果) ○通勤・通学の行先は、「鶴岡」が最も多く52%、次いで「朝日」が26%、「櫛引」が18% の順となっている。 ○買い物や通院に関しても、「鶴岡」が最も多くなっている。 ◆路線バスに対する不満点 ≪通勤・通学≫ 藤島 市内 4% 100% 0.0% 櫛引 朝日 18% 26% 鶴岡 ≪買い物≫櫛引 52% 10% N=23 市内 100% 30% 鶴岡 60% N=10 鶴岡 100% N=1 (資料:H22市民意向調査(65歳未満)) 36 朝日 市内 100% ≪通院≫ ≪通院≫ ○路線バスに対する不満点は、「運賃が高い」が21.5%、「利用したい行先や時間帯にバスが運行していない」が %となっている。 ○一方、「バスを利用しないので分からない」が43.1%で最も多く、路線バスの利用率は低い。 ○今後のあり方については、65歳未満と65歳以上で「現状なみの負担で、現在の公共交通を維持する」が最も多 くなっている。 20.8 利用したい行き先や時間帯にバスが運行 していない 路線や運賃がわかりにくい 自宅からバス停が遠い 別のバスやJRとの乗り継ぎがむずかしい (乗り換えるバスがわからないなど) 時間通りに来ない 運賃が高い バス停に椅子や日よけがない バス停を利用するときに交通安全上の危 険を感じる その他 バスを利用しないのでわからない 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% ◆路線バスの今後のあり方について 100.0% (%) 20.8% 17.4% 5.6% 10.9% 7.6% 4.2% 市の負担を増やしてでも、公 共交通を今以上に充実する 現状なみの負担で、現在の 公共交通を維持する 公共交通の縮小もやむを得 ない その他 不明 6.5% 1.4% 21.5% 9.0% 20.7% MA=168 3.5% ◆路線バスに対する改善要望 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% N=92 N=144 43.1% 運行ルートの見直し(分かりやすく、行きた いと思うところを通るなど) 外出する時間帯の便数の増加 バス停の改善(位置の変更・箇所の増加、 ベンチ設置など) バスの乗り継ぎを良くする JRやバスとの乗り継ぎ割引など、お得で 簡単な運賃設定 事前予約制による、路線や時間を気にせ ず利用できるデマンド型運行の導入 高齢者向けの車両の導入(乗り降りしやす い床の低いバスの導入など) その他 路線バスについて詳しく知らないので、分 からない 路線バスは利用しない 44.6% (資料:H22市民意向調査(65歳未満)) 100.0% (%) 9.0% 16.0% 11.1% 25.7% 6.3% 6.9% 3.5% 2.8% 4.2% 14.6% 18.1% 37.5% 市の負担を増やしてでも、公 共交通を今以上に充実する 現状なみの負担で、現在の 公共交通を維持する 公共交通の縮小もやむを得 ない その他 不明 MA=153 19.4% 31.3% (資料:H22市民意向調査(65歳以上)) N=144 N=144 (資料:H22市民意向調査(65歳以上)) カルテ②:朝日地域の課題の解決に向けた方針と対策 問題点・課題 【問題点】 地域の人口減少・少子化に伴い、バス利 用者の確保が困難な状況となっている。 ↓ 【課 題】 バスを日常的に利用する人がおり、需要に 見合った運行形態により、バスを運行維持していく必 要がある。 • • 朝日地域内の人口は、市内他地域と比較して減少が 大きく、かつ、高齢化率も高くなっている。 しかしながら、高校生の通学や高齢者の通院・買い物 など、毎日の交通手段として、運行維持する必要があ る。 対策メニュー(案) (%) 35% 32.9% 31.3% 30% 27.9% 25% 20% 28.3% 24.9% 22.4% 22.3% 増 5.9% 28.7% 25.0% 26.4% 25.6% 21.1% 20.5% 19.2% H7 H17 15% 10% 5% 0% 鶴岡地域 藤島地域 羽黒地域 櫛引地域 朝日地域 温海地域 全市計 ◆地区別の高齢化率 【問題点】 バス利用者が少ない中、運行路線が二股に分かれ、運行にかかる経費負担が大きくなっている。 ↓ 【課 題】 現在運行しているバスの運行形態を幹線・枝線等に再整理し、効率的な形態に変える必要がある。 ■既存路線の見直し・新たな交通システムの導入 ○メニュー1: 「鶴岡-上田沢」線の幹線バス化、「落合-湯殿山」線の枝線バス化。 ○メニュー2: 「上田沢-大鳥」区間の路線バスに代わる、新たな交通手段の導入(デマンド型交通・上田沢診療所患者輸送バスの混 乗)。 ○メニュー3: 「落合」における、乗り継ぎターミナル整備。「上田沢」における、乗り継ぎ拠点の整備。 ○メニュー4: バス停が遠い集落における、バス停までのボランティア送迎のシステム構築。 ○メニュー5: 路線バスの効率的な運行に向けたスクールバス混乗の検討・導入。 ■地域とのタイアップ・公共交通の維持存続に向けたPR ○メニュー5: 通勤・通学、通院、買い物等の住民需要のバス利用促進、需要の掘りおこし。 ○メニュー6: 地域住民、学校、病院施設、地元商店街などとの連携による、地域一帯となったバス利用の促進。 幹線バス スクールバスの対応策 あさひ小 枝線バス 主な目的バス 新たな交通手段 • • 地域内にはバスが3系統運行しており、そのうち2系統が二股に分かれて、山地部まで運行されているが、利用 者は少ない。 いづれか一方を幹線として運行サービスを高め、一方を乗り継ぎにより枝線化し、効率的な運行を行う必要があ る。 乗り継ぎ 拠点整備 スクールバスは、可能な範 囲で既存路線バスと統合す る形で再編する 【問題点】 地域住民は、マイカー依存率が圧倒的に高く、公共交通利用に対する意識が薄い。 ↓ 【課 題】 高齢化社会を踏まえ、地域の貴重な交通手段としてバスを位置づけ、利用者拡大の 可能性を地域住民全体で検討改善し、利用していくことで、運営存続させる必要がある。 • • 幹線バス化による、 バス利用需要拡大 地域内は、マイカー利用率が圧倒的に高く、公共交通利用者は極めて少ない。 住民には、バスの時間が合わないことで、マイカーで学校送迎を行っている家庭も存在し、運行時間やルートの 改善により少しでも利用者を増やす必要がある。 バス停が遠く、公共交通 利用が不便な地域(倉沢 地区など) 対策方針(案) バス停までのボランティ ア送迎システム構築 幹線バス化 (利用促進) 方針① 既存公共交通体系の見直し ■ 既存路線の見直し ・現在、運行している、路線バスを、地域の公共交通として総合的に捉え、効率的で維持存続することが可能な運行形態に 見直しを図る。 ・運行形態の見直しにより、幹線・枝線を設定し、それら乗り継ぎが発生する拠点には、乗り継ぎ負担が軽減できるような、 利便性の高い乗り継ぎ拠点施設を整備する。 ・現在、路線バスとスクールバスがほぼ同区間を運行しているため、スクールバスに混乗化する。 ■ 新たな交通システムの導入 ・運行形態の見直しにより、需要が少ない地区へは、デマンド型交通等の新たな交通システムを試験導入し、将来的な 導入可能性を検証する。 ・また、現在公共交通の利用が不便な地区において、地区住民のニーズを踏まえながら、デマンド型交通等の 導入可能性を検討する。 乗り継ぎ 拠点整備 方針② まちづくりとバスの連携 ■ 地域とのタイアップ ・地域の病院施設や商業施設などと共に、バスの運行維持を支える、地域内での仕組みを構築する。 方針③ 公共交通利用に対する市民意識の醸成 ■ 公共交通の維持存続に向けたPR ・地域住民が、毎日の通勤・通学や買い物、通院など、様々な目的でバスを利用できるような啓発を行う。 新たな交通手段の導入 37
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