マーケット・トレンド ファンダメンタル分析シリーズ 2015年1月6日 株式会社フジトミ 情報サービス室 齋藤 和彦 この資料は投資判断の参考になる情報提供を目的とするもので、投資勧誘を目的としたものではあり ません。内容についても、信頼すべきと判断した情報に基づいておりますが、その正確性を保証する ものではありません。投資の最終判断は投資家ご自身でなさいますようお願い致します。 Copyright(c)2015 FUJITOMI Co.,Ltd ゴムの商品特性 ゴム 天然ゴム ゴム樹から採取される一次産品 合成ゴム 石油化学工業で生産される化学製品 *使用割合(2012年) 天然ゴム 42.2%、合成ゴム 57.8% 1990年代まで天然ゴムは30%台だったが、2000年以降、40%台で推移 ・天然ゴムの特性 1.弾力・伸長・粘着・耐久性に優れている 2.内部発熱が低い 3.破壊強度が大きい ⇒タイヤ用需要がほとんどで、特にトラックのウエイトが高い ・天然ゴムの品質の種類 ラテックス(液状ゴム)、RSS(シートラバー)、TSR(ブロックラバー) *TOCOMで取引されているのはRSS3号⇒RSSで最も生産が多い *RSSの供給は減少傾向にあり、TSRが拡大へ RSSの製造過程がTSRよりも簡素化 特に、凝固後の成型過程で、RSSは燻製処理、TSRは熱風処理 1 Copyright(c)2015 FUJITOMI Co.,Ltd 世界の天然ゴムの需給バランス(1) (2012年 国際ゴム研究会=IRSG調べ) 1.供給 1)生産 1138.3万トン *2008年に初めて1000万トンの大台に乗せる 上位4カ国で73.9%、6カ国で88.9% タイ 351.2万トン(30.9%) タイ 351.2万トン(30.9%) インドネシア 301.5万トン(26.5%) 301.5万トン(26.5%) インドネシア ベトナム 95.5万トン( 8.4%) 8.4%) ベトナム 95.5万トン( マレーシア マレーシア インド インド 92.3万トン(8.1%) 8.1%) 92.3万トン( 91.5万トン( 91.5万トン( 8.0%) 8.0%) 中国 中国 79.5万トン( 7.0%) 79.5万トン( 7.0%) 2)輸出 上位4カ国で90.2% タイ タイ 291.1万トン(33.7%) 291.1万トン(33.7%) インドネシア インドネシア 254.3万トン(29.5%) 254.3万トン(29.5%) マレーシア マレーシア 130.3万トン(15.1%) 130.3万トン(15.1%) ベトナム 102.3万トン(11.9%) ベトナム 102.3万トン(11.9%) 2 Copyright(c)2015 FUJITOMI Co.,Ltd 世界の天然ゴムの需給バランス(2) (2012年 国際ゴム研究会=IRSG調べ) 2.消費 1)需要 1092.4万トン *2007年に初めて1000万トンの大台に乗せる *中国が最大の消費国 2001年に米国を抜く 2012年 2012年2007年 2007年 中国 284万トン(27.9%) 中国 385.3万トン(35.3%) 385.3万トン(35.3%) 284万トン(27.9%) インド 9.0%) 9.0%) 85万トン( 8.4%) 85万トン( 8.4%) インド 98.8万トン( 98.8万トン( 米国 8.7%) 8.7%) 102万トン(10.0%) 米国 94.9万トン( 94.9万トン( 102万トン(10.0%) 日本 6.6%) 6.6%) 89万トン( 8.7%)89万トン( 8.7%) 日本 71.9万トン( 71.9万トン( 2)輸入 中国 96.9万 中国317.6万トン、米国 317.6万トン 3 米国 96.9万トン 日本 70.0万トン *2014年の中国の輸入見込み 426万トン Copyright(c)2015 FUJITOMI Co.,Ltd 世界の天然ゴムの需給バランス(3) (2012年 国際ゴム研究会=IRSG調べ) 3.日本の天然ゴム需給 輸入先 輸入国 インドネシア タイ マレーシア 輸入量と品質の割合 56.9%(内、TSRが97.2%を占める) 40.7%(内、RSSが49.1%、TSRが47.0%を占める) 0.7% 日本が輸入するゴムの品質とその割合 TSR 75.8% RSS 20.6% その他 3.6% 2000年までRSSが50%以上を占めていたが、その後TSRの比率が上回る 用途 4 天然ゴムの88%がタイヤ用(合成ゴムは81%がタイヤ用) Copyright(c)2015 FUJITOMI Co.,Ltd ファンダメンタルズ面からみるゴム相場のポイント(1) 1.世界の需給バランス=供給過剰 2012年は46.1万トン、2013年は68.7万トンの供給過剰で、 2014年は100万トン、2015年は50万トンの供給過剰と推測 *供給過剰→ゴム相場の圧迫要因 2.東南アジアのゴムの生産=天候要因 特に日本のRSS輸入のほとんどを占めるタイの生産 *クーデターやデモの影響はなかったが、産地や積み出し港の洪水に敏感 3.IRCo(国際ゴム公社)・・ゴム相場の高値安定化を図る 加盟国 タイ、インドネシア、マレーシア オブザーバー ベトナム、インド *価格維持のための生産・輸出調整を行う 5 Copyright(c)2015 FUJITOMI Co.,Ltd ファンダメンタルズ面からみるゴム相場のポイント(2) 4.中国のゴム需要=中国の景気動向、自動車販売、在庫水準 *市場は製造業PMI発表にとりわけ注視 参考=インドの天然ゴムの輸入が今後、急拡大へ 2014年の40万トンから2020年には100万トンの輸入見込み インドの国内ゴム需要の40%が輸入ゴム *天然ゴムのインドの供給過剰と価格低迷で生産減の傾向で、 タイヤ需要増の波に乗れず・・高い人件費がネック *インドの自動車市場は2014年、世界第6位だが、 2018年には世界第3位の見込み 6 Copyright(c)2015 FUJITOMI Co.,Ltd
© Copyright 2025 ExpyDoc