基調講演者紹介 “Controlling Nanoscale Light”(ナノスケールの光を制御する) 座標変換光学(Transformation Optics)はナノスケールで光を制御するための新しい道具です。ナノス ケールでは通常用いられる屈折の法則(スネルの法則)を用いることができません。座標変換光学によっ て、マックスウェル方程式の範囲内で、我々は電気力線と磁気力線の分布を望むように設計できるように なります。 Sir John Pendry インペリアルカレッジ・ロンドン(Imperial College, London)教授 ケンブリッジ大学ダウニング・カレッジ卒。1969 年 Ph.D.取得。ベル研、Daresbury 研究所を経て現職。王立協会フェロー。メタマテリアルとよばれる金属ナノ構造体か ら構成される人工媒質の概念を提案し、 「負の屈折」 や「透明人間コート」 などを Nature や Science 誌に多数発表。テレビなどで著名。Sir の称号を授与された。 “US Investments in Essential Photonics Technologies: The National Photonics Initiative” (米国における基幹フォトニクス技術への投資:国家フォトニクスイニシアチブ) 国際連合総会第 68 セッションは 2015 年を国際光年と定め、光技術は世界の抱える多くの課題を解決し持 続的発展を促進させる重要な役割を担うとアピールしています。このゴールに沿って、米国国家フォトニ クスイニシアティブ(NPI)ではフォトニクスが基幹技術である五つの主要分野、エネルギーと環境、情報 技術と電気通信、先端製造技術、生体臨床医学、安全保障に注目しています。本講演ではこれら五分野に おける現在の取り組みと挑戦について議論します。 Thomas Baer スタンフォード大学(Stanford University)教授 Stanford フォトニクスセンター(SPRC)の Executive Director、米国の National Photonics Initiative(NPI)の議長。1979 年シカゴ大学より原子物理学で Ph.D.取 得後、コロラド大学や Spectra-Physics, Inc.等においてレーザー研究を行った。シ リコンバレーにてフォトニクス関係の多くの起業・創業に関わる。 The Optical Society of America(OSA)の元会長 “Light, Nano and Osaka”(光、ナノ、大阪) 大阪はちぬの海に沈む夕陽に映える街です。藤原家隆は夕陽庵を建て、フランク永井は通天閣が赤く染ま ると唄いました。道頓堀に輝くグリコのネオンは、昨年に LED になりました。昔も今も大阪は「光」の街 です。そして「光」科学といえば大阪大学です。講演では古くて新しい光科学(フォトニクス)と最先端 科学技術であるナノテクノロジーと、そして阪大について語ります。 河田 聡 大阪大学特別教授、大阪大学フォトニクスセンター長 1974 年阪大工学部応用物理学科 卒業、1979 年工学博士。カリフォルニア大学アー バイン校研究助手、1981 年阪大助手、助教授を経て 1993 年より教授。2002 年~2012 年理化学研究所ナノフォトニクス研究室 主任研究員(併任)。元日本分光学会会 長。現在は応用物理学会会長。2007 年紫綬褒章を受章。専門はナノフォトニクス。 ナノフォトン株式会社の創業者。
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