計算工学I 電子情報工学科五年(前期) 5回目(7/5/2015) 担当:古山彰一

計算工学I
電子情報工学科5年(前期)
10回目(25/6/2015)
担当:古山彰一
([email protected])
数値積分
𝑥𝑖
𝑓 𝑥 𝑑𝑥
𝑥𝑖−1
Pi
積分をコンピュータで計算するにはどうしたらよいか?
Pi-1
fi
fi-1
xi-1
xi
hi
ℎ𝑖 = 𝑥𝑖 − 𝑥𝑖−1 として、これが十分小さいとすると、
𝑃𝑖 と𝑃𝑖−1 は直線で結ぶことができて、それは台形だ
からその面積を足し合わせて…という近似を用いた。
これを台形公式と呼ぶ!というのが前回の内容。
PiとPi-1を直線で結ぶというのは、一次の曲線(直
線)で結んでいるということなので、じゃぁ、この曲
x 線を高次にしたらもっと精度が上がるんじゃね?み
たいな。
その方針でやってみましょう。
P2i+1
P2i+2
①式に3点の情報を入れる。ただし、
𝑥2𝑖+1 = 0, 𝑥2𝑖 = −ℎ, 𝑥2𝑖+2 = ℎとした座
標系で考える。
P2i
𝑓2𝑖 = 𝐴ℎ2 − 𝐵ℎ + 𝐶 -②
f2i
a=x0 x1 x2
x2i
f2i+1
x2i+1
𝑓2𝑖+1 = 𝐶 -③
f2i+2
x2i+2
𝑓2𝑖+2 = 𝐴ℎ2 + 𝐵ℎ + 𝐶 -④
𝑥𝑛 = 𝑏
x
②+④より、2 𝐴ℎ2 + 𝐶 = 𝑓2𝑖 + 𝑓2𝑖+2 -⑤
では、この2次関数を 𝑥2𝑖 , 𝑥2𝑖+2 の範囲で積分
してみましょう。
いま、𝑃2𝑖 (𝑥2𝑖 , 𝑓2𝑖 ), 𝑃2𝑖+1 (𝑥2𝑖+1 , 𝑓2𝑖+1 )の2点を考える。
𝑥2𝑖+2
ℎ
これらの点を結ぶために2次式を準備する。すなわち
𝐼𝑖 =
𝑓 𝑥 𝑑𝑥 ≈
𝐴𝑋 2 + 𝐵𝑋 + 𝐶 𝑑𝑋
2
𝑌 = 𝐴𝑋 + 𝐵𝑋 + 𝐶 -①。ただしこれには問題が…
𝑥2𝑖
−ℎ
未知数としてA,B,Cと3つ出てくる。今は2点の情報(2つ
2 3
1
=
𝐴ℎ
+
2𝐶ℎ
=
ℎ 2 𝐴ℎ2 + 𝐶 + 4𝐶
の方程式しか立てられない)しかないのでこれらを決め
3
3
られない…
③、⑤より、
しょうがないので、𝑃2𝑖+2 (𝑥2𝑖+2 , 𝑥2𝑖+2 )の情報も用いるこ
1
=
ℎ 𝑓2𝑖 + 4𝑓2𝑖+1 + 𝑓2𝑖+2
とにする。
3
これをすべての𝑖 = 0,1, ⋯ , 𝑛 − 1について合計したものがシンプソ
ンの1/3公式と呼ばれる。
シンプソンの公式
𝑏
𝑓(𝑥) 𝑑𝑥において、積分区間[𝑎,
𝑎
𝑏]を2𝑛等分し、分点を𝑎 = 𝑥0 , 𝑥1 , ⋯ , 𝑥2𝑛 =
𝑏, これらの点での関数値を𝑓0 , 𝑓1 , ⋯ , 𝑓2𝑛 とすると、
𝑏
𝑓 𝑥 𝑑𝑥 ≈
𝑎
ℎ
3
𝑛−1
𝑓2𝑖 + 4𝑓2𝑖+1 + 𝑓2𝑖+2
𝑖=0
ℎ
𝑓 + 𝑓2𝑛 + 2 𝑓2 + 𝑓4 + ⋯ + 𝑓2𝑛−2 + 4(𝑓1 + 𝑓3 + ⋯ + 𝑓2𝑛−1 )
3 0
𝑏−𝑎
ただし、 ℎ = 2𝑛 である。
=
誤差の限界は、
(𝑏−𝑎)5 𝑀
であることが知られている。
2880𝑛4
課題
1. シンプソンの公式のプログラムを作る。
2. そのプログラムを用いて、教科書p.107の例題2を解く。
3. 教科書p.128問1の関数について、作成したプログラムを用いて計算を行う。
上記課題をレポートにまとめてpdfファイルにしたうえで、本日23:59までに古山に
メールで提出([email protected])しなさい。
なおファイル名は、10i5??.pdf とする。??は二桁の出席番号。