Taro13-17017 H17 普及 03

[普及事項]
新技術名:ハイブッシュブルーベリーの有機物マルチ栽培法(平成18年)
研究機関名
担 当 者
果樹試験場
船山瑞樹
鹿角分場
[要約]
ブルーベリーの定植時に、苗木周囲にオガクズを厚さ10cm程度にマルチすると、土壌の保水
効果が高く、初期の生育や収量が優れる。
[ねらい]
ブルーベリーの根はひげ根で浅根性のため、土壌の乾燥に弱く、ひどい場合は枯死に至る。そ
こで、土壌の乾燥防止と生育促進のため、有機物資材を中心とした複数のマルチ資材を用いて、
それぞれの生育特性を検討し、効果的、かつ、経済性に優れた資材を検索する。
[技術の内容・特徴]
1.ハイブッシュブルーベリー「ダロウ」2年生樹を、平成12年4月に定植した。マルチ資材は、
人工資材として防草・保湿シート、有機物資材としてオガクズ、モミガラ、バーク(スギ樹
皮)を使用した。有機物資材は定植時にそれぞれの資材を厚さ10cm程度になるよう株元にマル
チした。対照は無処理とした。全ての植え穴には良く湿らせたピートモスを10Lずつ施用した。
2.樹高は、定植後1年目は防草・保湿シートが最も優れたが、2年目以降は他の有機物資材と
ほぼ同等となった。有機物マルチをすると、定植後1,2年目は無処理に比較して生育が良好
で、枯死のリスクが高い初期生育の生長確保に有利である(図1 )。
3.樹幅は、定植後1年目はモミガラが優れたが、定植後4年目では防草・保湿シートが最も優
れた。有機物の3資材の生育量はほぼ同程度で、無処理は最も生育が劣った(図2 )。
4.収量は、初成り(平成14年)及び収穫2年目ともに、オガクズが安定して高く、1果当たり
の平均果重もオガクズが最も高かった(図3,図4 )。
5.有機物マルチをすると、土壌の深さ20cm部位の土壌pF値が低く保たれ、無処理と比較して
明らかに土壌の乾燥防止効果があり、乾燥による枯死のリスクを低減できる 。(図5 )。
[普及対象範囲]
県内のブルーベリー生産農家
[普及・参考上の留意事項]
1.有機物資材は年数を経ると消耗するので、定期的に補充する必要がある。
2.有機物のマルチ量が少ないと、土壌乾燥防止効果や抑草効果が劣るため、最低でも厚さが10
cm程度になるようにする。
[具体的なデータ等]
100
100
80
80
樹幅(cm)
120
樹高(cm)
120
60
60
防草・保湿シート
オガクズ
モミガラ
バーク
無処理
40
防草・保湿シート
オガクズ
モミガラ
バーク
無処理
40
20
20
H12.10
H13.12
H14.11
H12.10
H15.10月
500
2.5
400
2.0
果重(g/果)
収量(g/樹)
3.0
H14
H15
300
H15.10月
H14
H15
1.5
200
1.0
100
0.5
0.0
0
防草・保湿シート
オガクズ
モミガラ
バーク
防草・保湿シート
無処理
オガクズ
防草・保湿シート
オガクズ
モミガラ
バーク
無処理
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
日
26
5月
日
30
5月
8日
6月
12
6月
日
日
21
6月
日
26
6月
3日
7月
日
日
14
24
7月
7月
7日
8月
16
8月
日
日
21
8月
第5図 土壌pFの変化(平成12年)
[発表文献等]
なし
モミガラ
バーク
第4図 平均果重の変化
第3図 収量の変化
pF(20cm深)
H14.11
第2図 樹幅の年次変化
第1図 樹高の年次変化
600
H13.12
日
27
8月
日
30
8月
日
7日
14
9月
9月
無処理