自治体EMS 再生期の始まり

自治体EMS 再生期の始まり
平成 27 年が始まりました。年末の選挙の結果を踏まえ、漸く、中長期的な政策が組み込まれるようです。
もちろん、国内外情勢に楽観視できることも少なく、国策に基づく様々な計画や事業が加速度を持って進ん
でいくものと思われます。地方自治体の環境部門にとっても、平成 27 年度は久しぶりの激動の年になりそう
です。
平成 27 年度は、自治体の環境マネジメントシステムの出発点となった ISO14001 規格が大幅改定されま
す。また、平成 26 年3月に公表された「地方公共団体実行計画(事務事業編)の策定・改定の手引き」に基づ
く改定作業などが本格化するため、自治体の環境計画や環境マネジメントシステム、及びエネルギーデー
タ集計等を中心とした集計システムにも、少なからぬ変化が生じるものと推察されます。また、省エネ法の
適用事業者となっている市区町村では、「管理標準」の作成による施設レベルで省エネを加速せざるを得な
い状況にあります。
特に環境計画を具体的に年次コントロールする環境マネジメントシステムは、「集計システム」や「管理標
準」と連動しながら様々な形に変革していくでしょうから、環境マネジメントシステムにとっては、「再生期」と
言ってもいいのかも知れません。
環境計画とEMSとデータ集計
(平成 27 年 1 月 鈴木明彦)
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温室効果ガス削減全参加国で、共通ルール合意
―国連気候変動枠組条約第 20 回締約国会議(COP20)―
地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組条約第 20 回締約国会議(COP20)が、ペルーの首都
リマで 2014 年 12 月 1 日から開催されました。全ての国が 2020 年度以降の温室効果ガス削減目標
を自主的に掲げる共通ルールを盛り込んだ合意文書が採択されました。各論を巡りこれまでと同
様、先進国と新興・途上国の対立があり、当初は 12 日までの予定が 14 日未明まで延長されまし
た。
1.経緯
温室効果ガスの削減の国際的枠組みである京都議定書は 2020 年に終了します。
それ以降の排出削減の新しい枠組みに関し、この数年の国際交渉で、先進国のみが温室効果ガス
削減の義務を負う京都議定書に代わり、途上国を含むすべての国が参加する新しい枠組みを 2015
年末にパリで開催される COP21 での合意を目指すことにしています。今回の COP20 では、各国が
提出することになっている目標に、何を盛り込むかが最大の焦点でした。
2.COP20 での議論
主な合意事項は、以下のとおりです。
・2015 年パリで目指す合意では、それぞれの国情にあわせ、
「共通だが差異ある責任」の考え方
を反映させる。
・2020 年以降の温暖化対策の目標を、早めに準備できる国は 2015 年 3 月までに国連に提出する。
・目標には温室効果ガス削減だけでなく、温暖化による被害を抑える「適応策」を盛り込むこと
を検討する。
・目標には、対策の基準とする年や期間などのほか、算出の根拠などを盛り込んでもよい。
・全ての国に対して、目標には現在の取組みを超える内容を示すことを求める。
・途上国の温室効果ガス削減策や被害の軽減策のため、先進国に一層の資金援助を促す。
・条約事務局は、各国の目標を 2015 年 11 月までに報告書にまとめる。
主な合意のポイントは上記のとおりですが、課題が残っています。各国の目標をお互いに検証
する仕組みは見送られました。自主目標では温暖化防止に不十分だとして、その妥当性を多国間
で事前検証する仕組みが検討されていましたが、中国や一部途上国の強い反対があり合意文書か
ら削除されました。事前検証が見送られたことで、温暖化の被害の深刻化を回避するための目安
とされている「平均気温の上昇を産業革命前に比べ 2℃未満に抑える」という世界共通の目標が
達成できるかどうかが懸念されています。
2020 年以降の温室効果ガス削減目標については、EU が 10 月に「2030 年までに 1990 年比 40%
削減」を発表、続いて2大排出国である米中が 11 月の首脳会談で、それぞれの新目標を共同発表
しました。米は「2025 年までに 2005 年比 26〜28%減」
、中国は「2030 年頃までに排出量を減少
に転じさせる」という内容です。
日本は原発事故の影響で、削減の目標づくり作業が遅れています。
「2050 年までに世界全体で
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50%減、先進国全開で 80%減という目標を改めて掲げ、貢献する。2020 年以降の削減目標につい
ては、できるだけ早期に提出することを目指す」と日本の望月環境大臣が演説しましたが、新聞
報道によると、国連の潘基文事務総長が「2015 年 3 月までに目標を出すよう頑張ってほしい」と
注文を付ける場面もあったようです。
一方、途上国の温暖化対策を支援する「緑の気候基金」への各国の拠出予定額が目標の 100 億
ドルを超えました。日本は 15 億ドルを拠出する方針を表明しています。
日本は原発事故を言い訳に目標提出を遅らせることは、できない状況にあるように思われます。
昨年4月に決定した第 4 次エネルギー基本計画は、原発再稼働の方針を表しましたが、将来の電
源構成は明記していません。長期的なエネルギー需給の見通しを立て、実現可能な電源構成を出
来る限り早く決定し、削減目標を掲げる努力を急ぐことが望まれます。
以 上
文責 黒柳 要次
P.D.C.A. ㈱パデセア
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