クレアシンガポール事務所リー・シェンロン首相ナショナル・デー・ラリーの概要（速報）建国から 50 周年を迎えたシンガポールにおいて、2015 年８月 23 日（日）夜、リー・シェンロン首相による施政方針演説（National Day Rally）が行われた。会場は、技能教育を行う ITE（Institute of Technical Education）。例年どおりマレー語・中国語・英語の３か国語により、首相自らが演説を行った。冒頭から一貫して、多民族性（multiracial）と自立（self-reliance）を強調した。経済関係については、昨年打ち出した「スキルズフューチャー（SkillsFuture）」事業による生涯教育・技能向上の具体的な進展について説明。住宅・福祉政策については、相当の時間を割いた。国家の安定の基盤となる住宅政策では、所得制限の緩和や新規補助制度などについて発表。高齢者政策では、再雇用年齢を 2017 年までに 65 歳から 67 歳へ引き上げることや、新たにアクションプランが策定されることが明らかにされた。少子化対策に関しては、減少化傾向にある出生数が 2014 年に回復したこと、また、今年「ＳＧ５０ベビー」の出生を祝う施策を実施していることが説明された。さらに、出産補助（Baby Bonus）の増額と４人目までの制限の撤廃、メディセイブにより 21 歳までの予防接種費等のカバー、育児休暇を１週間から２週間へ拡大といった一連の子育て支援策を、本年１月１日から遡って実施することが発表された。また、今回は外交課題についても多く言及した点に特色がある。特に、隣国マレーシアにおける過激派の増加や不正資金問題への憂慮、インドネシアのヘイズ問題、米中日とのバランスのとれた関係、そして昨年の国連気候変動枠組条約第 20 回締約国会議（COP20）において議長をサポートし成功に導いた実績などが挙げられた。（参考） http://www.pmo.gov.sg/national-day-rally-2015 https://www.facebook.com/leehsienloong