イーストスプリング・インド・バイウィークリー Vol.96を発行しました。 (PDF)

ご参考資料
Vol. 96
(対象期間:2014年12月29日~2015年1月9日)
原油の一段安を受けて世界の株式市場が動揺する中、インドの代表的株価指数であるSENSEX指数は、1月6日に前日比で3%
を超える下落となりましたが、政府が次々に進める経済改革や好調な企業業績が追い風となって、対象期間を通して見ると
0.8%の上昇で終わりました。中小型株はさらに上昇し、ボンベイ中型株指数と同小型株指数は対象期間中にそれぞれ、3.1%、
2.8%上昇しました。為替市場では、円安インドルピー高となりました。経済改革については、ニュース欄をご参照ください。
[株式市場]SENSEX指数の推移
(2002年12月31日~2015年1月9日)
週間騰落率
(前週末比)
12月26日 27,241.78
1月2日 27,887.90
2.4%
1月9日 27,458.38
-1.5%
日付
(ポイント)
30,000
25,000
[為替市場]インドルピーの対円レートの推移
(2002年12月31日~2015年1月9日)
終値
(円)
3.5
3.0
20,000
日付
為替レート
12月26日
1月2日
1月9日
1.890
1.903
1.911
円安インドルピ 高
円安インドルピー高
週間騰落率
(前週末比)
0.7%
0.4%
2.5
15,000
2.0
10,000
1.5
5,000
円高インドルピー安
円高インドルピ
安
0
1.0
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
個別銘柄では、生活用品・食品メーカーのヒンドゥスタン・ユニリー
バはコスト削減と売上数量の回復期待からアナリストによる格上
げが相次ぎ、対象期間中に15.0%上昇してSENSEX指数構成銘柄
の中で値上り率トップとなりました。また、1月9日に市場予想を上
回る10-12月期決算を発表したIT関連大手のインフォシスは対象
回る10
12月期決算を発表したIT関連大手のインフォシスは対象
期間中に6.3%上昇しました。
為替市場では、銀行や輸出業者による米ドル売りインドルピー買
いに加えて、堅調に推移するインドの株式・債券市場に海外から
の資金流入が継続するとの期待から、インドルピー高が進みまし
た。1米ドル=120円台から118円台まで円高が進む中、インドル
ピーの対円での上昇率は対象期間中に1
ピ
の対円での上昇率は対象期間中に1.1%と相対的に小さかっ
1%と相対的に小さかっ
たものの、対米ドルでは2.0%上昇しました。
[ニュース]
経済改革進めるモディ政権:大統領令で規制緩和
政治
インド政府は、国会で保険や石炭分野での規制緩和法案が通らなかったことを受けて、12月23日の国会閉会後に規制
緩和を進める大統領令を相次いで閣議決定しました。大統領の決裁を経て発せられる大統領令は、国会閉会中と開会
後6週間は法律と同じ効力を持ちます。一連の大統領令により、保険会社への外国資本の出資上限が26%から49%に
引上げられます。また、石炭採掘権の入札が可能となり、土地収用における規制緩和でインフラ整備が円滑になりま
す。今回の規制緩和を恒久化するためには国会で法案を通す必要がありますが、モディ政権が大統領令を使って規制
緩和を急いだことは経済改革に対する強い意志を示すものといえます。
経済改革進めるモディ政権:国家計画委員会を廃止
政治
モディ政権は規制緩和を進めるとともに、経済政策策定の枠組みについても変革を進めています。インド政府は1月1日
国家計画委員会を廃止しました。1950年に設立された同委員会は、5ヵ年経済計画を策定し、州政府への予算配分に強
い影響力を持っていましたが、その経済政策は中央から州へ一方通行であったとして、中央と州政府の双方に政策提
言する新組織を設立しました。モディ首相は昨年8月15日の独立記念日に行った演説で、「中央政府が経済活動の中心
でなくなった時代にそぐわなくなった」、「インドの前進は、州を前進させることによってのみ可能である」として、国家計画
委員会を廃止し新組織を設立する方針を示していました。
外国人投資家のインド債券投資:2014年は過去最高の買越し
金融
外国人投資家の2014年のインド債券投資額は262.5億米ドルで、統計でさかのぼることができる1997年以降で最高の買
越しとなりました。2013年は米国の量的緩和縮小観測により、5月から8月にかけて新興国の株式・債券・通貨が大きく下
落する中で、外国人投資家のインド債券投資額は-84.9億米ドルと8年ぶりの売越しでしたが、2014年は大幅な買越しに
転じ、それまでの最高であった2010年の100.5億米ドルを大きく上回りました。このような状況下、インドの10年国債利回
りは2013年末の8.83%から2014年末の7.86%に低下(価格は上昇)しました。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.96(対象期間:2014年12月29日~2015年1月9日)
[インド基礎講座] 2014年の振り返り:新政権の経済改革期待から株価は大きく上昇し、通貨は相対的に堅調
2014年のインド株式市場は、総選挙で圧勝して政権の座についたインド人民党のモディ首相による経済改革への期待から大きく上昇しまし
た。インドの代表的株価指数であるSENSEX指数は年間で29.9%上昇しましたが、中小型株はさらに高騰し、ボンベイ中型株指数と同小型
株指数はそれぞれ、54.7%、69.2%の上昇となりました。経済成長率は2年連続の4%台から5%台に回復し、物価上昇率の鈍化により早期
利下げ観測が強まるなど、相場を取巻く環境は改善しています。一方、2014年の為替市場では、ほとんどすべての通貨に対して米ドル高
が進む中、インドルピーは相対的に堅調で対米ドルの下落率は2.0%に留まりました。対円では、夏以降の円安が10月末の日銀による追加
緩和発表を受けて一段と進み、11.4%の円安インドルピー高となりました。
(図表1)SENSEX指数の推移
(図表3)政治経済の振り返り(2014年)
(2013年12月末~2014年12月末)
(ポイント)
30,000
28,000
政治
26 000
26,000
24,000
22,000
20,000
12月
3月
6月
9月
12月
経済
(図表2)インドルピーの対円レートの推移
(円)
(2013年12月末~2014年12月末)
20
2.0
円安インドルピー高
1.9
1.8
金融
政策
1.7
円高インドルピー安
1.6
12月
3月
6月
9月
12月
インド人民党の圧勝で、政権交代
4月から5月にかけて行われた総選挙(下院選挙)では、
インド人民党が過半数を占める一方、連立与党の中心で
民 議
あった国民会議派が歴史的敗北を喫しました。総選挙後
に樹立されたインド人民党のモディ政権は経済改革を進
める一方、積極的な外交で外資の誘致を図りました。
経済成長率は5%台に回復
実質国内総生産(GDP)成長率は、2012/13年度(2012年
4月~2013年3月)と2013/14年度(2013年4月~2014年3
月)の2年連続で4%台の低成長でしたが、今年度(2014
年4月~2015年3月)に入って2四半期連続で5%台の成
長に回復しました。
物価上昇率鈍化で、早期利下げ観測強まる
インド準備銀行(RBI、中央銀行)は2013年9月のラジャン
総裁就任後、インフレ抑制に向け強い姿勢を示し、政策
金利であるレポ金利を7.25%から3回にわたって引上げ
た後、8.0%に据置いています。11月の消費者物価指数
(CPI)上昇率は前年同月比+4.38%で、RBIが2015年1月
までの目標とする8%及び2016年1月までの目標とする
6%をともに下回るレベルまで低下しており、早期利下げ
観測が強まっています。
出所: Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2014年
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2014年
6月末現在、約4,570億ポンド(約78兆円、1ポンド=172.63円)に上ります。
アジア株式の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インド株式に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行います。
■運用を担当するファンド・マネジャーやアナリスト・チームが徹底した企業のファンダメンタルズの調査・分析を行い、その結果をもと
にポートフォリオの構築を行います。
イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について
■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属
するグル プとの合弁で事業を展開しています C C 銀行は 0年以上の歴史を持ち 2014年3月末現在 総資産は約 兆9 464億
するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、50年以上の歴史を持ち、2014年3月末現在、総資産は約5兆9,464億
ルピー(約10兆1,921億円、1ルピー=1.714円で換算)となっています。
■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。2014年6月末現在、運用資産総額は約1兆1,805億
ルピー(インドにおけるシェア約12.0%)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドの株式市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式
会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品
取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら
を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン
を変更
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あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも
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。当資料 使用
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ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま
せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし
もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも
のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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