30E15-am05

30E15-am05
Xanthanolides による Topoisomerase IIα 阻害機構の解析
◯竹田 修三 1 ,
岡本 美子 1 ,
松尾 和真 2 ,
小谷内 邦吉 2 ,
八地 健太郎 2 ,
1 1
第一薬大,2 九大院総理工,3 九大先導研)
松本 健司 3 ,新藤 充 3 ,荒牧 弘範(
【目的】我々はこれまでに、オナモミの果実成分から制がん作用を有する化合物
の単離・スクリーニングを行ってきた。その結果、制がん成分として xanthanolides
に属する(–)-xanthatin 及び(+)-8-epi-xanthatin (図1) を見出した(Takeda et al., Chem.
Res. Toxicol., 24:855–865, 2011)。興味 深いことに、これ らの xanthanolides は
topoisomerase IIα (Topo IIα) に よ る ス ー パ コ イ ル
DNA から弛緩型 DNA への転換反応を阻害した。
O
O
dienone
しかし、(–)-xanthatin 及び(+)-8-epi-xanthatin がどの
8
O
O 8
ようにして Topo IIα活性を阻害しているのかは不 O O(-)-xanthatin
(+)-8-epi-xanthatin
明である。本研究では、これら xanthanolides による
図1.(-)-xanthatinと(+)-8-epi-xanthatinの構造
Topo IIαの阻害機構を解析することを目的とする。
【方法】Topo IIαの活性測定は市販のキット(TopoGEN)を用いた。本研究で用いた
(–)-xanthatin 及び(+)-8-epi-xanthatin を含む xanthanolides は、我々により化学合成さ
れたものであり、高純度であることを確認している。そのほか、既存の Topo IIα
阻害剤を含めた化合物は市販のものを購入した。
【結果および考察】既存の Topo IIαの阻害剤との比較で、(–)-xanthatin 及び
(+)-8-epi-xanthatin による阻害は、DNA intercalating Topo IIα “poison”の mAMSA、
non-DNA intercalating Topo IIα poison の etoposide とは異なるものであった。
さらに、
そのほかの阻害剤と比較した結果、(–)-xanthatin 及び(+)-8-epi-xanthatin による阻害
は ellipticine と類似したものであった。Ellipticine は DNA intercalating Topo IIα阻害
剤であることから、現在、(–)-xanthatin 及び(+)-8-epi-xanthatin が DNA にインター
カレートするか否かを検討しており、併せて報告する予定である。