八坂上町店と白川通新橋店の2店舗を東山 区に構える、手造り時計とアクセサリーの お店「dedegumo」。今回は職人長の堀さく らさんから、手作り時計の魅力と、仕事と してのものづくりの面白さ・難しさを語っ ていただきました。 dedegumo 職人長 堀 さくらさん ●――お名前と現在の活動について教えてください。 手造り時計とアクセサリーを取り扱っている 「dedegumo」の職人長、堀さくらです。職人仕事なので、 時計のデザインから、制作、新作発表、店頭販売まです べて携わっています。店頭の商品も、1点ものではない ので、売れるたびに再度制作しています。dedegumoは東 山区に2つの店舗を構えているほか、卸しとオンライン ショップもしていて、今は主力で作れる職人が私だけな ので、全店舗分の時計をほぼひとりで作っています。他 のデザインの仕事を考えたこともあったのですが、自分 でデザインした時計を、自分で作って自分で販売できる 仕事ってなかなかないので、離れられなかったですね。 ●――現在のお仕事を始めたきっかけは? 昔からものづくりが好きで、特に絵が好きだったんで す。ちっちゃい頃から画塾にずっと通っていて、高校も 公立の美術学校に進学したんですよ。その流れで大学も 京都の美大の油絵科に進学したんですけど、美術の学校 に入った時に、親に「絵では食べていけないよ」ってず っと言われていて。それに自分自身も絵で食べていく気 はなくて。というのも、絵は自分にとって「自己表現」 であって、言葉にできない心の内面を表面化する手段だ ったので、それを売るとなると違うなっていうのをずっ と感じてたんです。そう思っていたこともあって、大学 の時は就職について悩んでいました。アーティストにな るといっても、このご時世ですから、面白さやインパク ト、そういうタレント性が重視される世界と感じていて、 それもしっくりこないから諦めていたんです。でも諦め きれない気持ちもあったので、舞台美術のスタッフとか、 アニメーターとか、ちょっとでも美術に携われる仕事を
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