ファンドマネージャーの市況に関するコメント~2014 年 11 月

作成日:2014 年 12 月 22 日
市況コメント
ファンドマネージャーの市況に関するコメント~2014 年 11 月
当社取り扱いファンドの月次レポートの中からファンドマネージャーのコメントの一部を抜粋し
たものです。現時点での投資判断を示したものであり、将来の市況環境の変動等を保証するもの
ではありません。
<日本株>
(出所)「日本株厳選ファンド」
11 月の国内株式市場は大幅に上昇し、TOPIX は 1,410.34 ポイント(前月末比+5.8%)となり
ました。月前半は日銀の追加緩和や公的年金改革を好感して急伸した後に上値の重い展開となり
ましたが、その後は消費税再増税先送りへの思惑から一段高となりました。中旬には 7-9 月期 GDP
が予想外のマイナスとなり急落する局面もありましたが、安倍首相による消費税再増税先送り決
定と衆議院解散発表による景気回復への期待や原油価格の下落、円安など外部環境改善を好感し
て上昇しました。
東洋経済による東証一部(除く金融)の今期経常増益率予想は+8.8%に上方修正されました。
円安を受けて輸出関連、また採算改善から建設などの業績は堅調な一方、卸売や鉱業など資源関
連では下方修正が目立っています。
東証 33 業種別では、30 業種が上昇したのに対し、3 業種が下落しました。繊維製品(前月末
比+16.4%)
、海運業(同+15.3%)、空運業(同+15.2%)などが上昇した一方、鉱業(同▲9.3%)、
石油・石炭製品(同▲4.0%)、不動産業(同▲1.0%)は下落しました。
<北米株>
(出所)「ダイワ米国株ストラテジーα(通貨選択型) -トリプルリターンズ-」
11 月上旬の米国株式市場は、4 日(現地)に行われた米中間選挙において共和党が大躍進し、
企業重視の政策に対する期待感の高まりから上昇しました。さらに 10 月の ADP 全米雇用統計が
予想を上回ったことも材料となり、S&P500 種株価指数は過去最高値を更新しました。中旬は中
国人民銀行が行った 2 年ぶりの利下げや、ドラギ ECB(欧州中央銀行)総裁が追加緩和期待を高
める発言を行ったことを受けて、米国株式市場はさらに上昇し、過去最高値を更新し続けました。
下旬は原油価格の下落によってエネルギー株などが売られましたが、好調な経済指標が続いたこ
とで上昇は続きました。
<欧州株>
(出所)「ニッセイ欧州株式厳選ファンド」
当月の欧州株式市場は、欧州中央銀行(ECB)の追加金融緩和策導入への期待感や、中国・
日本による金融緩和実施を受けて上昇しました。
上旬は、一部企業の業績が振るわなかったものの、日銀が追加金融緩和を実施したことや、6
日に開催されたECB理事会においてドラギ総裁が追加金融緩和策の導入に意欲的な姿勢を鮮明
にしたことが市場の期待感をつなぎました。更に米中間選挙において共和党が勝利したことでド
ル高ユーロ安が進行し、欧州企業の業績押し上げへの期待感が高まり株式市場は底堅く推移しま
した。
その後、原油価格が下落したことでエネルギーや資源関連銘柄の株価は軟調となったものの、
金融や資本財セクターでM&A(買収・合併)の動きが活発化したことや 10 月の欧州自動車販売
台数が好調であったこと、ドイツの景況感期待指数が今年に入って初めて改善したことが好感さ
れて、ゆるやかな上昇基調となりました。
月末にかけては、中国やユーロ圏の製造業景況感指数が市場予想を下回ったことや、石油輸出
国機構(OPEC)が生産目標を現行の日量 3,000 万バレルで据え置くことを決定し原油価格が
急落した一方で、ECBが国債購入を含む新たな緩和策を導入することへの期待感が一段と高ま
ったことや、中国人民銀行が予想外の利下げを発表し中国景気の底割れを食い止める姿勢を示し
たこと、更にヘルスケアや公益事業の大企業においても部門売却などの積極的な企業活動の動き
※後述の当資料のお取り扱いにおけるご注意をよくお読みください。
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が好感されて、上げ幅を広げて当月を終えました。
<アジア・オセアニア株>
(出所)「UBS 中国株式ファンド」
当該期間の中国株式市場は、上海 A 株市場、深セン A 株市場、香港 H 株市場、レッドチップ
ス市場の各市場とも前月比で上昇しました。月初、中国株式市場は小幅な推移が続いた後、上海
と香港の証券取引所の相互乗り入れの開始日が発表されたこと、国営企業改革への期待が高まっ
たことなどから、月の半ばにかけて上昇しました。月の後半、中国株式市場は、新築住宅価格の
下落を背景に景気減速懸念が強まったことなどから一時的に下落しましたが、その後、中国人民
銀行が利下げを行い、不動産セクターや金融セクターを中心として株価が上昇しました。その後、
月の終盤にかけて、追加金融緩和や国有企業改革の加速への期待が高まり、中国株式市場はさら
に上昇しました。結果、前月末を上回った水準で取引を終えました。
<グローバル株>
(出所)「ダイワ世界好配当株ファンド」
好調な米国の景気情勢と ECB への追加緩和期待から上昇
11 月の欧米株式市況は、米国の中間選挙での共和党の勝利、ECB(欧州中央銀行)の追加緩和
期待、良好な企業業績などを背景に上昇して始まりました。その後も、米国の小売企業の好調な
決算や年末商戦への期待の高まり、世界的に活発化した M&A(合併・買収)、ECB 高官によるさ
らなる金融緩和に向けた積極的な発言などから上昇基調が続きました。加えて、中国人民銀行の
予想外の利下げもあり、高値圏での推移となりました。アジア・オセアニアは、さえない経済統
計の発表から下落して始まりましたが、香港・上海の相互株式取引の開始日が決定されると反発
しました。その後は、実際の相互取引が低調であったことから反落しましたが、中国人民銀行の
予想外の利下げや、さらなる金融緩和や経済対策期待から反発し、月間では横ばいとなりました。
<国内債券>
(出所)「ダイワ日本国債ファンド(毎月分配型)」
長期金利は小幅に低下
11 月の国内債券市場は、海外金利の低下などを背景に長期金利(10 年国債利回り)が一段と低
下しました。0.46%近辺で始まった長期金利は、消費増税先送りによる財政再建の遅れへの懸念
から、11 月中旬にかけて一時 0.5%台前半まで上昇しました。しかし、11 月後半に入ると、7-9
月期 GDP(国内総生産)成長率の弱い数字や、原油価格下落によるディスインフレ懸念などを背
景とした海外金利の低下を受けて、長期金利は低下基調となりました。この結果、11 月末の長期
金利は 0.42%近辺となり、10 月末から 0.04%程度低下した水準となりました。
<北米債券>
(出所)「米国国債ファンド」
原油安の影響から金利低下進む
11 月の米国債券市場は、短期金利は小幅上昇する一方で中長期金利は低下しました。月初に発
表された経済指標が良好だったことから金利上昇基調で始まりましたが、その後発表された雇用
統計が市場予想を下回ったことをきっかけに金利上昇幅を縮小させる展開となりました。また、
原油安が物価を下押しするとの観測から金利低下圧力は強まり、低下幅は長い年限の債券ほど大
きくなりました。
<アジア・オセアニア債券>
(出所)「ダイワ/フィデリティ・アジア・ハイ・イールド債券ファンド(通貨選択型)」
11 月のアジア債券市場は、中国や欧州をはじめとした世界的な景気減速懸念などを背景に、軟
調なパフォーマンスとなりました。セクター別のパフォーマンスでは、インドネシアの素材セク
ターが一部銘柄のデフォルト(債務不履行)の影響から大幅下落となった一方、モンゴルの素材
セクターは増資を発表した銘柄による寄与から大幅上昇となりました。また、原油価格の下落な
どを背景に、エネルギーセクターは全般に弱含む結果となりました。
金融政策の面では、インドネシアで政府による国内燃料販売価格の引き上げ(補助金の削減)
※後述の当資料のお取り扱いにおけるご注意をよくお読みください。
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発表の後、インドネシア中央銀行が臨時の理事会で、政策金利を 0.25%ポイント引き上げ 7.75%
とすることを決定しました。これは、インフレ抑制などを意図したものとみられています。他方、
中国では、中国人民銀行が景気下支えなどを目的として政策金利の引き下げに踏み切ったことも
注目を集めました。アジア・ハイ・イールド債券市場は米ドル建ての資産クラスであることから、
これらの国内金利の変動は、直接的な価格変動要因にはなりにくいと考えるものの、市場心理の
変化を通じて間接的に影響が及ぶ可能性が考えられます。
<欧州・グローバル債券>
(出所)「通貨選択型エマージング・ボンド・ファンド」
11 月のエマージング債券市場は、小幅ながら上昇しました。原油価格の下落や世界経済の減速
懸念などを背景に、11 月に入ってもボラティリティ(価格変動性)の高い状況が続きました。主
要通貨建てエマージング債券市場への資金流入は、プラスのまま推移した一方、現地通貨建てエ
マージング債券市場は、米ドル高の影響を受け売り圧力を受けました。
原油価格は 11 月も低迷し、投資対象国として産油国にとってはマイナス要因となった一方、原
油輸入国にとってはプラス要因となりました。OPEC(石油輸出国機構)の減産見送り決定を受
け、原油先物価格は 4 年ぶりの安値水準まで下落しました。原油輸出への依存度が高いベネズエ
ラでは、足元の経済が低迷していることもあり、外貨建て債務に対するデフォルト(債務不履行)
懸念が高まりました。また、エネルギー関連セクターへの依存度が高いロシアについても、原油
価格の下落が同国経済の悪化に拍車をかけました。ロシアルーブルは過去最安値の水準まで下落
し、ロシア中央銀行はロシアルーブルを変動相場制に移行させました。一方、トルコや南アフリ
カなどの原油輸入国は、原油価格の下落がインフレ圧力の緩和につながると見られ、恩恵を受け
ました。
11 月は、引き続き世界的な景気減速懸念が高まりました。先進国では、ユーロ圏や日本の低迷
が目立ち、エマージング国ではロシアやインドの 7-9 月期 GDP 成長率が前年同期比で減速しまし
た。中国人民銀行は景気テコ入れのため 2012 年以来となる予想外の利下げを実施しましたが、
その後に発表された製造業関連の指標は軟調に推移しました。ブラジルでは、7-9 月期 GDP 成長
率は前期比+0.1%と景気後退入りが回避され、また次期財務大臣に財政規律重視のレヴィ氏が指
名されたことが好感されたものの、同国の国営石油会社ペトロブラスを巡る汚職疑惑が嫌気され
ました。
<リート>
(出所)「ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)」
11 月の J-REIT 市場は、月を通じておおむね堅調に推移し、8 カ月連続の上昇となりました。
上旬には、日銀の追加金融緩和をきっかけとした急上昇を受けて、利益確定売りに押される局面
もありました。その後は国内外の株高、円安、良好な J-REIT 投資口需給等の好環境に変化はな
いとの見方が強まり、J-REIT 市場は再び堅調に推移しました。また、長期金利が引き続き低位の
水準で安定的に推移したことや、消費税率の引き上げが延期される見通しとなったことなども好
感されたとみられます。
<その他>
(出所)「WTI原油先物ファンド(ロング・ポジション/ショート・ポジション/マネーポジション)」
WTI 原油先物市場は大幅下落となりました。世界的に潤沢な石油供給やドル高基調に加え、主
要産油国による原油安容認発言が引き続き重石となりました。また米国のシェールオイル生産の
順調な拡大も圧迫要因となりました。11 月 27 日に開催された OPEC 総会では、ベネズエラなど
一部産油国が原油価格の下支えのため減産を主張したのに対し、サウジアラビアは静観の構えを
崩さず、最終的に減産は見送られました。今回の決定において、OPEC 加盟国間での産油政策の
相違が浮き彫りとなり、これが市場心理を悪化させました。また原油価格の下落が続いた場合で
も、米国のシェールオイル生産量が減少に向かうことはないとの見方も重石となりました。一方、
ロシアのプーチン大統領が「原油価格は遅くとも 2015 年半ばまでには落ち着きを取り戻す」と
し、原油価格の急落をけん制する発言を行いましたが、市場では材料視されませんでした。
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投資信託にかかる手数料等およびリスクについて
お客さまにご負担いただく費用
ファンドのご購入時や運用期間中には以下の費用がかかります。
●直接ご負担いただく費用
購入時手数料
購入時手数料申込金額に対し、最大 3.24%(税込)を乗じて得た額。
換金(解約)手数料
1 口(当初 1 口=1 ,000 円)につき最大 21.6 円(税込)を乗じて得た
額。
信託財産留保額
信託財産留保額換金時の基準価額に対して、最大 0.5%を乗じて得た額。
●保有期間中に間接的にご負担いただく費用
信託報酬
ファンドの計算期間を通じて毎日、ファンドの純資産総額に一定の料率
を乗じて得た額。
料率の上限は年率 2.376%(税込)
。
その他の費用
監査報酬、有価証券等の売買にかかる手数料、資産を外国で保管する場
合の費用等をご負担いただきます。
*その他の費用については、運用状況等により変動するものであり、事
前に料率、上限額等を示すことができません。詳しくは、
「投資信託説明
書(交付目論見書)
」をご覧ください。
ファンドのリスクについて
ファンドは、株式、債券、投資信託証券など値動きのある証券(外貨建て資産には為替リスクもあり
ます)に投資しますので基準価額は大きく変動します。したがって、投資元本が保証されているもの
ではなく、これを割込むことがあります。委託会社の指図に基づく行為により信託財産に生じた利益
および損失は、すべて受益者に帰属します。投資信託は預貯金とは異なります。リスクの要因につい
ては、各ファンドが投資する証券により異なりますので、お申込みに当たっては、各ファンドの「投
資信託説明書(交付目論見書)」をご覧ください。
ご投資にあたっての留意点
● 上記の手数料等およびリスクは、大和証券株式会社が取り扱う公募投資信託について記載しており
ます。
● 投資信託にかかるリスクおよび手数料等は、それぞれの投資信託により異なりますので、当該投資
信託の「投資信託説明書(交付目論見書)」をよくお読みください。目論見書のご請求は、大和証
券のお取引窓口までお願いいたします。
● 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的として各ファンドの月次レポートを元に大和証券
株式会社が作成したものです。投資信託のお申込みにあたっては、
「投資信託説明書(交付目論見
書)」の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
● 当資料は信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を保証する
ものではありません。記載内容は資料作成時点のものであり、予告なく変更されることがあります。
商号等 :大和証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 108 号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、
一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会
※後述の当資料のお取り扱いにおけるご注意をよくお読みください。
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