平成27年 1月 1日現在 【先進医療A 届出状況】 1 樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法 (実施科:呼吸器外科、消化管外科) 特異的細胞免疫療法の一つで、末梢血から樹状細胞を分離し、これに患者様の腫瘍を認識する抗原 ペプチド(自己の腫瘍細胞から抽出もしくは合成)で刺激し、患者様にワクチンとして投与する治療法である。 2 急性リンパ性白血病細胞の免疫遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨 髄微小残存病変(MRD)量の測定 (実施科:小児科) 初発時の急性白血病細胞の遺伝子異常を PCR という検査法で検出し、この遺伝子異常を指標として、 治療に対する反応性を経過を追って調べて行く。これによって、通常の検査では検出できないレベルの体内に 残っている白血病細胞(微小残存病変)を検出することが可能となる。 白血病細胞が多く残っている場合は、治療が効きにくいと判断し、もっと有効な治療法に変更し、少ない 場合はこの治療が有効であると判断し、同じ治療を継続することができる。 このように治療反応性によって治療法を選択することが可能となり、一人一人に応じた適切な治療を提供 することができる。 3 内視鏡下頸部良性腫瘍摘出術 (実施科:甲状腺内分泌外科) 甲状腺良性腫瘍、バセドウ病、副甲状腺腫瘍に対して、内視鏡下に手術を行う。脇の下、乳輪 部からアプローチするため、頚部に創がなく、整容面で優れた手術法である。 【先進医療B 届出状況】 1 重症低血糖発作を合併するインスリン依存性糖尿病に対する脳死および心停止ドナー からの膵島移植 (実施科:肝胆膵・移植外科) 膵島移植は、血糖不安定性を有するインスリン依存状態糖尿病に対して、他人より提供された膵臓から 分離した膵島組織を移植することで血糖の安定性を取り戻すことを可能とする医療である。局所麻酔下に 膵島組織を門脈内に輸注する方法で移植され、低侵襲かつ高い安全性を有することが特徴である。本治療 法においては、血糖安定性を獲得するまで移植は複数回(原則 3 回まで)実施でき、免疫抑制法は新た に有効性が確認されているプロトコールが採用されている。 2 術後のホルモン療法及びS-1内服投与の併用療法 原発性乳がん(エストロゲン受 容体が陽性であって、HER2が陰性のものに限る。) (実施科:乳腺外科) 本試験に登録された症例は、標準的術後ホルモン療法単独、または標準的術後ホルモン療法と TS-1 の 併用療法のいずれかに割り付けられる。両群ともに標準的術後ホルモン療法 5 年間を実施するが、併用群 にのみ TS-1 も 1 年間投与する。標準的ホルモン療法については主に閉経前ではタモキシフェン、閉経後では アナストロゾールを用いる。TS-1 は 1 日 2 回 50mg、14 日間連日経口投与し、その後 7 日間休薬する。 (投与量は体表面積およびクレアチニンクリアランス(Ccr)によって決定されるが、典型的には、体表面積 (m2) 1.25 以上~1.5 未満、Ccr 80mL/min 以上で 1 日当たり 100mg である。)これを 1 コースと して、投与開始から 1 年間、投与を繰り返す。
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