抗癌薬 TS-1 による眼瞼結膜杯細胞の経時的変化

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抗癌薬 TS-1Ⓡによる眼瞼結膜杯細胞の経時的変化
◎松代 光代 1)、金川 邦夫 1)、神田 由佳 1)、坂井 譲 2)
市立加西病院中央検査科病理 1)、市立加西病院眼科 2)
【目的】
抗癌薬
TS-1Ⓡ(以下
【結果】
TS-1)による角膜障害や涙道障害は、
TS-1 投与後、眼科愁訴の有無に関わらず眼瞼結膜の杯細胞
投与患者の約 15%に発症するとされる。涙道障害は涙点か
は減少傾向であった。しかし、投与からの日数、TS-1 投与
ら涙小管に多く見られ、今回我々は、TS-1 投与後の涙点付
総量には直線的な相関は認められなかった。投与総量を
近における眼瞼結膜杯細胞の経時的変化をインプレッショ
0㎎、2000㎎まで、4000㎎まで、6000㎎まで、8000㎎まで
ンサイトロジーを用い検討した。
10000㎎まで、15000㎎まで、それ以上に分類したところ、
【対象および方法】
0㎎時点と 2000㎎までの Nelson スコア比較は p<0.01
TS-1 投与患者からインフォームド・コンセントを得た。眼
(t 検定)で有意に減少していた。しかし、それ以上総量が
科細隙灯顕微鏡検査、涙道通水検査を行い、0.4%オキシブ
増加しても有意差を認めなっかた。
プロカイン塩酸塩点眼にて麻酔後、ニトロセルロースフィ
【考察】
ルターにて涙点付近の眼瞼結膜に対してインプレッション
個々の症例では、時期によって Nelson 分類スコアが変動し
サイトロジーを施行した。採取したフィルターをホルマリ
ているが、杯細胞の減少度は,TS-1 開始からの日数や投与
ン固定し、PAS 染色を行った。顕微鏡下にて数視野の杯細
総量と単純に相関しているのではない。しかし、投与開始
胞の状態を Nelson 分類でスコア化し、視野数で除し、小数
早期から眼瞼結膜の杯細胞が有意に減少していることがわ
点第1位で表した。3回以上試料を得られ、重篤な眼科的
かった。今回の対象は全て重篤な眼副作用が出現しておら
障害の発生しなかった 12 名 24 眼を対象とした。杯細胞の
ず、杯細胞減少は角膜障害や涙道障害の潜在変化を示して
状態と TS-1 開始からの日数、投与総量との相関を統計学的
いる可能性があると思われる。
に検討した。
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