資料2 仕様書 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

資料2
仕様書
スマートコミュニティ部
1.件名
スマートグリッドのアーキテクチャに基づくシステムアプローチに関する検討
2.目的
世界人口の増加や発展途上国の経済成長などにより、世界のエネルギー需要は、今後ますます増
加すると見込まれている。しかし、エネルギー資源である石油・石炭などの化石燃料には限りがあ
り、加えてエネルギー安全保障や地球温暖化の面からも、省エネルギーの推進や再生可能エネルギ
ーの導入促進の重要性が増してきた。また、エネルギーの供給形態として電力への依存度が高まる
一方で、世界では大規模停電が発生するなど、人々の生活や企業活動などへ大きな影響を与えてい
る。こうした問題に対して、電力流通の効率化、送配電ロスの低減、電動車両の普及などを図る上
で、スマートグリッドの構築が有効と考えられている。
スマートグリッドの実現には、多くの企業や事業者が関係し、利用される様々な技術の相互運用
性が必要になるため、標準化が極めて重要となる。しかし、スマートグリッドのような複雑で大規
模なシステムの標準化を進めるためには、個々の技術領域の標準化作業を積み上げるボトムアップ
アプローチより、全体アーキテクチャを構築して、不足部分の標準化を進めるトップダウン的なシ
ステムアプローチが効率的であるといわれている。例えば、欧州では欧州指令 M/490 に基づき、
CEN-CENELEC-ETSI Smart Grid Coordination Group (SG-CG)がシステムアプローチを推奨し
ており、IEC/SyC Smart Energy でも採用される見込みである。
このようなシステムアプローチを行うには、スマートグリッドのアーキテクチャモデルを構築し、
汎用ユースケースを分析・評価し、アーキテクチャモデルに標準化への要求事項をマッピングする
ことで、規格・標準に不足している部分を明らかにすることが必要である。
また、スマートグリッドを実装していく上で、セキュリティの確保は不可欠であるが、日本では
部分的な検討は行われていたものの、システム的な検討課題として位置づけられていなかった。先
行して検討されている欧米の成果を参照しつつ、我が国においても、スマートグリッドのセキュリ
ティについての検討を深める必要がある。
そこで、本調査においては、我が国の強みを活かした国際標準化戦略の企画立案、及びスマート
コミュニティ事業に係る産業競争力強化の検討に資することを目的に、システムアプローチによる
規格開発手法について体系的に整理し、これまで行われてきたスマートコミュニティ関連の実証プ
ロジェクトをユースケースとして当てはめ、大規模システムの規格・標準開発に資する検討を行う。
また、標準化の対象がスマートグリッドからスマートエナジーに拡大される見込みであるため、ス
マートエナジーに関する国内外の動向(技術動向、ロードマップ、政策等)の調査を行う。さらに、
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海外におけるスマートグリッドのセキュリティに係る動向調査を行う。
3.調査内容
(1)スマートグリッドのアーキテクチャモデルを用いた標準化手法に関する調査
システムアプローチによる規格開発手法について体系的に整理し、これまで行われてきたスマー
トコミュニティ関連の実証プロジェクトをユースケースとして当てはめ、大規模システムの規格・
標準開発に資する検討を行う。
①
欧州標準化団体、欧州指令、関連文献等の調査を行い、システムアプローチの必要性や大規
模システムにおける標準化手法について整理する。必要に応じて、欧州や国内のフォーラム
等への参加を通じて、最新の情報を収集する。
②
Smart Grid Architecture Model(SGAM)を基に、システムアプローチによる規格・標準開発
手法を整理する。
③
上記の結果を踏まえて、NEDO が Electric Power Research Institute (EPRI)に提出して
いるエネルギーマネジメントシステムの実証事業のうち、実態把握が可能なものに対して、
新たに必要な規格・標準の特定に資するようアーキテクチャモデルへのマッピングを行う。
(2)スマートエナジーに関する国内外の動向調査
我が国の強みを生かした国際標準化戦略の検討のため、スマートエナジーに関する海外(特に欧
州)及び我が国の動向(技術動向、ロードマップ、政策等)を調査する。
①
スマートグリッドを推進するコンソーシアムで実証された熱・電力供給の最適化などの技術
成果、及び関連ガイドライン等の策定状況を整理する。
②
熱電併給(CHP)を活用したスマートグリッドプロジェクトに関して、主要プロジェクトの
概要、実証された技術、関連市場や政策の動向を整理する。
③
新たなエネルギー源として期待されている水素エネルギーについて、電力グリッドとのイン
ターフェース(燃料電池の監視制御、燃料電池車の水素ステーションへの ICT の導入等)
に係る情報を収集・整理する。
(3)スマートグリッドのセキュリティに関する海外動向調査
海外のスマートグリッドのセキュリティに係わる動向調査として、欧州が主要ガイドラインと考
えている SGIS(Smart Grid Information Security:CEN/CENELEC/ETSI SG-CG 作成ドキュメ
ント)等の情報を収集・整理する。
(4)国際標準化に係る国内団体・組織との連携
上記(1)~(3)の調査の実施に当たっては、国際標準化に係る国内団体・組織との連携を図
り、情報共有及び意見照会を行うとともに、必要に応じて海外の有識者を招聘し、意見交換を行う
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ものとする。
4.調査期間
NEDO が指定する日から平成 27 年 7 月 31 日まで。
5.予算額
20,000 千円未満
6.報告書
提出期限:平成 27 年 7 月 31 日まで
提出部数:電子媒体 CD-R(PDF ファイル形式)
2枚
提出方法:
「成果報告書・中間年報の電子ファイル提出の手引き」に従って提出のこと。
http://www.nedo.go.jp/itaku-gyomu/manual_tebiki_index.html
7.報告会等の開催
委託期間中または委託期間終了後に、成果報告会における報告を依頼することがある。
8.その他
海外動向の情報収集を行う際には、NEDO 海外事務所と連携すること。
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