演題番号3 - 京都府理学療法士会

【第 25 回 京都理学療法士学会】
【理学療法アプローチ】
脳梗塞の発症に伴い、着衣障害を呈した症例
週 2回
個別リハビリ(1回 2
0分)を実施。
〜衣服と身体との関係性に着目して〜
(1)手指の関節可動域練習・随意運動練習
(2)更衣場面への介入
植田俊哉 1)・松田淳子 2)・田部路人 2)・稲岡秀陽 3)
①衣服の構成の確認
②衣服を空間的に操作する課題
1) 医療法人 同仁会(社団) 介護老人保健施設 マム
③縄を使用してのすり抜け課題
フローラ
2) 医療法人 同仁会(社団) 介護老人保健施設 マム
クオーレ
④衣服を使用しての更衣課題
(3)生活場面での練習・指導
【結果】
3) 医療法人 同仁会(社団) 京都九条病院
6ヶ月間の介入により、線分抹消検査での線分の見
【キーワード】
落としがなくなり、所要時間は 4
5秒と短縮、動作場
脳梗塞・着衣障害・生活期リハビリテーション
面でも左側への注意が改善した。MMSEは 27点と点数
が上昇した。着衣動作では首部分に腕を通す、袖が裏
【はじめに】
今回、発症後早期に自宅退院となり、通所リハビリ
返ったまま着るなどの場面が少なくなり、混乱しても
自身で失敗に気がつき、自己修正が可能となった。
テーション(以下デイケア)利用となった着衣障害を
呈した脳梗塞後症例に対し、介入の機会を得た。この
【考察】
症例に対し、着衣動作の改善に向け取り組んだ結果、
自立度が向上したので報告する。
デイケアの治療環境において医学的情報の入手に
限界があり今回、病巣の確認等は困難であったが、本
症例の臨床症状と身体機能評価から高次脳機能障害
【症例紹介】
による着衣障害の可能性が考えられた。
80歳代男性。平成 26年 3月上旬に脳梗塞を発症。
着衣障害が範疇に入る失行に対して、脳卒中治療ガ
3月下旬に自宅退院となり、直後よりデイケアの利用
イドラインでは現実に即した、目標とする動作そのも
が開始となった。既往歴として白内障・黄斑変性症が
のの訓練や障害の代償方法を習得する訓練が勧めら
存在した。
れる、としている 1)。今回の症例では衣服の構成の確
認や縄を使用してのすり抜け課題を実施すると共に、
【初期評価】
Brunnstro
m stag
e 左上下肢Ⅵ、手指Ⅴ。感覚検査
では左上下肢に軽度の感覚障害を認めた。線分抹消検
ご家族や他職種と連携した事で更衣動作の自立度が
向上したと考える。
【まとめ】
査では線分の見落としがみられ、所要時間は 1分 32
デイケアという限られた介入回数と時間の中で問
秒要した。認知機能としては MMSE2
2点。着衣動作で
題点の評価の継続と介入を行うと共に、ご家族や他職
は、衣服の首部分や袖の位置関係は把握していたもの
種と連携し、工夫する事で日常生活での実用化につな
の着る前に混乱する事が多く、首部分に腕を通す、袖
げていける事を今回の症例を通して学ぶ事ができた。
が裏返ったまま着る、服の前後を間違えるなどの場面
【参考文献】
がみられ、着衣動作には一部介助が必要であった。
1) 日本脳卒中学会編:脳卒中治療ガイドライン
2009.http:/
/www.jst
s.gr.jp/
guidelin
e/327_3
30.p
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【目標】更衣動作の自立。
f