浦添市自転車ネットワーク計画(案) (概要版) 平成 26 年度 浦添市都市計画課 目 次 第 1 章浦添市自転車ネットワーク計画の概要 ................................................................................. 1 1-1 浦添市自転車ネットワーク計画策定の背景と目的...................................................................... 1 1-2 浦添市自転車ネットワーク計画策定の位置づけ.......................................................................... 2 第2章 自転車ネットワーク計画の検討フロー............................................................................ 3 第3章 自転車ネットワーク計画の基本方針、計画目標の設定(案) ........................................ 5 3-1 自転車ネットワーク計画の基本方針(案).................................................................................. 5 3-2 自転車ネットワーク計画の計画目標(案).................................................................................. 7 第4章 4-1 自転車ネットワーク路線の選定(案)............................................................................ 8 自転車ネットワーク要件 ................................................................................................................. 8 4-1-1 自転車ネットワーク要件の検討方針 .......................................................................................... 8 4-1-2 自転車ネットワーク要件 .............................................................................................................. 9 4-1-3 自転車ネットワークの選定(案) ............................................................................................ 18 第5章 整備形態の選定(案) .................................................................................................. 20 5-1 5-1-1 5-2 第6章 整備形態の選定の考え方 ............................................................................................................... 20 整備形態の選定 ............................................................................................................................ 22 整備可能な当面の整備形態の検討 ............................................................................................... 23 個別路線の詳細な構造等の検討(案).......................................................................... 27 第1章 浦添市自転車ネットワーク計画の概要 1-1 浦添市自転車ネットワーク計画策定の背景と目的 近年、環境や健康への配慮から自転車利用の増加が全国的に指摘されてきている。浦添市におい ても国道 58 号の一部区間(港川~城間)では自転車交通量が平成 11 年から平成 22 年の間に 2.6 倍(140 台/12h→358 台/12h)に増加している。自転車利用の増加に伴い、県内において自転車に関 連する死傷事故も増加しており、過去 20 年間で 2.2 倍(215 件→478 件)となっている。 一方、道路交通事情に視点を移すと、浦添市の幹線道路の交通量は全国でも上位に位置するほど 多く、混雑時旅行速度は東京 23 区等の大都市圏と同程度となっている。この要因の一つとして過 度な自動車利用が挙げられ、本島中南部都市圏の約 7 割が自動車による移動となっている。浦添市 においても過度な自動車利用の実態が確認されており 500m 未満の移動でさえ 3 割以上が車を利用 するといった、自動車が自転車のように利用されている状況である。 国の動向としては、警察庁が自転車は「車両」であることの徹底を基本的な考え方として打ち出 し、過去 30 年以上にわたり常態化していた自転車の歩道通行からの転換に舵を切っている。また、 社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会の中間とりまとめでは、道路行政の視点として「『ク ルマ』主役から、歩行者、自転車などのクルマ以外の利用者を含めた『多様な利用者が安全・安心 して共存』できる環境整備」を挙げている。浦添市では、交通渋滞等の交通諸問題の解決を図り、 「目指すべき将来像の実現」を目指して平成 23 年 10 月に浦添市交通基本計画を策定している。こ の浦添市交通基本計画で掲げた都市の将来像の実現を目指すために 5~10 年の短中期で取り組む施 策群となる浦添市総合交通戦略を平成 25 年 2 月に策定している。浦添市総合交通戦略では、市民 の日常的な移動に際して、徒歩、自転車及び公共交通の選択が可能となるよう総合的に取り組む施 策について検討を行い、「自転車の走行位置の明示」、「立体高架下活用した駐輪施設整備」、「コミ ュニティサイクル拠点整備」等の自転車に関連する施策を掲げている。 さらに、平成 24 年 11 月に国土交通省道路局と警察庁交通局は、各地域において道路管理者や都 道府県警察が自転車ネットワークの整備、通行ルールの徹底等を進められるよう「安全で快適な自 転車利用環境創出ガイドライン」を共同で策定している。 このような自転車を取り巻く状況や上位関連計画を踏まえ、本計画では、自転車や歩行者、自動 車が安全で快適に通行できる空間を確保すると同時に自転車の利用促進を図るためのソフト施策 を組み合わせた自転車利用環境を創出するため、浦添市自転車ネットワーク計画を策定する。なお、 本計画の策定に当たっては、沖縄県や浦添市の自転車利用の実情を勘案しながら検討を行う。 1 1-2 浦添市自転車ネットワーク計画策定の位置づけ 浦添市では、交通渋滞等の交通諸問題の解決を図り、以下に示す「目指すべき将来像の実現」を 目指して平成 23 年 10 月に浦添市交通基本計画を策定している。 ① 浦添市の自然環境・歴史環境などの資源を活かした都市 ② 浦添市の拠点づくりと各拠点の都市機能を生かした都市 ③ 浦添市の骨格を形成するとともに都市の軸の特性を生かした都市 ④ 浦添市に住む人、訪れる人にとって安心安全な生活空間を創出する都市 浦添市基本計画は、概ね 20 年後を目標とした長期計画であり、都市の将来像の実現を目指すた め短中期(概ね 5~10 年)で取り組むアクションプログラムとして浦添市総合交通戦略でまとめて いる。 本計画は、浦添市総合交通戦略で示された自転車関連施策の展開について検討を行うものであ る。 交通計画関連 【国関係】 第 4 次浦添市総合計画 ・沖縄県広域道路整備基本計画(ハシゴ道路網) ・道路の中期計画 ・那覇都市圏交通円滑化総合計画 (2 環状 7 放射道路) 等 浦添市都市計画マスタープラン 【県関係】 ・沖縄 21 世紀ビジョン ・那覇広域都市計画「都市計画区域の整備、開発 浦添市交通基本計画(H23.10) 及び保全の方針」 ・沖縄県総合交通体系基本計画 ・沖縄本島中南部都市圏都市交通マスタープラン ・TDM 施策推進アクションプログラム ・モノレール延長計画 浦添市道路整備プログラム(H25.2) ・那覇市・浦添市・宜野湾市・沖縄市地域公共交 通総合連携計画 ・沖縄本島中南部都市圏総合交通戦略 等 浦添市総合交通戦略(H25.2) 展開・ 反映 自転車関連 ・安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン 浦添市自転車ネットワーク計画 (国土交通省・警察庁,H24.11) ・那覇都市圏内における自転車ネットワーク整備 計画(沖縄総合事務局,H25.3) 図 1-1 浦添市自転車ネットワーク計画の位置づけ 2 第2章 自転車ネットワーク計画の検討フロー 自転車ネットワーク計画は、平成 24 年度に策定された「安全で快適な自転車利用環境創出ガイ ドライン(国土交通省・警察庁)」に基づき、図 2-1 のフローで検討する。 本計画で検討は、既存路線と新設路線(事業中路線及び構想路線)を対象に実施する。構想路線 については自転車ネットワークの効果発現を考慮して、浦添市総合交通戦略、浦添市道路整備プロ グラムで示された道路ネットワーク(概ね 10 年後)を対象に検討を実施する。ただし、本計画策 定後に計画を見直す場合においては浦添市交通基本計画で示される長期の道路ネットワークの計 画の熟度を考慮する。 協議会での検討項目 市民ニーズの把握等 平成 浦添市における自転車利用を取り巻く概況把握 年度 市民の自転車利用に関するニーズの把握 25 市民の自転車利用に関する ニーズ調査 ・ 市内全域にアンケート調査を 実施 ・ 2 月上旬に配布 基本方針、計画目標の設定 走行会・意見交換会 ・ 市内居住者、通勤者等を対象 自転車ネットワーク計画の作成 に自転車を利用した走行会を 平成 自転車ネットワーク路線の選定 年度 整備形態の選定 26 実施 ・ 走行会後は参加者と意見交換 会を実施し、自転車利用の問 題点等を把握 ・ 2 月中旬に開催 個別路線の詳細な構造等の検討 PI の実施 ・ 作成した「浦添市自転車ネッ 自転車利用ルールの徹底 トワーク計画(素案)」に対 する PI を実施 ・ 平成 26 年度実施 自転車利用の総合的な取組 図 2-1 浦添市自転車ネットワーク計画の検討フロー 3 第3章 自転車ネットワーク計画の基本方針、計画目標の設定(案) 3-1 自転車ネットワーク計画の基本方針(案) 5 3-2 自転車ネットワーク計画の計画目標(案) 自転車利用ネットワーク計画は前述の課題を踏まえ、浦添市交通基本計画で定めた基本方針の分 類別に自転車ネットワーク計画の基本方針と計画目標を設定する。 図 3-1 基本方針と計画目標 7 第4章 自転車ネットワーク路線の選定(案) 4-1 自転車ネットワーク要件 4-1-1 自転車ネットワーク要件の検討方針 浦添市における自転車ネットワークの候補路線が各要件を満たしているか検討する。 ① 地域内における自転車利用の主要路線としての役割を担う、公共交通施設、学校、地域の核と なる商業施設及びスポーツ関連施設等の大規模集客施設、主な居住地区等を結ぶ路線[主要路 線の役割] 検討方針:平成 22 年交通量調査結果による自転車交通量を用いて、250 台/日の路線を自転車の 主要路線として選定する。また、道路ネットワークと施設の位置図を重ね合わせ、当 該要件に該当するか検討する。これらのいずれかに該当する路線を抽出する。 ② 自転車と歩行者の錯綜や自転車関連の事故が多い路線の安全性を向上させるため、自転車通行 空間を確保する路線[安全性向上] 検討方針:平成 22 年交通量調査で歩行者交通量が 500 人/12h 以上が通行する錯綜が考えられる 。これらのい 路線。自動車の規制速度が 50km/h を超過する路線(自転車分離が必要) ずれかに該当する路線を抽出する。 ③ 地域の課題やニーズに応じて自転車の利用を促進する路線[自転車利用促進] 検討方針:混雑度 1.5 以上の道路に該当する路線を抽出する。走行会で指摘された問題点への対 応策として自転車の通行空間が必要とされる路線。これらのいずれかに該当する路線 を抽出する。 ④ 自転車の利用増加が見込める、沿道で新たに施設立地が予定されている路線[利用増加見込み] 検討方針:浦添市交通基本計画及び浦添市総合交通戦略で位置づけられている各種交通結節点 (総合交通結節点、広域交通結節点、都心結節点、都市軸交通結節点)への自転車で のアクセス性を高めるため、各種交通結節点までの道路を対象に選定する。 ⑤ 既に自転車の通行空間(自転車道、自転車専用通行帯、自転車専用道路)が整備されている路 線[既に整備空間あり] 検討方針:浦添市内では該当する路線はない。 ⑥ その他自転車ネットワークの連続性を確保するために必要な路線[その他連続性確保] 検討方針:①~⑤までの要件を重ね合わせたネットワークを基本とする。このネットワークの連 続性を確保するために必要な路線を抽出する。 8 4-1-2 自転車ネットワーク要件 (1) 要件① 地域内における自転車利用の主要路線としての役割を担う、公共交通施設、学校、地 域の核となる商業施設及びスポーツ関連施設等の大規模集客施設、主な居住地区等を結ぶ路線 [主要路線の役割] (a) 自転車交通量が 250 台/日の道路 平成 22 年度の道路交通センサス及び、浦添市交通基本計画において行った実態調査の結果を用 いて、自転車交通量 250 台/12h 以上の路線を選定する。 図 4-1 自転車交通量が 250 台/12h の道路 図 4-2 自転車交通量(平成 22 年) 9 (b) 主要施設に隣接する道路 自転車利用が多いと想定される施設として、以下の施設を選定し、各施設に隣接する道路を選定 する。 公共施設 大型商業施設 観光施設(浦添市観光協会で紹介されている歴史、文化施設) 高校・専門学校 図 4-3 主要施設と隣接する道路 (c) 対象道路 自転車交通量、及び施設配置のいずれかの要件を満たす道路を図 5-5 に示す。 図 4-4 要件①を満足する道路 10 (2) 要件② 自転車と歩行者の錯綜や自転車関連の事故が多い路線の安全性を向上させるため、自 転車通行空間を確保する路線[安全性向上] (a) 歩行者交通量が 500 人/12h 以上の道路 平成 22 年度の道路交通センサス及び、浦添市交通基本計画において行った実態調査の結果を用 いて、歩行者交通量 500 人/12h 以上の路線を選定する。 図 5-6 歩行者交通量が 500 人/12h 以上の道路 図 4-6 歩行者交通量(平成 22 年) 11 (b) 自動車の規制速度が 50km/h を超過する道路 規制速度が 50km/h 以上の道路を図 5-8 に示す。なお、浦添市道路整備プログラムを参考に将来 的に 50km/h 以上となることが見込まれる道路についても、対象とする。 現況の速度の規制図を図 5-9 に示す。 図 5-8 規制速度 50km/h 以上の道路 図 4-8 速度規制図(現況) 12 (c) 対象道路 歩行者交通量及び自動車の規制速度のいずれかの要件を満たす道路を図 5-10 に示す。 図 4-9 要件②を満足する道路 13 (3) 要件③ 地域の課題やニーズに応じて自転車の利用を促進する路線[自転車利用促進] (a) 混雑度 1.5 以上の道路 混雑度 1.5 以上の道路に該当する路線を抽出する。ここで、市道においては観測による混雑度の 確認が困難であるため、配分交通量に基づく混雑度により評価を行う。 図 5-11 混雑度が 1.5 以上の道路 図 4-11 混雑度図(平成 18 年ネットワーク 交通量配分) 14 (b) 市民のニーズ 走行会で指摘された問題点への対応策として自転車の通行空間が必要とされる路線を抽出する。 図 5-13 自転車の通行空間が必要とされる道路 (c) 対象道路 混雑度及び市民のニーズのいずれかの要件を満たす道路を図 5-14 に示す。 図 4-13 要件③を満足する道路 15 (4) 要件④ 自転車の利用増加が見込める、沿道で新たに施設立地が予定されている路線[利用増 加見込み] 浦添市内は、沖縄都市モノレールの延長が事業化され、国道 58 号における基幹バス導入に向け た計画が策定されており、自転車利用に関するニーズ調査から交通結節点への駐輪施設の整備によ って公共交通の利用促進につながることが期待される。また、キャンプキンザーの返還後の跡地に おいてもあらかじめ自転車通行空間を整備することで過度な自動車依存を行わないまちづくりを 目指すことが重要であると考える。 これらを踏まえ、過年度に策定した浦添市交通基本計画及び浦添市総合交通戦略で位置づけられ ている各種交通結節点(総合交通結節点、広域交通結節点、複合交流交通結節点、都心結節点、都 市軸交通結節点)への自転車でのアクセス性を高めるため、各種交通結節点までの道路を対象に選 定する。 図 4-14 要件④を満足する道路 (5) 要件⑤ 既に自転車の通行空間(自転車道、自転車専用通行帯、自転車専用道路)が整備され ている路線[既に整備空間あり] 浦添市内では自転車の通行空間が整備されている道路はないため、該当する路線はない。 16 (6) 要件⑥ その他自転車ネットワークの連続性を確保するために必要な路線[その他連続性確 保] 以上を踏まえ、要件①~④を重ね合わせた評価結果を基本に連続性に配慮して自転車利用ネット ワークを形成する。また、現況の道路ネットワークに加えて、整備予定の道路を対象にして自転車 ネットワークを作成する。検討結果を図 5-16 に示す。 図 4-15 要件⑥を満足する道路 17 4-1-3 自転車ネットワークの選定(案) ① 地域内における自転車利用の主要路線としての役割を担う、公共交通施設、学校、地域の核となる商 ③ [自転車利用促進] 業施設及びスポーツ関連施設等の大規模集客施設、主な居住地区等を結ぶ路線 [主要路線の役割] ② ④ [安全性向上] 自転車の利用増加が見込める、沿道で新たに施設立地が予定されている路線 [利用増加見込み] 自転車と歩行者の錯綜や自転車関連の事故が多い路線の安全性を向上させるため、自転車通行空間を 確保する路線 地域の課題やニーズに応じて自転車の利用を促進する路線 ⑥ その他自転車ネットワークの連続性を確保するために必要な路線 [その他連続性確保] 18 第5章 整備形態の選定(案) 5-1 整備形態の選定の考え方 歩行者、自転車の安全性、快適性の向上の観点から、路線ごとに交通状況(自動車の規制速度及 び交通量等)や道路状況(横断面構成)が変化する箇所を踏まえて適切な区間設定を行い、自転車 道、自転車専用通行帯等の自転車通行空間の整備形態を選定する。 具体的には、図 6-1 に示すフローに従い検討する。 図 5-1 交通状況を踏まえた整備形態の選定の考え方と分離に関する目安13 13 安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン(国土交通省・警察庁,平成 24 年) 20 図 5-2 整備形態のイメージ14 14 安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン(国土交通省・警察庁,平成 24 年) 21 5-1-1 整備形態の選定 路線別の整備形態(案)について、図 6-3 に示す。なお、図 6-3 は、浦添市総合交通戦略で整理されている道路の整備状況を反映させている。 22 図 5-3 路線別整備形態(案) 5-2 整備可能な当面の整備形態の検討 道路空間の再配分、道路拡幅、及び規制速度の抑制などによる整備形態の変更が困難な場合は、 早期に自転車ネットワークの機能が発現されることを優先し、十分ではなくとも整備可能な当面の 整備形態について検討する。 浦添市自転車ネットワーク計画において、既存の市道における選定結果は「B.自転車専用通行帯」 または、「C.車道混在」となる。ガイドラインにおいては、自転車通行帯が選定され、その整備が 困難な場合の当面の整備形態として、以下のとおり示している。 自転車専用通行帯が選定され、その整備が困難な場合は、当面の整備形態として、車道混在を検討す るものとする。その場合、自転車の通行位置を示し、自動車に注意喚起するための路肩のカラー化、車 道左側部の車線内やバス専用通行帯に帯状の路面表示やピクトグラムの設置を検討するものとする。併 せて、自転車に対して左側通行、並進の禁止、自動車に対して自転車の保護、駐車の禁止等を徹底させ るために、通行ルールの周知等の安全対策を実施するものとする。なお、路肩のカラー化の検討は、歩 道と車道とが区分されている道路に限って実施するものとし、歩道のない道路では、自転車の通行位置 を示す方法としての路肩のカラー化は実施しないものとする。 当面の整備形態で整備した場合は、整備優先度に応じて、計画的に本来の整備形態で再整備するもの とする。 (安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン) 23 (1) 歩道のある道路における対策 歩道のある道路の対策においては、 「路肩・停車帯内の対策」及び「車線内の対策」があり、 本検討の対象区間において、ほとんどの区間が路肩幅員(側溝含む)0.5m となっており、下 「車線内の対策」であるピクトグラムの設置が考 記に示す 1.0m 確保が困難であることから、 えられる。 歩道のある道路においては、必要に応じて、自転車の通行位置を示し、自動車に自転車が車 道内で混在することを注意喚起するため、路肩や停車帯内のカラー化や車道左側部の車線内 に帯状の路面表示及びピクトグラムを設置することを検討するものとする。(写真Ⅱ-9,10 参 照) 路肩や停車帯内のカラー化や車道左側部の車線内に帯状の路面表示を設置する場合は、自転 車の通行幅を勘案し、幅員が 1.0m以上確保できる場合に実施することが望ましい。その際、 舗装部分の幅員は側溝の部分を除いて確保することが望ましい。なお、区画線「車道外側線 (103)」を撤去し、車道左側部の車線内にピクトグラムを設置することが考えられる。 24 (2) 歩道の無い道路における対策 歩道の無い道路の対策においては、 「帯状の路面表示」及び「ピクトグラムの設置」があり、 本検討区間においては、歩行者の通行空間を確保することにより、下記に示す 1.0m の自転 車通行空間を確保することは困難であることから、「ピクトグラムの設置」が考えられる。 歩道のない道路では、必要に応じて、自転車の通行位置を示し、自動車に注意喚起するため に、車線内に帯状の路面表示の設置やピクトグラムを設置することが考えられる。 帯状の路面表示により示される自転車通行空間は、自転車の通行幅を勘案し 1.0m以上確保で きる場合に実施することが望ましい。なお、自転車の走行速度が低い場合等、現地の交通状 況に応じて、75cm 以上とすることもできる。 路側帯は、自転車の通行が可能であるものの、主として歩行者の通行空間であるため、車線 内に自転車の通行位置を示す帯状の路面表示やピクトグラムを設置した上で、路側帯内に歩 行空間であることを示すピクトグラム等を設置することが考えられる。 25 第6章 個別路線の詳細な構造等の検討(案) 本章においては、前章で提案した自転車ネットワークに対し、自転車通行空間の整備について検 討を行った。 なお、自転車通行空間の整備においては、整備形態(A:自転車道、B:自転車レーン、C:自転車混 在型)にあわせた、段階的な平面及び横断の整備検討を行った。 ただし、「最終的な整備形態」に関しては、最終整備目標として示しつつ、各道路管理者の道路 事業と併せて整備していくことが望ましい。 自転車通行空間の段階的な整備の考え方(案) 現 自転車走行空間の整 備が、区画線の改修 や舗装着色のみで可 能な場合 (主に整備形態 C) 況 道路構造物の改修が発生するが、短 期間での対応が困難と考えられる場 合。(縁石及び側溝の移設 等) 今後、道路改良や道路整備等の事業 が予定されている場合 当面の整備対策 道路事業が実施される際に合 わせて、自転車走行空間の整 備を行う。 最終的な整備形態 27 整備形態選定フロー図 整備形態選定について考え方を整理した。フロー図を以下に示す。 図 6-1 整備形態選定フロー図 28 ■整備方針(案) 例として、組踊南線の整備形態を以下に示す。 組踊南線の場合、整備形態は B となる。当面の対策として、区画線の改修を行い車道の路肩をカ ラー化やピクトグラム等の設置によって自転車の通行位置を明示する。最終形態として、側溝の改 修を行い、W=1.0m の自転車レーンを設置する。 図 6-2 整備方針(案) 29 ■最終整備形態(案) 関係機関と調整を行い、概ね以下の整備形態(案)で自転車ネットワークの整備を進めていくものとする。 30
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