平成26年度 第4号

NPO 香取だより
訂正
平成26年度 第4号
平成27年
1 月発行
発行者 NPO 法人香取の地域福祉を考える会
理事長 中塚
博勝
〒287-0002 香取市北 1-11-18
TEL:0478-52-3888 FAX:0478-50-2881
E-mail
[email protected]
ホームページ
http://www.npokatori.jp
新たなる展望
副理事長
山本
一郎
日頃は私ども「香取の地域福祉を考える会」への多大なるご支援を賜り、有難く御礼申し上
げます。ありがとうございます。私どもの法人は、子ども、障がい者、高齢者の誰もが住み慣
れた地域でその人らしく暮らすことができる地域社会の実現をめざし、地域と密着した福祉活
動を行うことを目的として平成22年に設立されました。私は当法人の設立より役員を仰せつ
かっております。その由縁をご説明いたしますと、当法人が現在千葉県より運営委託されてい
る「中核地域生活支援センター香取ネットワーク」は、当時、旭市に本部を置く社会福祉法人
ロザリオの聖母会さんの運営でありました。時にロザリオさんの理事長でありました故細渕宗
重氏が「香取のことは是非香取でやりましょう!」と香取の福祉関係者に発破をかけ、現在の
中塚博勝理事長を中心として新たなる法人をつくる運びとなったわけです。私は中塚理事長が
長年施設長を務めてこられた大利根旭出福祉園を、元小見川町長の春日吉五郎氏とともに後援
していたご縁で地域の関係者として声をかけられ現職に至ったものです。
さて、当法人は、来年度より香取市より「地域活動支援センターおみがわ」の運営を委託さ
れます。現在の中核地域生活支援センター事業は地域の核となる相談支援機関ですが、一人一
人の生活の実際にかかわる一層の支援を深める事業として、障がいのある方の日中活動を支え
る仕事を行うことになります。法人の事業範囲が大きくなり、また活動拠点が増えることによ
って、法人の目的である地域における福祉活動を更に推し進めてゆくことができます。皆様の
ご理解とご支援を賜りたく宜しくお願い申し上げます。
ところで、香取でなく海匝地域の話で恐縮ですが、私が社長を務める「ちば醤油株式会社」
の旭工場の老朽化と生産集積化のため、26年8月をもって本社を移転し営業を終了しました。
旭市中心部に遊休地を作るに忍びなく、地域の活性化に役立てられないかと考えていたところ、
ロザリオの聖母会様のご協力を受け旭市街地の福祉と地域交流の拠点として整備する構想がで
きつつあります。その間、地元の方への周知ご理解を兼ねて、ロザリオさんのスタッフによる
イベントも実施されます。福祉の絆が広がっていく素晴らしさとそして地域社会の活性化の一
助となれば幸いと思っております。
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1 ―
◇ ケイ・ティ・グループ
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わたくし共ケイ・ティ・グループは平成9年より千葉県内で在宅介護事業を展開している企業です。
当グループ代表の『すべての人間に平等に与えられたものは、時間と心・・・』との考えのもとそれぞ
れのご利用者様がその人らしい在宅生活を送ることができるようなサービスの提供を行ってまいりました
が、さらに踏み込んで福祉にかかわる企業として、その〝時間と心〟を生かせる場の提供もするべきと考
えました。
昨今、障がいのある方への職場提供が企業に求められておりますが、なかなか進まない現状があります。
そもそも厚生労働省の言う〝障がい者の就職困難者〟とはどういう意味なのでしょうか?
わたくしどもは今まで多くの障がい者の方々に対してサービスの提供をおこなってまいりました。その
中で目にしてきたものは、いろいろな努力をされて障がいがあることを克服し、たとえば両手がご不自由
な方は足や口などを使ってパソコンの操作をして文章を打ったり絵を描いたり、ご自分のできることの幅
を広げられていました。そのような方々をたくさん見てきているなか、わたくしたちは障がいのある方が
就職困難であると決めつけてしまうのはいかがなものかと思っています。社会生活の適正さえ身につけれ
ば、障がいのある方でも企業に就業しご自分の力を発揮することが十分可能だと考えます。その実現のた
めにも、まず当グループのような業務を行っている企業が率先して障がい者の方に職場提供をすべきと考
え、現在2名の障がい者の方を雇用させていただいております。
当社の例を一部申し上げますと、Aさんは両下肢機能の著しい障害のある方で特別支援学校の卒業生で
す。現在当グループ本社の総務部で封筒印刷やパソコンによる表作成やシュレッター作業などの仕事に従
事していただいておりますが、就業上の問題点としては生活面を含む社会人(企業人)としてのマナーの部
分です。これについては職場内でも繰り返し指導をし、ご家族にも協力をお願い申し上げ現在対応してお
るところでございます。
Bさんも両下肢機能の著しい障害のある方で大学卒業生です。Aさんと同様当グループ本社の総務部で
領収書のチェックやパソコンや電卓を使ってのデーター集計などの仕事に従事していただいております。
この方の問題点は周りのスタッフとご自分の作業効率を比べてしまい、メンタル面で落ち込むことがたび
たびあります。これについては毎日その日行った作業とその時に自分が感じたことをノートに書いていた
だき、担当スタッフが必ず目を通し常にコミュニケーションをとり、出来ていることの確認をして褒める
(認める)ことによって少しずつ自信をもって次につながるようにサポートしております。
そしてスタッフ全員に〝何時、突然の事故等により、障がいのある身に自分がなるか分からない〟とい
う意識を十分に持たせることにより、自然にそれぞれの方の障害の特性を全員が共有しサポートし、少し
でも働きやすい環境の整備を心がけてまいりました。現在では日々いろいろな問題に直面してもスタッフ
全員で対応することによりさらに働きやすい環境に変革しつつあるのではないかと思っております。
少しずつではございますが両名とも目を輝かせ毎日生き生きと業務に励んでいただける環境が整いつつ
あると思います。
今後、障がいのある方を継続して雇用し、労働者として雇入れる企業が少しでも増え、障がいのある方
の活躍の場が広がることを心より願っております。
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2 ―
◇ 株式会社日本オフィスオートメーション香取工場
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電動ドライバーの音が鳴り響く工場内。株式会社日本オフィスオートメーション香取工場では、平成26
年8月より障がいのある方2名を雇用している。本社は、東京都江戸川区にあり、OA機器メンテナンス・
セットアップ・レンタル、ネットワーク工事、通信機器工事、太陽光、オフィス引越し等の事業を行ってい
るが、香取工場においては、リサイクル事業を担っている。
主な業務は、コピー機の解体及び分解した部品の分類。電動ドライバー等の工具を使用し、コピー機を金
属やプラスチック等に分解。その部品を種類ごとに分類し、リサイクルを行っている。香取工場の責任者で
ある荒井氏の思いから、障がい者雇用が始まり、その2名は会社の戦力として、日々業務を行っている。知
的障がいのあるHさんは、若く体力があるため、フルタイムの勤務。業務の指示を出す担当者を明確にする
ことで、戸惑うことなく、安心して業務に取り組んでいる。精神障がいのあるTさんは、体調面での配慮が
必要であるため、勤務時間を1日5時間とし、無理のないように取り組んでいる。また、2名ともコミュニ
ケーションが苦手であるが、周囲の理解と協力があり、生き生きとした表情で仕事に励んでいる。Hさんが
「仕事にやりがいがある。新しい仕事を覚えるのが大変だけど、いろいろと覚えたい」と話せば、Tさんも
「一つひとつ新しい仕事を覚えていきたい」と話し、前向きに取り組む姿が印象的である。
障がいのある方が、社員の一員として大切にされる会社。当たり前のことであるかもしれないが、株式会
社日本オフィスオートメーション香取工場のように、障がいのある方が共に働く仲間として大切にされる会
社が増えていくことを願う。
◇
医療法人社団
寿光会
栗源病院
◇
医療法人社団 寿光会 栗源病院では、障がいのある方の雇用を
平成23年度からスタートした。現在は2名の障がいのある方が看
護補助として仕事をしている。
雇用スタートのきっかけは、
「地域で働きたいと思っている方で
あれば障害があってもなくても一緒に働きたい」という栗源病院の
思いからだった。社内で障がいのある方を受け入れるための勉強会
を開催し、特別支援学校の進路担当者や就労支援機関に向けて職場
見学会を開催、その後特別支援学校の産業現場実習の受け入れを行ってきた。
看護補助の業務内容は、居室清掃やシーツ交換、配膳業務や入浴準備、水分補給の準備等とたくさんの仕事
がある。また入院されている方々にも心配りをしながら仕事を行う必要もある。最初は戸惑いながらも、2人
とも一生懸命に仕事に就いてくれている。
2名にそれぞれ①仕事をしていて大変なことは?②楽しいことは?③これから
の目標は?の3つのインタビューを行った。
仕事を始めて2年目のAさんは①「利用者さん一人ひとりの(希望や要望)に
応えることが大変。」と話す。②「仕事は仕事として切り替えてやっています」と
いうことを話された。3年目となるSさんは①「初対面の人が苦手ですが、仕事と
して頑張っています」という。また2人とも、③のこれからの目標については「栗
源病院で働き続けたいと思っています」と話された。
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3 ―
病棟担当の看護師長からも「看護補助といっても非常に多くの仕事内容があり、また労働者がなかなか
集まらない現状の中で、二人とも他の人と同じように仕事をしてもらっている。これからもがんばって欲
しいし、現場に必要な存在です。
」とお話いただいた。
仕事を通していろいろな成長を果たしている2名の自信に満ちた表情がありました。看護師長の「現場
に必要な存在です。
」という言葉が2名のその様子の裏付けをしているのだと感じました。
今回は県内で事業展開をしておられるケイ・ティ・グループ様、障害者就業・生活支援センター 香取
就業センターに取材協力をいただき、市内でも事業展開をしておられる株式会社日本オフィスオートメー
ション香取工場様・医療法人社団 寿光会
栗源病院様に障がい者雇用の現状をお話いただくことができ
ました。
働き方、暮らし方を含め誰もがその人らしく生活していくことができる社会を目指し、お互いに理解、協力
し、支え合っていく地域となりますことを願い今後も当法人としては周知活動等続けてまいりたいと思います。
11月18日に開催した第3回福祉講演会は『高齢者を地域で見守る』
~今できる介護予防・これからの課題~をテーマとして行いました。
香取市社会福祉課岩月氏から、昨今地域において近隣とのつながりが
少なくなっている中で、独居の高齢者が「見守りネットワーク」への登録をすることにより、民生委員児童委員や
新聞配達等の民間業者等がその方の見守りを行うことも、安心して生活できるような支援につながることや、香取
市高齢者福祉課長谷川氏からは、自分自身の身体をよく知り健康に気をつける、日頃から身体を動かすように心が
ける、姿勢を正しく保つ等の支える側も含めた介護予防におけるポイントについてお話いただきました。また特定
非営利活動法人おたがいさまの大澤氏からは、これからの
≪第4回福祉講演会のお知らせ≫
高齢者支援は市町村と地域住民が協力し必要な支援を考え
積極的に取り組んでいくことが大切であること、いわせ歯
科の東氏からは高齢者の誤嚥性肺炎予防のため摂食嚥下に
ついて専門の医師による指導が必要であり、その指導活動
の必要性を広く知らせていくことが大切との講演をいただ
きました。元気なうちから各々が介護予防を心がけ健やか
な毎日をごしましょう。
『子どもの福祉を守る』
○日 時 平成27年 2月10日(火) 13:30~16:00
○場 所 佐原中央公民館 3F 視聴覚室
○参加費 無料(どなたでも参加できます)
第 1 部 講演 『児童福祉施設のそれぞれの立場から』
第 2 部 パネルディスカッション
問い合わせ先 香取ネットワーク
0478-50-2800
NPO 法人香取の地域福祉を考える会
しょう。
◎
会
員
募
集
◎
NPO法人香取の地域福祉を考える会ではさまざまな福祉活動を行うため、多くの会員を募集しており
ます。是非お知り合いの方々をお誘い下さいますようお願いいたします。
会費納入につきましては、振込用紙(手数料不要)を用意しております。下記の表を参考に、通信欄の
お振込内容を必ずご記入願います。振込用紙の請求は法人事務局までご連絡ください。
0478-52-3888 担当 弓削めぐみ
正 会 員
年
額
賛助会員
年
額
寄
一口
1,000 円
総会の議決権を有します。
1,000 円(一口以上)
総会の議決権を有しません。
付
総会の議決権を有しません。
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