⑥自転車対策

駐輪場の民間委託
平成 17 年 7 月、豊島区巣鴨駅3施設、ナロック(300mm ピッチ) 自転車 69 台・バイク 6 台導入。管理代行
豊島区が平成12年度に放置自転車対策費用として投下した税金は約12億円。中でも巣鴨は池袋・大塚に次
ぐ放置駐輪地帯。今回、「指定管理者制度」を導入。巣鴨駅周辺の3つの区立駐輪場の運営・管理面を民間に
委託することを決定した。審査の結果NCDが選ばれ、民間ノウハウを活用した駐輪場として再スタート。
豊島区は、慢性化した放置駐輪の打開策として、平成14年1月に「放置自転車等対策税」の導入構想を発表し
た。これは区内に駅を持つ鉄道事業者に対して、駅周辺の放置自転車の撤去費用として一人当たり3千円を課
税するというもので、全国の行政自治体や鉄道事業者に大きな波紋を投げかけた。区としては、このような制
度の導入を検討するとともに、既設・新設駐輪場の整備を積極的に推進していった。
従来、自治体が所有する施設の管理・運営については「管理委託制度」が適用されており、自治体の出資法人
や公共団体などにしか認められていなかった。しかし、平成15年6月の地方自治法改正によって自治体から
指定された民間事業者も「指定管理者」として業務を代行できるようになり、区営駐輪施設の管理・運営に関し
ても、民間がそのノウハウを発揮することが可能。これを受け、豊島区は区営駐輪場の指定管理者を公募。
指定管理者選考には、応募説明会に参加した自転車駐車場関係団体50社のうち、10社が自社プランを提出。
単に駐輪システムをその場所に導入するだけでなく、巣鴨駅周辺の商店街や商業施設等周辺環境との関連性
も考えた街規模での解決型プランが受け入れられ、また、全国での実績⇒NCDが指定管理者候補
駐輪問題を解決しようと考えた時、ただ駐輪場を作ればいいかというとそうではない。その場所からは放置自
転車がなくなったとしても、街の他の場所に追い出した自転車が移動してしまうというケースも少なくない。つま
り、駐輪問題は、街全体の商業施設、鉄道、公有地等も含めたマクロな視点で把握し、解決プランを立てなけ
れば意味が無い。そんな総合コンサルティングという考え方に基づいたプランニング能力がNCDの強み。
他にも、外部監査機関を置き、セルフモニタリングを行って透明性の高い公正な運営を約束。管理者研修会・利
用者アンケート等を実施していくことで、常にサービスの向上に努める。また、公共の施設ということもあり、高
齢者・障害者などの社会的弱者、特殊自転車利用者を、人的、設備的に補助するというサービスを組み込んだ
り、夜間は常駐警備員を配置するなど、機械システムにマンパワーを融合させることで地域的な安全施設とし
ての役割も意識している。
3つの駐輪場それぞれの場所や状況に応じてシステムや料金体系を変え、綿密にプランを練ったことで設置後
は回転率が15%向上。放置自転車対策としての効果が着実に出始めている。
民間による運営の優れた点は、会社側としても運営を成功させなければビジネスとして成り立たないため、必
然的にサービスの向上に努めるということ。実際法の改正で指定管理者制度ができても、まだ民間企業指定の
ケースは全体の2割程度。多くは社団法人や財団法人が選ばれるという実情の中でこの成功事例は大きい。
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※ただし、設置状況、条件等によりご要望にそえないケースもございます。
※その他ご要望に応じて、お客さまによる「完全買取タイプ」、NCDが管理のみを行う「管理代行タイプ」などが
あります。お気軽にお問い合わせください。
Aロック
(設置間隔 400mm より)
ゆったり間隔の、使いやすさを追求したタイプです。
NBロック
wing
(設置間隔 300mm より) ミニ自転車にも対応し、
高い収納力を発揮します。
(バイク用) 大型バイクまでしっかりと駐輪することができます。
路上 2 例
平成18年から19年にかけ、巣鴨駅周辺の国道17号(白山通り)に、歩道の拡幅工事計画がもちあが
った。さらに同時期、道路法施行令の一部改正により歩道上駐輪場の設置基準が新たに決定された。
この2つを受け、指定管理者として巣鴨の駐輪問題に携わってきたNCDは、自主事業としてここに参加。
歩道上駐輪場の設置基準に基づき、歩道の幅、駐車場と歩道の境界縁石や柵の設置など、白山通り歩道上
自転車駐車場の設計、管理に関わる詳細な計画をたてた。
道路の駐輪場活用には道幅の広さが必要であるが、幅の広い国道などは国土交通省が管理しており、実際に
放置自転車対策を行っている市や区など、いわゆる地方自治体は関与できない状態だった。また、細かな設
置基準なども定まっておらず、実際の導入にはいたらなかった。そんな平成19年の今年、道路法施工令の再
度の改定により自転車をとめるための駐輪機器が郵便ポストなどと同じく道路の占有物として認められた。こ
れにより、地方公共団体や民間事業者などが道路上に占用物として駐輪機器を設置し、運営することができる
ようになったのだ。
前年(平成18年)の改正道路交通法の施行により自動二輪車の駐車違反取締りも強化されており、ユーザー
からの需要もおおいに見込まれていた。
⇒渋谷区 あおい通り[沿線/駅]JR山手線 新宿駅
導入時期 平成 19 年 6 月
導入機種 ナロック・NBロック 自転車 51 台・バイク 41 台
公開空地
大量の自転車が置かれていたのは、ノクティ溝の口の「公開空地」部分だった。公開空地とは、高層建築物
による景観悪化への対策として、ビルやマンションの敷地内に設けられたオープンスペースのことである。建
物側の私有地であるが一般の人々の自由な出入りが条件付けられており、ここを塀などで遮ったり建造物を設
置してはならないとされる。川崎市では当初、公開空地に駐輪場を作ることが認められていなかった。問題を
解決するためにはノクティ溝の口と川崎市が協力し、この条例を乗り越えることが必要だった。
NCDは埼玉県越谷市において、経済特区申請による国内初の公開空地の駐輪場設置を成功させていた。
今回もそれに基づきアドバイスを行ったところ、国土交通省より「屋根のない駐輪場は建造物にあたらず、神奈
川県の条例では公開空地への設置が認められる」という申請許可の回答を得た。
駐輪場の設置にあたりNCDは、川崎市、ノクティ溝の口の話し合いに参加し、今回の課題点を洗い出した。
その結果、「歩行者の安全の確保」「市営駐輪場の活性化」「買い物客の駐輪スペース確保」の3つが必要だと
された。この解決策として、NCDは公開空地部分の駐輪料金を最初の2時間半無料に、その後4時間ごとに1
00円と設定。駅利用者をより料金の安い市営駐輪場に誘導した。自転車が市営駐輪場に移動したことで、ノク
ティ溝の口利用者の駐輪スペースは確保された。駐輪ラックの設置により点字ブロックや通路をふさいでいた
自転車は整然と並び、歩行者の安全な通行も可能になった。運営方法はNCDによる一括管理「機器持込タイ
プ」を提案。
みぞのくち新都市株式会社 導入場所 [施設名]ノクティ溝の口 川崎市高津区溝口 1-3-1
[沿線/駅]東急田園都市線 溝の口駅/JR南武線 武蔵溝ノ口駅
導入時期 平成 19 年 2 月 導入機種 A ロック(350mm・400mm ピッチ) 自転車 318 台