Zakkaya Weekly No

Zakkaya Weekly No.972
Ryo Onishi
雑貨屋のひとりごと
クリスマスも終わり、2014 年ももうすぐ終わりです。
今年も一年、河合さん、成近さん、長尾さん、茶子
さん、毎週読み応えのある原稿を書いていただき感
謝しています。読者のみなさんも楽しんでいただけ
ていると思います。店主の私は相変わらず適当なこ
とを書きながら、毎週欠かさず雑貨屋ウィークリー
を発行できて大変うれしく思っています。来年は雑
貨屋ウィークリーが 1000 号の大台に入ります。信じ
られない数字ですが現実になりそうです。来年も毎
週発行を続けていきますのでよろしくお願いします。
どうぞ良いお年をお迎えください。≪R.O.≫
税の文字
当地(ロサンゼルス)を中心に発行されているバイリンガ
ル日刊紙である『羅府新報』は創刊 100 年以上を誇る新
聞です。この新聞の一面にあるコラム欄『磁針』に私は月
一度、定期的に原稿を寄稿しています。今年最後の私
の原稿を以下に添付させていただきます。文字数の制
限があり(860 字)思ったことを充分に書けないところがあ
り、いつもフラストレーションを感じながら原稿を送付して
います。
今回は 12 月 24 日の紙面に掲載されました。
*****************
『税の文字』
1年間の世相を漢字一文字で表す「今年の漢字」が発表
され、今年は消費税の増税が話題になったことなどを理
由に「税」という漢字だった。日本漢字能力検定協会が
その年の世相をあらわす漢字一文字を一般から募集し、
最も多かった字が選ばれたのだそうだ。今年は16万通
余りの応募の中からこの字が選ばれたのだそうだ。
12/28/2014
文字が現代の世相にまで反映している妙が評価された
ようだ。
日本は総選挙も終わり、政府与党による安定政権化が
一層、確立しつつある。安定の上にあぐらをかいて、なん
でも「税」に頼るのではなく、その前に政治が国民に約束
してきた「身を切る改革」を忘れないで実行していただき
たいものだ。
ただ、今回の選挙では投票率が衆議院選としては過去
最低だった。日本では大雪など、やむを得ない事情もあ
っただろうが、有権者が投票に行かないとは国民の権利
だけでなく、義務の放棄だ。私たち夫婦は当地で在外投
票に行ってきたが、こちらも投票率の低さが目立ってい
た。海外に住み、在外投票の登録がまだの人は今のうち
に登録手続きを進め、次回の選挙に備えよう。
今年の漢字で2番目に多かったのは、ソチオリンピックな
どで数多くの熱戦が繰り広げられたことや、デング熱や
エボラ出血熱に世間が騒然としたことなどを理由に「熱」
の字が、また3番目は「嘘」の字が選ばれたとのこと。来
年末はもっとポジティブで未来に希望のもてる漢字であ
って欲しい。
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河合 将介([email protected])
川柳 & コント (東京・成近)
( 川 柳 )
大銀杏結えて遠藤負けが込み
1 年間をまとめる漢字が「税」とは、いかにもネガティブな
発想で少々さびしい感がするが、これも世相を反映した
一般庶民の偽らざる心情なのかもしれない。
ASKAにはありのままにが歌えない
赤サンゴ我が物顔が押し寄せる
「税」という文字は古今を問わず常に庶民の生活とは切り
離せない文字のようだ。東京在住の私の実兄は4年前、
趣味の川柳で全日本川柳協会の年間大賞(文部科学大
臣賞)を受賞したことがあった。このときの受賞作は、『木
簡のここにも税の文字がある』だった。兄の説明によると、
この作品は、大会での課題の中の一つ「漢字」という題で
作ったものだったとか。古代中国で用いられた木簡は、
日本でも飛鳥時代のころから出土しており、古代の木簡
連れ立ってドラマを終えた健 文太
アベノミクス引き算知らぬ計算機
( ニュースやぶにらみ )
「生活の党、政党要件を満たす」
1
証左であろう。
太郎さまさまです -一郎
「今年の 10 大ニュース」
ひときわ輝いている -LED
「大臣交代」
守りが下手だった -江渡前防衛相
龍翁余話
龍翁余話(34 5)『老騏千里を思う』
毎年のことだが、年末になると“今年は自分にとってどん
な年だったか”を振り返る。頬がゆるんだり、顔を曇らせ
たり、胸を詰まらせたり、感謝したり・・・いろいろなことが
脳裡を走る。そして“明くる年”に思いを馳せる。
去る 19 日、都内のホテルで開かれたプロゴルファー青木
功(72)のプロ生活 50 周年を祝う会で、ライバルのジャン
ボ尾崎プロが青木プロに「老騏(ろうき)千里を思う」という
祝辞を述べた、との新聞記事を読んだ。ご承知の通り、こ
の言葉は「駿馬(英傑)は年老いても覇気は衰えず、たえ
ず遠大なる志を持っている」の意味で、中国盛唐期の詩
人・杜甫(712 年~770 年)の漢詩から抜粋されたものだ
が、実は、翁もこの言葉が好きで、すでに新年の書初め
に用意している(『老騏思千里』)。
杜甫よりずっと前に同じような言葉を残した英雄がいる。
『三国志』(中国の史書)の主要人物・劉備(中国後漢末
期から三国時代の武将、後漢滅亡後、蜀漢を建国して
初代皇帝となる、161 年~223 年)その劉備から“三顧の
礼”を受けて劉備の参謀となり、劉備親子をサポートした
諸葛孔明(渾名は“臥龍”、同時期の武将・政治家 181 年
~234 年)、その 2 人の敵役(悪役)に仕立てられている曹
操(同時期の武将・政治家・詩人、155 年~220 年)、そ
の曹操が残した言葉「老騏、櫪(うまや)に伏すとも、志は
千里に在り、烈士(れっし)の暮年、壮心(そうしん)己
(や)まず」がそれだ。年代的には曹操のほうが(杜甫よ
り)約 550 年も前だから、もしかして杜甫は曹操の詩の影
響を受けたのかも知れない。影響を受けた、と言えば、
俳聖・松尾芭蕉が杜甫を“我が俳句人生の師”と仰いだ
ことは有名。芭蕉の名句の 1 つに「夏草や兵(つわもの)
どもが夢の跡」というのがある。その句の前段に「・・・さて
も義臣すぐってこの城にこもり、功名一時の草叢(くさむ
ら)となる。国破れて山河あり、城春にして草青みたり(以
下、省略)と詠んでいる。これは杜甫の漢詩『春望』(国破
れて山河あり、城春にして草木深し(以下、省略)」をなぞ
ったものであり、芭蕉がいかに杜甫に心酔していたかの
話を戻そう――翁、友人たちから「龍翁さんを見ていると、
本当の元気なのか、カラ元気なのかわかりませんが、と
にかく元気ですね」と言われる。その度に翁は言う「壮心
(気力・志向)があれば、カラ元気もまた元気なり」と。加
齢と共に肉体の衰えはいかんともし難いが「気持ちが萎
えない限り、俺の余生はまだまだ捨てられぬ」というのが
翁の心情だ。とは言え、もう老域を彷徨っている翁、当然
のことながら“大志は遠くになりにけり”だ。身の程をわき
まえない野心は誇大妄想症でコッケイだし、みっともない。
しかし「やってやれないことはない」程度の“やる気”なら
持ち続けるに越したことはない。そのことに関して、翁の
自慢話を少し――
ゴルフをなさらない読者には申し訳ないが、青木プロの
50 周年にかこつけてゴルフの話を一席・・・翁がゴルフを
始めたのは、かなり遅い“50 の手習い”(実際は 48 歳)だ
った。
それでもゴルフ開始から 2,3 年は週 1 回(年間 50 回~
60 回)コースを駈け回った甲斐があって、オフィシャルの
ハンデキャップ(HC)が 2 年後には 20、以後 18、16、5
年後には 15 と、めきめきと腕を上げて行った。HC15 とい
うのは、アマチュアにしてはまあまあの腕前。自己流で始
めたゴルフだから、ボールはそれほど飛ばないが、グリ
ーン回りの上手さ、つまり、バンカーショット(砂場からの
脱出)やアプローチ(グリーンに近い所からグリーンに乗
せる技)そして仕上げのパッティングの上手さでスコアを
まとめていた。ところが古希を過ぎた頃から、突然、グリー
ン回りが下手になった。おまけにイップス病に罹り、アプ
ローチやパッティングが極不調に陥った。イップス病とは、
主に心理的不安によって自分の思い通りに体が動かな
い運動障害のこと。これではスコアがまとまるはずはない。
極不調の原因は(加齢だけではなく)2009 年 8 月以降の
度重なる手術によって極度に体力と“ゴルフ感”の衰えが
生じたか、とも思うのだが、ともかく長い間、翁が苦しむ様
子を仲間たちは憐みと優しさとで見守ってくれた。あれこ
れアドバイスもしてくれた。可笑しなことに、普段、威張り
くさっている翁だが、こと、ゴルフに関しては「龍翁さんっ
て、こんなに素直な人でしたか」と仲間に冷やかされるほ
ど謙虚になる。それは 1 にも 2 にも「上手くなりたい」一念
があるからだ。『老騏千里を思う』にはとうてい及ばないが、
『老龍の執念、十里を這う』というところだろう。
“やってやれないことはない”――最近、少しばかり復調
の兆しが見え始めた。バンカーショットは以前に戻った。
アプローチも怖さが消えた。イップス病からも解放された。
そうなると、ゴルフが更に面白くなる。ただ、パッティング
には難題がある。もともと近視の翁、老人になった今でも
老眼を必要としないが、近年、近視とともに乱視の度合
いが進んだ。勿論、眼鏡を買い替えているのだが・・・グリ
ーン上(パターでカップにボールを入れる所)の傾斜がス
2
ライス(右傾斜)なのかフック(左傾斜)なのか、上りなの
か下りなのかが分からなくなる時や、太陽光線によってボ
ールからカップまでピンボケが生じ、頭の中が混乱するこ
ともしばしば。だから(ボールからカップまでの距離が3m
以上ある時は)仲間に「どの程度のスライスか、フックか、
上りか下りか」を訊く。たいていM君やI君が教えてくれる。
結果はともあれ安心して打てる。本当に有り難いと思って
いる。
の人から感心された。自転車のマップをもらい見ど
ころのアドバイスを受け自転車の高さを調節しても
らいながら注意事項と使い方を簡単に教えてもらっ
た。平日で殆ど人がいなかったせいか係りの人は
“今日はいいや、まけてやるよ”と自転車のレンタ
ル代をディスカウントしてもらった。
振り返れば、やはり“感謝の 1 年”だった。ゴルフ仲間は
勿論のこと、交誼を重ねてくれる親友たち、新しく出会っ
た友人たち、翁の健康を支えてくれるドクターたち、そし
て大切な『余話』の読者各位、翁を取り巻く全ての人たち
に対して“感謝”いっぱいの 1 年であった。『老騏千里を
思う』は翁にはそぐわない言葉だが『老龍、友への感謝、
千里を往く』は正直な気持ち。何の返礼も出来ないまま
の年越し、せめて各位の(新年の)ご健勝を祈るのみ・・・
と、そこで結ぶか『龍翁余話』。
茶子のスパイス研究
森林公園サイクリング
先週、平日が休みの友人と、この寒い最中、都心(池
袋)から東武東上線の電車に揺られて東へ1時間ほ
ど行った所にある森林公園駅に行ってきた。途中、
電車の中から雪化粧した富士山がくっきり青空に映
えて綺麗だった。前々から行ってみたかった国営武
蔵丘森林公園のサイクリングコース。都内では狭い
道をひっきりなしに車や自転車が走りその隙間を人
が歩くので危ない。車の運転もカリフォルニアのド
ライバーライセンスだけではとてもとても東京では
通用しない。自転車でさえ都内を走るのはサーカス
並みの技が必要だ。時々道を歩いているとヒュッと
風を切って自分の脇を擦れ擦れで通り抜けていく自
転車に遭遇する。前にも後ろにも子供を乗せている
ママさんたちの自転車でさえ、かなりのスピードで
走っている。ボーっとして歩いてはいられないのだ。
東京ではボーっと歩いていると徘徊していると思わ
れてしまうほど目的を持ってスタスタと歩いていな
ければいけないような気分になってくる。今回、サ
イクリングにお付き合いしてくれた友人は仕事でも
プライベートでも普段から都内を自転車であちこち
走り回っているので慣れているが私は何十年ぶりの
自転車だったので車や歩行者を気にしないで走れる
サイクリングコース専門の道があるところを走りた
かった。森林公園駅に到着すると左手にバスの停留
所があって森林公園行のバス乗り場があった。ふと
見ると右手には自転車の貸し出し所があった。どう
せ自転車をレンタルつもりだったので私たちは公園
内では無く駅から自転車をレンタルして公園入口ま
で行ってみることにした。自転車のレンタルショッ
プに行くと“今日は寒いのに良く来たね~”と係り
そこから自転車に乗って森林公園の入り口まで15
分から20分ほど走る。流石に風は身を切るように
冷たい。だけれど空が真っ青でお天気が良く実に気
持ちがいい。久しぶりに広々とした自然の中で解放
感を感じながらペダルをこいで走っていった。この
駅から公園までのサイクリングコースも緑道が整備
されていて一方通行になっているので誰にでも走り
やすい。
森林公園の入り口が見えてくる頃には体がポカポカ
3
温まっていた。入口で入場チケットを購入してとり
あえず友人と記念撮影を公園のスタッフの方にお願
いした。流石に12月に入っての師走時に自転車で
公園を走る人はいなかったのだろう…やけにスタッ
フの人は親切だった。“せっかくだから、あそこの
前でも、それから、こちらもバックに入れるといい
ですよ”と親切にパチリパチリと私たちの写真を撮
ってくれた。“あ、手は V サインをした方が明るく
見えていいですよ” とポーズのアドバイスまでし
てくれた。
”ついでに、せっかくだから自転車も一緒に写真に
写しましょう”と大サービスしてくれた。”駅まで
帰る余力を残してサイクリングを楽しんできてくだ
さいね。”と係りの人に見送られて公園内に入って
行った。そこは、まるで私達だけの貸切りサイクリ
ングロードのようだった。途中立ち寄ったハーブガ
ーデンで初めて撮影用のカメラを持った2人組を見
かけた。トランポリンの遊び場でも通常は列が出来
るのに誰もいなかった。途中休憩にレストランに入
った時も店の人は注文を受けてから作っていたよう
で手作りのデザートと豆から挽いたコーヒーが出て
くるまでは結構、時間がかかった。レストラン内で
も家族連れの1組を見かけただけで公園内は本当に
静かな時間が流れていた。
総面積304ヘクタール、南北4キロ、東西約1キ
ロの公園内を約4時間走り、これで
久しぶりに筋肉痛になるかと思ったら全く筋肉痛が
無かった。と言う事はあの程度のサイクリングでは
殆ど筋肉を使っていないのだと言う事がわかった。
毎日自転車に乗って運動をしているつもりだった友
人は医者から血圧やコレステロールが高くなってき
ているのでもっと運動するように言われて”これだ
け自転車に乗っているのに”と頭にきたらしい。や
はり全身運動には、緊張感を持って自転車や車に気
を配り人にぶつからないようにさっさと都会の街中
を歩くのもいい運動になるのかもしれない。
茶子 スパイス研究家
Jazz を楽しむ-今週のアルバム
今年最後のジャズ紹介です。静かなアルバムにしよ
うかノリノリのアル
バムにしようか考え
てノリノリのジャズ
にしました。1961 年
にリリースされた
Hank Mobley の
"Roll Call"です。
Hank Mobley のア
ルバムはこのコーナ
ーではじめての紹介
となります。聴いて
いて違和感がないというか聴きなれた音が次から
次に流れてきます。それもそのはず、トランペット
は Freddie Hubbard、ピアノは Wynton Kelly、ベ
ースは Paul Chambers、ドラムは Art Blakey と最
近よく聴いているアーティストで構成されていま
す。Hank Mobley のテナーサックスよりほかのメ
ンバーのほうが目立っていることが多いなあと感
じるアルバムですが、ノリのいいアルバムで元気が
でます。このジャズはファンキージャズのジャンル
になります。
" Roll Call" Hank Mobley
01-Roll Call
02-My Groove Your Move
03-Take Your Pick
04-A Baptist Beat
05-The More I See You
06-The Breakdown
Hank Mobley - tenor saxophone
Freddie Hubbard - trumpet
Wynton Kelly - piano
Paul Chambers - bass
Art Blakey - drums
ジャズアルバム紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm
<R.O.>
編集後記
家の中でスマホを使って電話しようとすると、電波
が不安定で途切れることがあり困っていました。今
年の初めに携帯電話会社を代えてからこの問題が起
こるようになりました。携帯会社に連絡し家の電波
状況を調査してもらいました。高層階なので電波は
良いと思っていたのです
が、強い電波が四方から
入ってきて、それが互い
に干渉しあっているため
に起こる現象でした。電
波の品質を向上させるフ
ェムトセルという装置を
設置してもらいました。
(無料)これまでの不安
定さが嘘のように解消さ
れました。相談してよか
ったと思います。高層階
に住んでいる人は私と同じような問題を抱えている
と思います。モデム、LAN装置、WiFiに加えフェ
ムトセルが加わり、それぞれにくっついている電源
コンバータでコンセントが占領されています。
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ご覧いただけます。
http://www.zakkayanews.com/zwback.htm
Zakkaya Weekly No.972
雑貨屋 店主 大西良衛
[email protected]
雑貨屋ホームページ
http://www.zakkayanews.com/index.htm
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