NEWS RELEASE 2014年12月22日 【格付変更】 アイルランド 外貨建発行体格付: BBB+ → A- [格付の方向性:安定的] 自国通貨建発行体格付: BBB+ → A- [格付の方向性:安定的] 外貨建短期債務: a-2 → a-1 自国通貨建短期債務: a-2 → a-1 格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。 【格付理由】 競争力のある産業群に支えられた輸出に加え、内需も上向き、経済は早いペースで回復している。財 政収支は当初計画を大きく上回って改善し、政府債務残高は2013年をピークに減少に転じた。政府保証 債に係る偶発債務リスクも低下している。銀行部門の与信機能は徐々に回復しており、経済回復の足か せとなる懸念は薄れた。以上を踏まえ、外貨建及び自国通貨建発行体格付をA-に格上げした。格付の方 向性は安定的。 2014年第1四半期から第3四半期の実質国内総生産(GDP)成長率は、平均で前年比5%増となった。前 年の輸出低迷を招いた主要輸出品である医薬品の特許権失効の影響が薄れ、米国と英国経済の好調も後 押しとなり、輸出は力強く伸びている。投資が上向き、雇用情勢の改善を背景に民間消費もプラス成長 に転じた。内外需がバランス良く経済を押し上げており、政府の見通しでは2014年の実質GDP成長率は 4.7%に達する。経済の基調が大きく崩れるリスクは小さく、政府及び欧州委員会(EC)ともに2015年及 び2016年は3%台後半の成長を見込んでいる。 経済の好調を背景に、財政収支の改善が計画を上回るペースで進んでいる。政府は、2014年4月時点で は同年の一般政府財政赤字をGDP比4.8%に削減するとしていたが、最新の予測では同3.7%にまで抑制さ れる見通しだ。基礎的財政収支は小幅の黒字に転じる。 政府は財政収支の改善を受け、2015年に予定していた赤字削減策の導入を取りやめ、景気を下支えす るために減税など10億ユーロ程度の財政緩和措置を導入する。同措置を織り込んだECの予測では、2015 年の財政赤字は、政府予算見通しより若干悪化するがGDP比2.9%に抑制されるとしている。やや拡張的 な予算とはいえ、財政収支及び景気要因を除いた構造的財政収支は改善する見込みで、財政健全化を重 視する姿勢は保たれている。経済の回復とともに財政収支も緩やかに改善していくとR&Iではみている。 2013年末にGDP比123.3%に達した政府債務残高は、2014年末に110.5%に低下する見込みだ。基礎的財 政収支の黒字化や名目GDPの増加に加え、Anglo Irish BankとIrish Nationwide Building Societyを政 府が清算した上で統合し設立された、資産管理機関IBRCの負債返済が進んだ効果もある。銀行部門が抱 える不動産開発業者向け融資を引き受け、処理するために設立された国家資産管理機構は、総額302億 ユーロの政府保証債のうち約55%(166億ユーロ)を当初予定期限から2年前倒しで償還した。2016年ま でには8割を償還する計画で、政府保証債に係る偶発債務リスクは着実に低下している。 銀行部門の収益性や流動性は改善、資本の強化も進み、与信機能も徐々に回復している。銀行部門が 経済や財政の負担となる懸念は薄れたが、不良債権処理の進展には引き続き注意が必要だ。主要行の不 良債権比率は低下しつつあるとはいえ2014年6月末時点で24.8%と高く、特に住宅ローンの不良債権が大 きい。中央銀行は延滞している住宅ローン債権処理の数値目標と達成期限を各銀行に課し、これまでの ところ目標通りに処理が進んでいる。こうした取り組みが着実に進み、経済を一段と活性化できるか注 目していく。 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス本部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438 株式 会社 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 【格付対象】 発行者:アイルランド 名称 格付 格付の方向性 外貨建発行体格付 BBB+ → A- 安定的 自国通貨建発行体格付 BBB+ → A- 安定的 名称 2018年満期ユーロ建債 発行総額 (百万ユーロ) 6,000 発行日 償還日 格付 2007年10月23日 2018年10月18日 BBB+ → A- 名称 格付 外貨建短期債務 a-2 → a-1 自国通貨建短期債務 a-2 → a-1 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス本部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438 株式 会社 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 信用格付に関わる事項 信用格付業者 登録番号 株式会社格付投資情報センター 金融庁長官(格付)第6号 直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。 主任格付アナリスト 原 一樹 信用格付の付与について 代表して責任を有する者 神林 尚 信用格付を付与した日 2014年12月16日 主要な格付方法 ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16] 上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して います。 http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html 評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。 http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html 格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。 http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html 格付関係者 アイルランド 注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。 利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料 品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ れている資料であること。 情報提供者 格付関係者 信用格付の前提、意義及び限界 R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定 通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等 の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見 を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の 表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い かなる保証もしていません。 R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの 情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格 付を保留したり、取り下げたりすることがあります。 利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が 高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり ます。 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス本部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438 株式 会社 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc.
© Copyright 2024 ExpyDoc