がん検診に行こう!

がん検診に行こう!
NTT東日本札幌病院ドックセンター
綿野 敬子
日本人の原因別死亡割合
がん
30%
その他
43%
総数
1,142,407人
脳卒中
11%
心疾患
16%
(H21年;厚生労働省人口動態統計より)
健康を維持するための第一歩
いつかは自分も病気になる事を
認識する事から・・・
本日のお話
① 『がん』とは?
② がんを早く見つけるには
③ がんを予防する生活法
がんは、もともと自分自身!
紫外線
放射線
毎日たくさんのがん細胞ができるが
免疫細胞がこれらを、やっつけている
感染
たばこ
酒
免疫細胞
(リンパ球)
排除
逃げきったぜ…
1日に
約5000個の細胞が、がん化
1個のがん細胞が、検査で分かるほど
大きくなるには、10∼20年の歳月が必要
1cm
1個
2個
時間が経った分だけ
倍々に増える
4個
8個
1個のがん細胞が1cmになるまで
10∼20年
早期がんのうちに発見できる時間は、
たったの1年∼2年
1 cm
2 cm
1∼2年
死因別粗死亡率(人口10 万対)
300
がん
心疾患
脳血管疾患
(人)
200
100
0
(厚生労働省)
がんの発病年齢(全部位)
人口10万人対
3000
2500
男性
女性
2000
1500
1000
500
0
(国立がんセンターがん対策情報センター;2012年)
がんの年齢調整死亡率(部位別)
(国立がんセンターがん対策情報センター)
男性
120
60
100
50
80
40
60
30
40
20
20
10
0
0
1960
胃
1970
肺
1980
肝臓
1990
大腸
女性
人口10万人対
2000
膵臓
2010
前立腺
1960
胃
1970
肺
1980
1990
2000
2010
肝臓
大腸
膵臓
乳房
本日のお話
① 『がん』とは?
② がんを早く見つけるには
③ がんを予防する生活法
がんを探す方法
①がんの姿を探す
・・・触診、内視鏡、超音波、CT、MRI
②がんに侵された組織からの出血を探す
・・・検便、検尿
③がん細胞が作る特殊な物質を血液検
査などで測る
・・・腫瘍マーカー
がん検診の検査方法

胃がん
大腸がん

肺がん
・・・バリウム検査・胃カメラ・生検
・・・検便・バリウム検査・大腸カメラ
・生検
・・・レントゲン・喀痰検査・CT
(女性)
 子宮がん
 乳がん
・・・内診・超音波・細胞診
・・・触診・超音波・マンモグラフィー
(男性)
 前立腺がん
・・・触診・腫瘍マーカー

臓器別検診の成績
(平成17年度 地域保健・老人保健事業報告)
がん検診の種類
肺がん
乳がん
要精検率
要精検者の
がんの頻度
がん発見率
2.79%
1.70%
0.05%
14人に1人
8.91% 43人に1人
3.08%
0.27%
588人に1人
大腸がん
7.18%
2.31%
0.17%
胃がん
10.82%
1.38%
0.15%
子宮がん
1.20%
4.74%
0.06%
オカネのはなし
集団健診で検査
人間ドックで検査
検便(2日法)
¥400
大腸内視鏡検査
¥19,000 (参考)
病院で検査
大腸内視鏡検査
(健康保険、自己負担3割)
¥5,700
内視鏡治療と手術の費用比較
食道がん
胃がん
直腸がん
内視鏡
手術
内視鏡
手術
内視鏡
手術
¥68,000
¥735,000
¥49,700
¥426,000
¥67,400
¥442,000
*手術費用のみで、麻酔代・部屋代・食費などを含まず
がん検診にかかる費用
集団検診
人間ドック (参考)
¥700∼2,200
¥6,000
大腸がん検診
(検便2日法)
¥400
¥1,300
肺がん検診
(胸部レントゲン)
無料
¥2,100
子宮頸がん検診
(内診・視診・細胞診)
¥1,000∼1,400
¥3,260
乳がん検診
(触診・マンモグラフィー)
¥1,100∼1,800
¥8,180
胃がん検診
(バリウム検査)
(平成26年度:札幌市)
集団検診と人間ドックの比較
利
点
集団検診
人間ドック
・安価
・希望日に、同時に、複数
の検査を受けられる
・精密な検査も選択可能
・日時が指定される
・高価
欠 ・検査内容が決まっている
・おとなしく、無害ながん
点 ・ごく早期の病気は、見落
まで見つかってしまう
とす可能性がある
Q どうしてひとつの場所に対して
たくさん検査をするのですか???
(例えば、お腹に関しては、
腹部超音波検査・腹部CT・胃カメラ・大腸カメラ・・・・)
A 各々の検査方法によって、
見えやすい臓器・場所が違います
・・・・だから、腹部CT検査を受けたからと言って、
大腸の病気までは、通常見ることはできません。
PET (Positoron Emission Tomography) 検診
がん細胞は、活発に増殖するため
たくさんの栄養(ブドウ糖)が必要
PET単独 ¥75,000
PET-CT ¥86,250
(2014年3月)
ブドウ糖を放射線で標識し、
体に与えてその取り込み度合を見る。
CT
PET
PET−CT
PETの限界
栄養消費量 =腫瘍サイズ x 増殖スピード
・小さいがん
・増殖が緩やかながん
・大きくても平べったいがん
は写りにくい
異常がなくても高分布する臓器
・健常でもブドウ糖消費が多い臓器
・薬剤の排泄経路(腎臓・膀胱)
は、見えにくい
(健常者のPET像)
本日のお話
① 『がん』とは?
② がんを早く見つけるには
③ がんを予防する生活法
がん発生への推定寄与割合(日本人)
たばこ(能動)
19.5%
間接喫煙
感染性要因
飲酒
塩分摂取
肥満
果物摂取不足
野菜摂取不足
運動不足
0.6%
20.6%
6.3%
1.6%
1.1%
0.7%
0.6%
0.4%
(国立がんセンターがん予防・検診研究センター 予防研究部)
生活習慣と発がんの関連(1) – 日本人
全体
喫
煙
確実
↑
飲
酒
確実
↑
胃
食道 大腸
確実
↑
確実
↑
可能性
あり
↑
不十分
確実
↑
確実
↑
肺
肝臓
乳
確実
↑
ほぼ
確実
↑
可能性
あり
↑
不十分
確実
↑
不十分
(国立がんセンターがん予防・検診研究センター 予防研究部)
生活習慣と発がんの関連(2) – 日本人
全体
大腸
肺
肝臓
乳
不十分
ほぼ
確実
↑
確実
↑
(閉経後)
ほぼ
確実
↑
塩
分
肥
満
胃
可能性
あり
↑
不十分
ほぼ
確実
↑
(国立がんセンターがん予防・検診研究センター 予防研究部)
生活習慣と発がんの関連(3) – 日本人
全体
糖
尿
病
感
染
症
可能性
あり
↑
胃
大腸
不十分
可能性
あり
↑
確実
↑
(ピロリ菌)
肺
肝臓
子宮
不十分
ほぼ
確実
↑
不十分
可能性
あり
↑
確実
↑
確実
↑
(肝炎ウイ
ルス)
(パピローマ
ウイルス)
(肺結核)
(国立がんセンターがん予防・検診研究センター 予防研究部)
生活習慣と発がんの関連(4) – 日本人
野
菜
果
物
全体
胃
食道 大腸
不十分
可能性
あり
↓
ほぼ
確実
↓
不十分
可能性
あり
↓
ほぼ
確実
↓
肺
肝臓
乳
不十分
不十分 不十分
不十分
不十分
可能性
あり
↓
不十分
不十分
(国立がんセンターがん予防・検診研究センター 予防研究部)
死亡相対危険度
3.2
3.0
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
BMI
非喫煙者、302,233名
≧35.0
30.0∼31.9
32.0∼34.9
26.5∼27.9
28.0∼29.9
25.0∼26.4
22.0∼23.4
23.5∼24.9
18.5∼20.4
20.5∼21.9
男性
その他
癌
1.6
0.6
< 18.5
18.5∼20.4
20.5∼21.9
22.0∼23.4
23.5∼24.9
25.0∼26.4
26.5∼27.9
28.0∼29.9
30.0∼31.9
32.0∼34.9
35.0∼39.9
≧40.0
心血管
疾患
死亡相対危険度
< 18.5
肥満者では、様々な病気の死亡率が高い
2.4
2.2
女性
2.0
1.8
心血管
疾患
その他
1.4
癌
1.2
1.0
0.8
BMI
栄養や食事についての情報源
* 20歳以上の男女(複数回答あり)
男性
女性
1 テレビ・ラジオ
56.2%
1 テレビ・ラジオ
76.0%
2 家族
46.0%
2 雑誌・本
55.3%
3 新聞
32.8%
3 友人・知人
45.9%
4 雑誌・本
30.7%
4 新聞
41.0%
5 友人・知人
19.5%
5 家族
37.1%
(平成12年国民栄養調査、厚生労働省)
健康情報の信頼性を評価するための
ステップ

ステップ1 具体的な研究に基づいているか

ステップ2 研究対象はヒトか

ステップ3 学会発表か、論文発表か

ステップ4 定評ある医学専門誌に掲載された
論文か

ステップ5 研究デザインは

ステップ6 複数の研究で支持されているか
健康情報の入手先

国立健康・栄養研究所

国立がんセンター

厚生労働省

内閣府:食品安全委員会
がんにならないポイント

たばこを吸わない・禁煙する

食生活を見直す

お酒を控える

身体を動かす

適正体重の維持
禁煙・節酒・節食・運動・減量
による、がん予防
43%リスクが低下
女性で37%リスクが低下
男性で
男性 女性
100
86 86
72 73
80
68
61
63
57
60
40
20
0
0∼1
2
3
4
5
5つのうち実践した健康習慣の数
『健康でいること』は、
人生を快活に過ごす手段です
(健康オタクは、ほどほどに・・・)