2015 年 1 月 7 日(水)
第 10 回電磁気学 I 演習 解答
導体,誘電体中の静電場
1. D,  0 E , P の単位は[C/m2]です.これは電荷の面密度で, D は真電荷の面密度, P は分
極電荷の面密度に対応しています. 0 E  D  P なので,真空中では  0 E は真電荷の面
密度に対応しますが,
誘電体中では真電荷から分極電荷を差し引いた電荷の面密度に対
応します.したがって,真空中と比較して誘電体中の電場 E は小さくなります.なお,
電場ベクトルは正電荷から負電荷へと向かうベクトルであるのに対し,
分極ベクトルは
負電荷から正電荷へと向かうベクトルであることに注意しましょう.
(a)コンデンサ内部の真空部分を領域 1,誘電体部分を領域 2 とする.電束密度が境界面
で連続であるから, D1  D2   , E1   /  0 , E2   / 2 0 , P2  D2   0 E2   / 2 .
(b) コンデンサ内部の真空部分を領域 1,誘電体部分を領域 2 とする.   1   2 とお
く.電場が境界面で連続であるから, E1  1 /  0  E2   2 /( 2 0 ) .これから,2 1   2
と求まるので, D1   0 E1   1 , D2  2 0 E2   2  21 , P2  D2   0 E2  1 .
2.電位を求めるときは,基準となっている位置から電位を積分します.この問題では無限
r
遠の電位がゼロなので, (r )    E (r )dr とします.領域ごとに電場が異なるので,積

分領域をわけて計算しなくてはなりません.
2015 年 1 月 7 日(水)
2-1. 0  r  a において,
D  E  P  0, 
Q 1
1 1
(
  ).
4  0b b a
a  r  b において,
D
Q
Q
Q

Q 1
1 1
e ,E 
e ,P 
(1  0 )er , 
(
  ).
2 r
2 r
2
4r
4r
4r

4  0b b r
r  b において,
D
Q
Q
Q
.
e ,E 
e , P  0,  
2 r
2 r
4r
4 0 r
4 0 r
2-2.誘電体の内表面 r  a において,  
誘電体の外表面 r  b において, 
Q

(1  0 ) .
2
4a

Q

(1  0 ) .
2
4b

2-3.誘電体に誘起される全分極電荷が誘電体全体で相殺してゼロになるため.
3.誘電率 1 ,  2 の誘電体中の電場をそれぞれ E1 , E2 とする.境界面上では電場(の接線
成分)が連続であるから,境界面上の任意の点で,
E1  E2  E
よって,導体球の中心から同じ距離の点では,どこでも電場の大きさが同じになるよう
に電荷が分布する.つまり,誘電率 1 ,  2 の誘電体部分の電荷密度は異なることにな
る(それぞれ 1 ,  2 とする).
いま,球の中心から半径 r の球面を閉曲面としてガウスの法則を用いると,
 D  dS   E  2r
S
1 1
E  E1  E2 
2
  2 E2  2r 2  E  2r 2 (1   2 )  Q
Q
2r (1   2 )
2
また,電荷密度は,
1Q
2a (1   2 )
 2Q
 2   2 E2 |r  a 
2
2a (1   2 )
 1  1E1 |r  a 
2