総 説 - 京都女子大学学術情報リポジトリ

1
平 成6年12月(1994年)
総
説
糖 の 親 水 性 と疎 水 性1)
矢野
The
Hydrophilic
由起2),謝 名 堂 昌 信3)
and Hydrophobic
Nature
Yuki Yano and Masanobu
of Sugars
Janado
(+),D-Fnlctose(±)で
1.
は じめ に
あ る が,
nosamine,2-Deoxy
糖 は 基 本 的 に は ほ ぼ 同 数 のCH基
成 さ れ て お り,そ
とOH基
か ら構
う い う意 味 で は 疎 水 性 と親 水 性 を
を 含 め,他
D-glucose,3-Methyl
も,D-Glucoseの
一 見
の 強 さ(水
か らCon
A-Sepharoseへ
配 係 数)は
α一Methyl
D-man(1.10)〉
思 わ れ る が,各
(疎 水 性)が
水 性)が
圧倒 的だ と
糖 固 有 の 水 溶 液 物 性 にCH基
の効果
寄 与 しな い は ず は な い 。 水 溶 媒 中 の 糖
glc,
n-Man,
と他 の 物 質 と の 相 互 作 用 に お い て,OH基
の寄 与 は
>2-Deoxy
高 度 に 立 体 特 異 的 で あ る の に 対 し,CH基
の寄 与 は
Methyl
非 特 異 的 で あ り,ま
た 前 者 が 一 般 に エ ンタ ル ピ ー駆
動 で あ る の に 対 し,後 者 は エ ン ト ロ ピ ー 駆 動 で あ る 。
こ れ ら2つ
し,生
の 要 素 が 加 成 的 また は 相 互 増 幅 的 に 作 用
体 内 に み られ る高 度 な 特 異 性 が もた ら され る
も の で あ ろ う。
糖 の 甘 味 や,す
を 誘 発 す る 効 果 は,そ
胞 か ら イ ン シ ュ リン分 泌
れ ぞ れ,レ
セ プ タ ー との 水 素
結 合 形 成 に 基 づ く と考 え ら れ て い る が,各
確 な 差 が あ る 。 例 え ば,甘
糖 間に 明
味 はD-Glucose(0.7),
Aに
α一Methyl
n-gal,n-Gal(0.94)〉,Q-Methyl
の 順 と な り5),構 造 に よ っ て 敏 感 に 影 響 さ れ る こ と
が わ か る。
以 上 の よ うに,糖
は 水 溶 媒 雰 囲 気 中 で きめ 細 か い
立 体 特 異 性 を 示 す が,レ
セ プ タ ー やCon
分 で認 識 す るか は 不 明 で あ る 。 水 溶 液 中 に お け る糖
の 水 和 状 態 や,そ
が 多 く,数
の温 度 依 存 性 に つ い て は 不 明 な点
少 な い 水 溶 液 物 性 に 関 す る デ ー タ の解 釈
も 不 統 一 で あ る 。 以 下,糖
型 が,Lactoseで
と な っ て お り1),
水 溶 液 中 で の 溶 質 一 溶 媒,
媒 一 溶 媒 の 相 互 作 用,CH基
は α よ り β 型 が よ り強 い 甘 味 を 示
2.糖
2.1.糖
n-glucosamine(十),n-Mannose
の水 和
の水和 モデ ル
糖 の 水 和 に つ い て は,大
が あ る 。 そ の1つ
1)第7回
物 性 物 理 化 学 会 研 究 会(平 成 元 年6月30日
京 都 大 学 薬 学 部)の
講 演 要 旨 を 骨 子 とす る。
2)上 越 教 育 大 学 上 越 市 山 屋 敷 町1Joetsu
University
of Education
3)京 都 女 子 大 学
Kyoto
Women's
,
京 都 市 東 山 区 今 熊 野 北 日 吉 町35
き く分 け て2つ
の 考 え方
はStokesとRobinson(1966)6)
に よ っ て 提 出 さ れ た い わ ゆ る 単 純 水 和 モ デ ル(Simple hydration
model)で
とPatterson(1958)7)の
University
に基 づ
場 合 は βよ りも α
す2)。 イ ン シ ュ リ ン 分 泌 誘 発 効 果 は,D-Glucose
(十),N-Acetyl
Aが,水
た は 脱 水 和 した部
く糖 の 疎 水 性 に つ い て 考 察 し て み る 。
Fmctoseの
(α,β)n-glc(0.93)
Maltose(0,5),
Lactose(0.4)
D-
n-gal{0.99)
D-ga1(0.96)〉
溶 質 一 溶 質,溶
Galactose,
た,
の 見 掛 け の分
n-Galactose(0.4),n-Fructose(1.2),Sucrose(i),
Glucose,
の場 合
対 す る結 合
n-Glc(1.01)>6-Deoxy
D-glc,2-Deoxy
和 殻 の 形 で 糖 を 認 識 す る の か,ま
い 臓B細
D-glucose
効 果 は α 型 の 方 が 強 い4)0ま
植 物 性 レ ク チ ン の 一 つ で あ るCon
に 基 づ く効 果(親
D-man-
の 糖 は 全 く 効 果 を 示 さ な い3)0こ
2分 す る 位 置 に あ る と 考 え ら れ る 。糖 水 溶 液 中 で は,
,ox基
N-Acetyl
Franksら8)に
あ り,い ま1つ
はKabayama
考 え 方 に 基 づ い て,
F.
よ って 展 開 され た い わ ゆ る特 異 的 水
和 モ デ ル(Specific
hydration
model)で
あ る。
- 2ー
9号
食物学会誌・第 4
単純水和モデ、ルは,水和した糖分子が理想的にふ
るまい,従って糖溶液の理想状態からのずれは水和
した水の量を考慮するだけで説明できるとする考え
方である。このモデ、ルで、は水和を(1)式で表わし,
糖分子
(
S
)の n個の水和サイトが独立かつ同等,
(a)
即ち単一の平衡定数 Kで表わせると仮定している。
図1 S
p
e
c
i
f
i
ch
y
d
r
a
t
i
o
no
fam
o
n
o
s
a
c
c
h
a
r
i
d
e
.(
a
)
(1)式では, OH基の水和殻聞の相互作用は考膚さ
Ap
l
a
n
eo
ft
h
et
r
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y
m
i
t
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q
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a
t
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r
i
a
lOHg
r
o
u
p
so
fs
-D-glucose
[FromTaiteta
l
.(
R
e
f
.
8
)
:
]S
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u
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19
7
2
)
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e[FromS
u
g
g
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t(
R
e
f
.1
0
)
:JS
o
l
u
t
i
o
nChem.,5
,3
3(
19
7
6
)
]
れていない。しかしそれでも,たとえば, G
l
u
c
o
s
e
および S
u
c
r
o
s
eの水溶液の参透圧係数件の実測値は,
Ki-1
S
iー 1十 H20 ミ 二 主 S
i,(
i
=1,2,
…
,n
)
(b)
(1)
(1) 式 に そ れ ぞ れ 適 当 な K , nの値 (
G
l
u
c
o
s
e
:
u
c
r
o
s
e
:K=O.9
9
4,n=1
1
) を代
K=O.7
8
6,n=6;S
の O原子が水のトリジマイト構造の O原子の空間的
入して計算された値と,高濃度域まで,極めてよい
配置に適合する場合(たとえば C
1環の e
q
u
a
t
o
r
i
a
l
一致を示す九(ゅは溶液の理想状態からのずれを表
OH(
e
q
.
O
H
)基がそうである),これらの OH基は
わす lつのパラメータであり,たとえば水溶液中の
互いに協調的に水和し,糖分子のまわりにトリジマ
水の活動度 a
,との聞にゆ=一 (
5
5
.51m2) l
n
a,の関
イト構造を持った水和殻が形成されるとする考え方
係が成立する。ここで m
2は溶質の重量モル濃度を
である(図 1)。彼ら 11) は,糖水溶液が一見,理想
表わす。)このモデルは,水の水素結合形成が
的なふるまいを示すのは,過剰エンタルビーはH
E
)
S
u
c
r
o
s
e添加によって増加するというラマンスベク
と過剰エントロビー (TASE)の椙殺の結果,過剰自
トルの分析結果的とも一致しており,糖の水和状態
由エネルギー (AGE) がゼロに近い値をとるためで
をかなり定量的にとらえていると思われる。このモ
あり,従って AGEや活動度 aは上記の 2つの水和
デ、ルに従えば,たとえば s
D
g
l
u
c
o
s
eの場合,水和
モデ、ルのちがし、を敏感に反映するものではないと
q
u
a
t
o
r
i
a1方向に拡がった形を
殻はピラノーズ環の e
し別の方向からの検討を行った。たとえば,環状
とるものと考えられる。しかし糖の水溶液はこの
エーテル,単糖および類似のポリヒドロキシ化合物
モデルと合致しない挙動を示す場合がある。
の水溶液について行った無限希釈における見掛けの
一方, F
.Franksら8) は,高度に立体特異的な水
モ ル 容 積 持 , 膨 張 率 低 (=0
針 10T),圧 縮 率 佐
和モデ、ルを展開した。このモデ、ルは,糖の OH基
(=-0
持1
0
P
) などの測定がそれである(表 1)。彼
i
m
i
t
i
n
gV
o
l
u
m
e
t
r
i
cP
r
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p
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fCy
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si
nS
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u
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i
o
na
t5and2
50C
表1 L
約
cm3m
o
l
e
'
Mo
l
.w
t
.
THFA
THPA
R
i
b
o
s
eα
(戸
)
G
l
u
c
o
s
e(
as)
G
a
l
a
c
t
o
s
eα
(戸
)
Mannoseα
(s
)
α
戸
舟Meth
刊
y
1g
l
u
c
o
s
i
d
e
α
.
占
Met
也
h刊
y
1g
a
l
配
a
β
t
ω
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s
討
i
白
de
F
M
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t
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y
lg
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s
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e
1
0
2
1
1
6
1
5
0
1
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0
1
8
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1
8
0
1
9
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1
9
4
1
9
4
1
9
4
位
cm3m
o
l
e
-1d
e
g
-1
2
50C
1
50C
9
2
.
4 9
3
.
8
0
8
.
1
1
0
6
.
8 1
9
3
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5
.
3
1
0
9
.
5 1
1
1
.
9
1
0
.
7
1
0
7
.
7 1
1
0
9
.
2
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.
0
7
0
.
0
6
5
O
.1
1
5
0
.
1
2
0
0
.
1
5
0
50C
1
3
4
.
6 1
3
5
.
5
1
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.
8
1
3
2
.
8
0
.
0
4
5
THF
A
:T
e
t
r
a
h
y
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y
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h
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l
THPA:T
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2・c
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l
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.F
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,
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l(
R
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.1
1
)
:
]
.S
o
l
u
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i
o
nChem.,
,
1 3(
1
9
7
2
)
]
1
04O
K
cm3m
o
l
e
-Lb
a
r
-1
50C
2
50C
-22.7 +4.4
-28.6 - 2
.
0
-33.5 -13.0
-38.8 -16.0
-35.3
-29.2
-13.0
-5
.
9
平成 6年 1
2月 (
1
9
9
4年)
らは, (1) T
e
t
r
a
h
y
d
r
o
f
u
r
f
u
r
y
la
l
c
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h
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l(THF
A)と
Ribose,T
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-2
c
a
r
b
i
n
o
l (THPA) と
Hexose(
G
l
u
c
o
s
e,G
a
l
a
c
t
o
s
e,Mannose) の 併 の 比
3
与えられる。ここで, n
iは成分 iのモル数,
(
1
:I
d
e
a
l
)
i
l
J
E
=s]m
i
x ムJ
f
n
江
=~ni
較から,これらの糖の OH基の外に対する寄与は
lは成
(
l
-ji)ーエni(jf-ji)
(2)
エ
=ni(
l
-j
f
)
殆どゼロに近いこと, (2) s
Methylg
l
y
c
o
s
i
d
e
sの
併は相当する α
g
l
y
c
o
s
i
d
e
sのそれより大きいこと,
分 iの与えられた濃度(モル分率
(3) OH基,特に eq.OH基の導入によって,品
分モル量 (
o
J
/加
ム
XJ における部
tは,溶媒については純粋溶媒
がより小さくなることなどを指摘し,これらの特徴
の,溶質については無限希釈における性質(理想的
が糖の特異的水和モデ、ルに合致するものと結論し
ふるまし、)を保持した純粋溶質 (X
=l) の部分モ
i
た。確に, eq.OHが水の格子構造の中にそっくり
ル量,
取り込まれ,水の構造が協調的に安定化すれば,
ル量を表わす。 (2)式に従って,成分 i1モルに
OH基とりわけ eq.OH基の外に対する寄与が小さ
r
i
:成分 iの活量係数)と
ついて Gi-Gf=RTlnn (
くなることは容易に予想される。また,構造性が高
書けるから,それより次の 3つの関係が得られる。
く,かさ高い水成分が,構造性が低く,密度の高い
水成分に比べて膨張率 (
o
:
)および圧縮率(佐)がと
もに小さいと考えるならば, THFAよりも R
i
b
o
s
e
の,また THPAよりも G
l
u
c
o
s
e, G
a
l
a
c
t
o
s
eのり;
j
fは理想状態の成分 iの Xiにおける部分モ
ilGE=RT~nJnri
E=-(
i
l
S
oムGE/oT)
ilHE=ムGE-T(
o
i
l
G
E/
a
T
)
および佐がより小さくなっていることも理解でき
また,各成分の過剰部分モル量
る。更に, eq.OCH
M
e
t
h
y
lG
l
y
c
o
s
i
d
e
s
3基を持つ s
って与えられる。
の 持 が 相 当 す る α型の持よりも大きいこと(即
ち,構造性の高い水成分の増加)も特異的水和モデ
ルから予想されることである。しかし同じモデル
(3)
i
Tは (4)式によ
j~= (
o
ムJ
E
/
o
n
i
)
=l-jf
(4)
でもって,構造破壊子として知られている R
i
b
o
s
e
なお ,r
iは 実 測 さ れ た 穆 透 圧 係 数 。 (μi-μ:
の叫が構造促進性の G
a
l
a
c
t
o
s
eのそれよりかなり
+RTOlnX
,ここで μ
1は成分 iの化学ポテンシャ
i
小さくなっていることや, α・と s
M
e
t
h
y
lg
l
u
c
o
s
i
-
ノレ)から得られる。たとえば,水(i=1
) と非電解
d
e
sの佑の大きさが予想とは逆になっていること
質 (
i
=
2
) の 2成分系の場合 ,r
lはりを定義づける
r
2は, Gibbs- Duhemの式 c
(
6)
などを説明することはできないように思われる。こ
(5)式から,また
のように水和モデ、ルに対して敏感だと思われるこれ
式〕から得られる。
らのデータも特異的水和モデ、ルを決定づ、けるには至
7
0・
らない。その他, 1
NMR緩和,誘電緩和8) に関
するデータも特異的水和モデルを決定づ、けるもので
1
n
r
l= (
ゅ
ー1
) lnX1
ー
を dlnrl
dlnr2=
(5)
(6)
はない。 Harveyら1
2
)は,単糖の水および水一アル
参透圧係数ゅの測定法にはいろいろな方法がある
コール溶媒中における NMRスベクトルが互いに類
が,図 2, 3に示す宮嶋ら 1
3
)のデータは等圧比較
似していることから,この水和モデ、ルに対して疑義
法によって得られたものであり,筆者らのデー
を示している。以上のように,糖の水和像は現在な
お混沌としている。前述のように, i
l
H
Eと T
i
l
SEの
タ14) は諺透圧計による水蒸気圧の測定から得られ
たものである。
さて,糖溶液についてのムJ
Eゃ
J
Tのデータは少
l
G
Eは水和に対して敏感ではないが,
相殺によって i
E
i
l
H
Eと T
i
l
S から糖の水和像について考察すること
ない。宮嶋ら 1
3
)の G
l
u
c
o
s
e,G
a
l
a
c
t
o
s
e,Mannose
は有用である。
についての報告は数少ない系統的研究であって,糖
2
.
2
. 糖水溶液の熱力学的過剰関数
の水和について重要な手がかりを与えるものであ
熱力学的過剰関数s]
Eは溶液の理想状態からのず
る。ここでは, G
l
u
c
o
s
e水溶液(lkgH2
0,m モル
れを測定する量で,非理想溶液中での溶質一溶媒,
G
l
u
c
o
s
e
)についての結果のみを示すが(図 2,3),
溶質一溶質,溶媒溶媒の相互作用について重要な
G
a
l
a
c
t
o
s
e と Mannose もほぼ同じ傾向を示す。こ
情報を与える。s]E は,混合に伴う熱力学量 Jの変
化(ムJ
m
i
x
) が理想的な混合に伴うそれ(s]f
n
i
x
)から
れら 3つの糖に共通していることは, (1) i
l
H
E
E
, i
l
H
Eと T
i
l
S の相殺により i
l
G
Eは
>TilSE>uで
どれ程ずれているかを示す量で, (2) 式によって
ゼロに近い正の値を示し, (2) 多くの親水性溶質
- 4
食物学会誌・第4
9号
。
150
ι
〉
o
E -0.5
ー 1
00
o
0
u
E
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れ
』
O
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W~
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(
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5
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1
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m/mol kg-1
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2
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0
u
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i
t
i
e
sf
o
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図 2 Excess thermodynamic q
aqueousD
g
1
u
c
o
s
es
o
1
u
t
i
o
n
sa
t2
50C
.[From
K
.Miyajimae
ta
,
.
l (Re
f
.1
3
)
:B
u
l
l
. Chem.
S
o
c
.J
P
n
.,5
6,1
6
2
0(
19
8
3
)
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0
.
5
1
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1
.
5
mImolk
g
-1
2
.
0
a
r
t
i
a
1mo1are
n
t
r
o
p
yo
fwater(S~)
図 4 Excessp
i
n aqueous D
g
1
u
c
o
s
e,D-mannose and Dg
a
1
a
c
t
o
s
es
o
1
u
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i
o
n
sa
t2
50C
.[FromK
.Miyaj
i
m
ae
ta
,
.
1(
R
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.1
3
)
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l
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.Chem.S
o
c
.f
j
抑
.
,5
6
.
1
6
2
0(
19
8
3
)
]
ている。宮嶋らはさらに,
S
fの比較から(図 4),
水 構 造 形 成 能 力 の 序 列 が G1ucose>>Manose
G
f
-1.0
>G
a
1
a
c
t
o
s
e となることを示し,後 2者については
特異的水和モデ、ルから予想される序列と一致しない
-2.0
1ucose,G
a
1
a
c
t
o
s
e
ことを指摘している。即ち, G
E -3.0
及び Mannoseの eq.OH基の数の比は 1:0
7
8:0
.
7
1
ー
O
であるが,もし特異的水和が eq.OHによって促進
O
u
-4.0
されるのであれば, siの序列は G
lc<Gal<Manと
なることが予想されるからである。しかし, G
1
cと
ZL'E
。
h門
-5.0
Ga1'Manの差は大きいが, Ga1と Manの差は比
較的小さく, eq.OH基の数のみならず,その Cl環
0
.
5
1
.
0
1
.5
m/molkg-1
2
.
0
a
r
t
i
a
1mo1arf
r
e
eenergy,e
n
t
h
a
1
p
y
図 3 Excessp
ande
n
t
r
o
p
yo
fwateri
naqueousD
g
1
u
c
o
s
e
.[FromK.Miyajimae
ta
,
.
1
s
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1
u
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i
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sa
t2
50C
(
R
e
f
. 1
3
)
:B
u
l
l
. Chem. S
o
c
.J
p
n
., 5
6,
1
6
2
0(
19
8
3
)
]
上の位置による影響の可能性などを考慮すれば,上
記の序列が特異的水和モデルに相反するものと断定
することはできなし、。 Tay10rと Row1insonl6)は
,
G
l
cおよび s
u
c
r
o
s
e(
s
u
c
)の水溶液では共にIli<o
かつ
(
o
宜i
/
o
T
)<
<
0であることから,糖分子のまわ
りの水構造が通常の水構造よりも熱安定であるこ
と,また G
l
c と Sucの比較から前者のまわりの水
がそうであるように,混合の sGEはエンタルビー
構造がより安定であることを示唆している。これら
支配 (IsHEI>I
TsSEI) である。後述のように,水
の熱力学的データは概ね特異的水和モデルと合致す
の過剰エンタルビー及びエントロビーは共に負の値
るものと考えてよいであろう。
Eが共に正の値
を示していることから, sHE と sS
2
.
3
. α 配糖体と
F配糖体の比較
をとるのは,糖分子間の相互作用が水和によって極
筆者らは 14),糖の水和に関する考察を更に進める
端に弱められるためだと考えられ 15),それはまた水
ため, α
Methy1D
g
1
u
c
o
s
eと s
Methy1D
g
1
u
c
o
s
eの
和した糖分子聞の相互作用が極端に弱 L、ことを意味
無限希釈における部分モル容積
v
;
;と濃度
0
.
0
1m
r
2を測定し比較した。
している。一方,図 3からわかるように,水につい
から 0.2mまでの活量係数
ては亘i<TSi<oとなり, G
1ucoseの水和によって
2
0
貞岡ら 14) のピクノメトリーの結果によれば,町 (
水構造が G
1ucose濃度とともに増加することを示し
OC)については αが 1
3
2
.
9
2cm3mo1-1に対し ,sは
-5-
平成 6年 1
2月 (
1
9
9
4年)
表 2 α および s
-MethylD-glucosideの水溶
2
00C)
液中における活量係数 (
濃度 (
m)
α
F
0
.
0
1
0
.
0
2
0
.
0
3
0
.
0
4
0
.
0
5
0
.
0
6
0
.
0
7
0
.
0
8
0
.
0
9
O
.1
0
0
.
2
0
1
.
0
0
0
1
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0
0
0
3
9
1
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0
0
0
5
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1
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0
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0
1
1
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0
0
1
5
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0
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1
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.
0
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1
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1
.
0
0
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2
0
1
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0
0
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4
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1
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0
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1
.
0
0
0
8
0
1
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0
1
0
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.
0
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1
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1
6
0
1
.0
0
1
8
0
1
.
0
0
2
0
1
1
.
0
0
4
0
3
[沼野(文献 1
4
) :京都女子大学家政学部
平成 5年度食物学科卒業論文]
特異的な生理機能はレセプターとの水素結合によっ
て発現するが,その際,糖の疎水性は協調的または
非協調的な効果をもたらす。たとえば,
スと
Dーカ。ラクトースの甘みの差は
D-クールコー
C6の CH2基の局
部的な疎水性の差に ,D-フルクトースの強い甘みは
2つの CH2基の疎水性に基づくものと考えられて
いる 17L また, α・メチル
D・マンノシドのコンカナパ
リン Aに対する結合が
D-マンノースより強いこ
1
8
)
と
も疎水性の協調的効果に基づくものである。
一般に糖の疎水性は配糖体結合形成 (OH基の消去)
によって強められるが,特定のコンホメーションを
とることによって著しく増幅されることがある。た
とえばシクロデキストリンの環内は CH基の局在に
よって強い疎水性を示し,その中に多くの疎水性物
質を取り込み,いわゆる包接化合物を形成する。
さて糖の CH基に基づく疎水性は隣接の OH基の
親水性水和の影響を受けるため,アルカンのように
pが有意に大きく,また表 2に
示すように ,r
2についても Fの方が大きい値を示し
顕著な特徴を示きない。おそらく, CH基は大なり
た。これら 2つの結果も,また特異的水和モデ、ルか
の疎水性が,その CH基とパルグの水との接触によ
ら予想されることである。
って発現するものとすれば,各糖の疎水性の強さは
2
.
4
. まとめ
それぞれの水和殻の安定性に依存することになる。
1
3
4
.
6cm3mo1-1 で
小なり水和殻の中に埋もれていると考えられる。糖
以上に示したデータは,糖の C1環の eq.OH基
前節で、述べたように,糖の水和像はなお不明瞭であ
の増加に伴って糖分子を核にした協調的水和,即ち
るが,一応の結論として C1環の eq.OH基に水素
トリジマイト構造の形成が起こり,安定な水和殻が
結合した水分子間で更に水素結合が協調的に形成さ
形成されることを示唆してしる。しかし,単純水和
れるため, eq.OH基の増加とともに水和殻は大き
モデルと特異的水和モデルは必ずしも異質のものと
くかっ安定化すると考えてよいであろう。それ故,
みなす必要はなく,前者は後者の「協調性の低いケー
C1型の単糖の場合, eq.OH基が多いほど CH基の
ス」とみなすことができる。
バルクの水への露出の度合即ち疎水性が小さくなる
ことになる。即ち,糖の疎水性は OH基の立体配
3
. 糖の疎水性
置 ( 糖 の 種 類 ) に 依 存 し た と え ば 図 519) では右
3
.1
. 疎水性の要因
糖はほぼ同数の CH基と OH基から構成されてい
方向に疎水性が増大することが予想されるが,これ
は後述の実験結果と一致する(水溶液中のリボース
るが,一般的には OH基に基づく親水性が圧倒的
はかなりの割合でフラノース型で存在する)。一方,
に優位である。しかし後述のように糖と疎水性物
少糖や多糖の疎水性は構成単糖残基の構造のみなら
質との相互作用に関する熱力学的なデータは明らか
ず,配糖体結合の影響を受けるであろう。残基間の
に疎水性相互作用の関与を示す。多くの場合,糖の
結合様式によって, CH基が疎または密になる面が
β - o - g l c β ーo - g o l α - o - m o n β ーD-rib
o
o
p
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v
eh
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1OHg
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em
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1
e
c
u
l
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s
.
nm
図5 C
-6-
食物学会誌・第4
9号
形成されうるし,加えて各糖残基の水和殻聞の相互
ろう。
作用によって分子全体としての水和殻の安定性も影
ここで,疎水性溶質のノミノレクの水からゲル相への
響されるからである。事実,宮嶋ら 20) は,粘度の
;
)は,ゲルに対す
移行の自由エネルギ一変化(ム G
B係数の温度依存性およびマルトデキストリンの水
る吸着が極端に強い溶質については溶解度測定によ
和数の重合度依存性の測定結果から, α (
1
→4
) 配
4
)
,他は分配係数の測定によって
っ て 式 (7)から 2
糖体結合によって隣接する G
lucose残基聞の非協調
的な水和殻相互作用(分子内水和殻相互作用)の影
式 (8)から計算し 2
5
,2
6
)
,ム G; の温度依存性から
AH。を,次いで AS。を (AHO
-AG;)/Tによって概
響を示唆している。また,糖濃度が高くなると,糖
算 し た 。 式 (7)の Cg,Cwはそれぞれ疎水性溶質
分子聞の括抗的水和(非協調的な分子間水和殻相互
のゲルおよび水に対する溶解度,式(8)の K
a
vは
作用 21うにより部分的脱水和・ CH基の露出が起り
水からゲル相への分配係数, K
;
vはゲルの分子ふる
疎水性が増幅されることが予想される。以下,糖の
い効果のみが作用する時の分配係数を表わす。
疎水性に密接に関連すると思われる実験データを上
記の考え方に沿って考察してみよう。
3
.
2
. 水で膨潤したデキストランゲル中への疎水性
AG;=-RTln(Cg/Cw)
(7)
ふ
)
AG;=-RTln(Kav/K
(8)
さて,デキストランゲルで、ある SephadexG・
1
0,
溶質の溶解
この場合,水で膨潤したデ‘キストランゲルは高濃
G-15,G
2
5は膨潤時のグルコース残基濃度 (Ct) が
度のデキストラン水溶液(2成分系の水溶媒)とみ
それぞれ 59%,41%および 27%になるが,これらの
なされ,デキストラン鎖は一種の共溶媒成分とみな
A
B
)
2
41
,
ジ
ゲル中への疎水性溶質(アゾベンゼン (
される。一般に共溶媒効果は 2つの効果から成り立
メチルアミノアゾベンゼン (DMAB)2
4
)
, ドデシル
つ。その lつは水構造を促進または破壊する効果で
SDS)25
,1 1
・アルカノー
硫酸ナトリウムモノマー (
あり,いま 1つは溶質と共溶媒分子との相互作用で
ル2
6
)
) の溶解度は水に対するそれよりも大きく,そ
ある。(糖はそれ自体の特異的水和によって水の構
の効果はグルコース残基濃度とともに増大する(表
造形成を促進すると考えられている。)しかしこ
3)。そのことは,デキストラン濃度の増加ととも
れら 2つの効果を分離することは一般的には不可能
に非協調的な分子聞の水和殻相互作用による脱水和
2,2
3
L たとえば,水の構造を弱める共溶媒分
である 2
が起り,溶質ーデキストラン聞の相互作用が促進さ
子は,疎水性溶質を収容するための穴形成のエネル
れることを示唆する。これらの溶質の水から
ギーを小さくするとともに疎水性水和(アイスパー
SephadexG
10への移行のエネルギーパラメータ
グ形成)も抑制するが,同時に溶質との相互作用を
(
2
50C)は
, ABの場合 AG;=-2.2k
cal/mol,AH。
強めることにもなる。従って溶解の熱力学的パラ
=7
.3kca
l
/mo
l,ムSO=32e
.
u
.,SDS の場合 AG;=
メータはこれらの効果の合計を反映するものである
-2.0kca
l
/mol, AH=3.2kcal/mo
,
l AS=17.5
が,一般にエントロビー有利に基づく共溶媒効果は
・オクタノールの場合 AG;= -1.6kca
l
/mo
,
l
e
.
u
.,1
O
o
AH=3.4kcal/mol,AS=1
6
.9e札 で あ り , こ れ
疎水性相互作用の関与を示すものと考えてよいであ
o
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l
u
b
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l
i
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fazobenzeneanddimethylaminoazobenzenei
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nSephadexg
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d
e
e
)
x
G-10
G-15
G-25
G-50
G
1
0
0
G-200
Hzu
AB(mg/100mlH2
u)
fm
l)
(
g
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1
C
0
0
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3
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1
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.
9
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u)
0
2
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3
00C
3
50C
4
00C
200C
4
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0.14
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1
.4
1
.4
1
.
3
1
.4
1
.2
1
.
4
-200に対するそれとほぼ等しい
(注) ABおよび DMABの水に対する溶解度はそれぞれ SephadexG
7-
平成 6年 1
2月(19
9
4年)
らの移行過程に溶質
デキストラン鎖聞の疎水性相
表4 E
f
f
e
c
to
fTemperatureont
h
eS
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l
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b
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1
i
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y
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)o
f
互作用が関与していることを示唆している。上記の
O
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nC
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c
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dSugarS
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s22)
疎水性溶質とゲルとの相互作用は構造形成イオン
S
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tb
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00C
0 %Sugar
50%G
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.
2
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7
0
.
3
8
8
0
.
3
2
0
(NaC
l
)27,
2
8
) の存在下で強められ,構造破壊性分子
(NaSCN,CH30H,尿素)によって減少または消
失するが,それは疎水性相互作用に対する塩効
果29-35) の共通した特徴である。(構造的に乱れた水
の中ではアイスパーグ形成が抑えられる。)
3
.
3
. 疎水性溶質の水溶解度に対する糖の共溶媒効
a
U
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s, mg-g-1 H20
. bAl
lt
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fa50%s
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u
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.
果
SephadexG
I
0,G
1
5におけるデキストランの共
溶媒効果と比較するために,それらとほぼ同濃度の
糖水溶液へのオクタノール溶解度を測定した 22L 表
4に示すようにいずれの糖もエントロビー有利に基
小さい。おそらく,ゲル中で、は架橋によってデキス
づく正の共溶媒効果を示すが,ム G;=-(
0,
.
.
.
.
.0
.5
)
トラン鎖が見かけの濃度以上に密集する部分が形成
k
c
a
l
/mo
,
l sHo=O.8k
c
a
l
/
m
o
l
,
ムS
O=3.0e
.
u
.で
,
o
SephadexG
1
0の sG;=-1
.6
cal/mo
,
l sH=3.4
され,水溶液中に比較して糖分子の脱水和がより顕
著になるためであろう。また,共溶媒効果が,
k
c
a
l
/
m
o
l,ム SO=16.ge札に比較して,その効果は
G
l
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図6 S
-8-
食物学会誌・第4
9号
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一1
5
7
-526
1
8
2
-29
-124
-162
-205
-530
:
:
:
:
:
0
0
0
7
2
-172
-178
-215
6
1
2
a
)c
a
lmol-1.
残基聞の非協調的水和殻相互作用がその一因である
しく検討するため,ここでは糖の水からポリスチレ
ン・ゲル (PGゲル)への分配について実験・考察
と考えられる。
図 6は n
-オグタノールおよび芳香族炭化水素の
することにする。
i
b
o
s
eを除く他の単糖
である 23L 興味深いことは, r
3
.
4
.
1 単糖とポリスチレン・ゲルの相互作用 36)
表 6に 示 す よ う に , 各 単 糖 は PG ゲル (
B
i
o
-
はすべてアルキル鎖に対して負の共溶媒効果を示す
・
4
) に対してそれぞれ固有の分配係数
BeadsS
1
1
のに対し,分極率が高くかっかさ高い芳香族炭化水
素に対しては強い正の効果を示すことである。この
(
K
a
v
) を示し,その序列は (
G
a
l,G
l
c
)<Man<
Fuc<(
A
r
a,Xy
l
)<R
i
b<d
R
i
b<Fru お よ び Glc<
結果は糖と炭化水素との直接的な相互作用の重要性
1
1
a
l
t
o
s
e<M
a
l
t
o
t
r
i
o
s
e<M
a
1
t
o
t
e
t
r
a
o
s
e<M
a
l
t
o
p
e
n
-
を強く示唆するものである 22,
23L 式 (9)から計算
a
vの値は構造形
t
a
o
s
e<1
1
a
l
t
o
h
e
x
a
o
s
eであった。 K
成イオン (
C
1
) の存在下で大きく,構造破壊性イ
水溶解度に対する各単糖の共溶媒効果を示したもの
したナフタレンおよびビフェニルの水から糖溶液へ
の移行の ~G; を示したのが表 5 である。(ここで f
オン (
SCN-)の存在下では小さくなる。 2MLiSCN
は糖溶液中における炭化水素の活量係数。)
中では単糖聞の差はなくなり, K
a
vも小さくなる(分
~G;=RTlnf
(9)
~G; の温度依存性からわかるように,糖の正の共溶
子ふるい効果のみが残る。)これは疎水結合が SCN
の存在下で切断または弱められることと一致する。
この系の ~G; は前述の方法(式(
8))によって
媒効果はエントロビー有利によってもたらされるこ
得られるが,糖の B
i
o
B
e
a
d
sへの優位な分配が PG
とがわかる。また,この場合もマルトデキストリン
との結合だけに基づくものと仮定すれば, K
a
vから
のグルコース残基あたりの共溶媒効果は,重合度の
37L 即ち,糖の
結合定数を計算することができる 36,
増加とともに増幅された。各糖聞の正の共溶媒効果
K
a
v
)は分子
水から PGゲルへのみかけの分配係数 (
の 序 列 は , Glc<Gal<(
1
1
a
n
.A
r
a
. Xy
l
)<R
i
b
;
ふるい効果に基づく分配に加えて,糖 (
S
)と B
i
o
-
G
l
c<M
a
1
t
o
s
e<1
1
a
l
t
o
t
r
i
o
s
eであった。炭化水素の
Beads(
G
)の聞のはやい吸着平衡によって決まると
溶解度の増加が全て糖分子との結合によるものと仮
) で表すことができる。
考え,それを式(10
1ノ
、
、
S+G=SG
J
'
l
a
:0.113M-l,X
y
l
:0.110M-l,
0.28611-1,Ar
u
ハ
、
、
z
i
定 す る と ビ フ ェ ニ ー ル に 対 す る 結 合 定 数 はR
i
b
:
Man:0
.
0
9
4M-l,G
a
l
:0
.
0
8
2M-l,G
l
c
:0と計算さ
G(ポリスチレン鎖上の独立かつ同等な結合サイト)
れた。
と SGの活量係数は等しいと仮定できるから 38),吸
3
.
4
. 水溶液中における糖とポリスチレン (PG)
着の平衡定数 (K
ad) は次式によって与えられる。
の相互作用
これまでの実験から,疎水性溶質の水から糖溶液
SGl
Kad=ームことよー
[
S
][
G
]
(
11
)
への優位な分配,あるいは糖溶液への高い溶解度,
ここで [
G
]と [
S
G
]は糖が接近しうるゲル相中の空
は主として糖と溶質の疎水性相互作用に基づくもの
および Sによって占められたサイトのモル濃度を表
と結論された。糖と疎水性物質の相互作用を更に詳
し
, [
S
]はゲル中の遊離型の糖濃度 (
m
o
l
e
s
/
1
) を表
9-
平成 6年 1
2月(19
9
4年)
a
a
vo
fMonosaccharidesandM
a
l
t
o
d
e
x
t
r
i
n
sf
o
rP
o
l
y
s
t
y
r
e
n
eG
e
li
nWaterandS
a
l
tS
o
l
u
t
i
o
n
sa
t2
5oC
3
6
)
表6 K
Monosaccharide
H20
2MNaCl
4MNaCl
2MNaSCN
2ML
iSCN
G
a
l
a
c
t
o
s
e
G
l
u
c
o
s
e
F
r
u
c
t
o
s
e
Mannose
Fucose
Ar
a
b
i
n
o
s
e
X
y
l
o
s
e
R
i
b
o
s
e
D
e
o
x
y
r
i
b
o
s
e
0
.
5
5
0
.
5
6
0
.
6
2
0
.
6
2
0
.
9
0
0
.
6
8
0
.
6
8
O
.7
5
1
.0
7
0
.
6
1
0
.
6
2
0
.
6
7
0
.
6
8
1
.3
3
0
.
7
4
0
.
7
4
0
.
8
8
1
.
4
7
0
.
6
7
0
.
6
9
0
.
5
4
0
.
5
4
0
.
5
1
0
.
5
2
0
.
7
4
2
.
0
0
0
.
8
0
0
.
8
0
1
.0
7
0
.
5
7
0
.
5
5
0
.
6
0
0
.
5
8
0
.
7
4
0
.
6
0
0
.
5
7
0
.
6
3
0
.
8
2
M
a
l
t
o
d
e
x
t
r
i
n
H20
O.lMNa
c
1
2MNa
c
1
2MLiSCN
G
l
u
c
o
s
e(G1
)
Maltose(G2)
M
a
l
t
o
t
r
i
o
s
e(G3)
M
a
l
t
o
t
e
t
r
a
o
s
e(G
)
4
M
a
l
t
o
p
e
n
t
a
o
s
e(G5)
Maltohexaose(G6)
0
.
5
5
0
.
6
7
0
.
9
1
1
.0
1
1
.4
5
1
.8
5
0
.
5
5
0
.
6
7
0
.
9
4
0
.
6
2
0
.
8
5
1
.3
3
0
.
5
2
0
.
5
2
0
.
5
0
3
.
0
4
0
.
5
2
a
v(mol
l
-1s
m
o
l
l
-1ge
l
)
一1
a
U
n
i
t
so
fK
o
l
v
e
n
t
)・(
](独立かつ同等な結合サイトの
す
。 [G]+[
S
G
]=[G
o
らn
-ブタノールへの移行自由エネルギー (
s
G
;
)で
全濃度)であるから, [
S
G
]は次のように書ける。
ある。
]
a
d[
S
][G
o
[
S
G
] K
;
'
a
?
~;:'J L;;'~J
1+Kad[S]
(
1
2
)
.
I
.
sG;=RTln与 +RTln~
Ab
r
b
(日)
分配係数 (
K
a
v
) は Kav=(
[
S
G
]
+
[
S
]
)/
[
S
]exによっ
・ブタ
ここで Xw と Xb はそれぞれ糖の水および 1
て定義されるから (
[
S
]exは平衡時のゲル相外液の
ノールへのモル分率溶解度 ,
r
wと r
bは水とブタノー
糖濃度),式 (
1
2
) は次式に書替えられる。
bは lとみなせる
ル中で、の糖の活量係数を表す。 r
"
"
- (
~ad[GoL +1
)
[
S
]ex ¥1+K
a
d[
S
] '~/
(
1
3
)
ので,式(16
) の活量係数の項は RTlnrwによって
置き換えることができる。従って μ が,いくつか
[
S
]
/
[
S
]ex=K:
v (吸着のない場合の分配係数)と書
のへキソースについてそうであるように 13),糖の間
けるから, K
a
d[
S
]
<
<1となる糖の低濃度域では式
で大きく違わないとすれば,各糖の sG;の差,例
) は次のように書ける。
(
13
えば最も疎水性が弱 L、と思われるガラクトースとの
r
J
_
vL
)
Ka
,(
九 ーに
d= [
G
o
] ¥ K
;
v /
(
1
4
)
差
, 0(
s
G
;
)=(
s
G
;
)s
一(
s
G
;
)
g
a
lを概算することは
できる。
o(sG;)は式(17) によって計算され,そ
(事実,この系では,糖濃度 0.05-1%の範囲では K
a
v
の値はガラクトースの sG
t を Oとした場合の他の
は濃度に依存しない。)したがって,吸着の標準自
糖の sG;の相対値を示すことになる。
由エネルギーは次式によって与えられる。
。
1 (K
av-Ka
1
ムG:
=-RTlnr
1
一一一(
.I. "a~ro "
v¥
I
1
d
四
L[Go] ¥ K
;
v /
J
.
I
.
。
(
s
G
;
)=RT[
l
n
(
X
w
/
X
b
)
s
U
g
l
n
(
X
w
/
X
b
)
g
a
1
]
(
15
)
各糖について [
G
o
]はほぼ等しいとみなせるから
(
17
)
図 7からわかるように, PG親和性1n[
(
K
a
v-K:
)
/
v
-RTln[(K
)/K:
]を疎水性相互作用の自由
v
a
v一 K:
v
K:
G;(H20→n
-プタノール)は良い相関を示
v] と s
n
エネルギーのノミラメータとして,あるし、はまた l
し,糖の PGへの吸着にし、わゆる疎水性相互作用が
[
(
K
a
v-K
;
v
)/
K
;
v
]をポリスチレン親和性 (PG親和
関与していることを示唆している。
性)のパラメータとして用いた。糖の疎水性の指標
各糖のポリスチレンゲルに対する固有の K
a
vは
として使用したし、ま一つのパラメータは,糖の水か
OH基の立体配置に依存する水和殻の安定性ならび
9号
食物学会誌・第4
- 10-
-
D
e
o
x
y
r
i
b
/
CH2 の表面積,親水性表面積=水分子が接近可能
0
・の表面積。)すなわち,宮嶋らは各単糖
な OH,のポリスチレン親和性Cl
n
K
a
v
) と IndexAの聞に密
F
u
c
接な正の相関が成立することを示した。後述のよう
に
, l
n[
(K
;
v
)/
K
;
v
]v
s
.IndexA のプロットは
a
v一 K
ほぼ直線的である。
3
.
4
.
2
. メチル配糖体,デオキシ糖,ニ糖類とポリ
0
)
スチレンとの相互作用 4
ここでは,糖の CH表面積,配糖体結合および単
。
1000
2000
c
a
lm
o
l
-1)
-o(,~G;) (
3000
糖残基のポリスチレン親和性に対する影響を調べる
ため,メチル配糖体,デオキシ糖,グルコ 2糖,ヘ
図7 C
o
r
r
e
l
a
t
i
o
nbetweent
h
ep
o
l
y
s
t
y
r
e
n
ea
血n
i
t
y
6)
.Gt(H
0/BuOH)f
o
r
m
o
n
o
s
a
c
c
h
a
r
i
d
e
s
.3
andd
2
d(
d
.Gt) r
e
f
e
r
st
ot
h
et
r
a
n
s
f
e
rf
r
e
ee
n
e
r
g
yf
o
r
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a
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s
f
e
ro
fs
u
g
a
r
sfromwatert
on
b
u
t
a
n
o
l
.e
.,d(
d
.Gt)=ムGt
r
e
l
a
t
i
v
et
ot
h
a
to
fg
a
l
a
c
t
o
s
e,i
o
fs
u
g
a
r
sー
ム Gto
fg
a
l
a
c
t
o
s
e
.
テロ 2糖の PGゲルに対する K
a
vを測定した。表 8,
9から,全般的にいえることは, (1) OH→OCH3
および )CHOH
→ )CH
a
vが著しく
2 の置換により K
増加すること, (2) 2糖類の K
a
vは単糖類のそれ
より大きいこと, (3)K
a
vは 2MNaCl中で大きく,
50%メタノール中で、小さくなることである。前 2者
に CH表面積のちがし、を反映しているものであろ
は
, CH表面積の相対的な増加として説明され, (3)
う。これは,マルトデキストリンの PG親和性が重
は疎水性相互作用に共通した共溶媒分子の効果であ
合度の増加とともに著しく強められることとも一致
る。メチル配糖体の K
a
vの序列が,それぞれの相当
する。すなわち,マルトデキストリンはシクロデキ
する単糖の K
a
vの序列と一致することや,ヘキソー
ストリン環類似の CH局在面を作り出すと考えられ
a
vを持つ
スの中で最も大きい K
るからである。また,マルトデキストリンの PG親
a
vが比較的大きいことは,糖
含むヘテロ 2糖類の K
和性に対する塩効果は単糖類に対するそれと類似
の疎水性の加成的な性質を示唆するものであり,
D-フルクトースを
しかつ疎水性相互作用に対する塩効果の特徴と一
CH表面積が重要な要素であることを示すものであ
致する。表 7は,比較的大きな K町をもっ M
ethyl
る
。
x
y
1
0
s
i
d
eの PGへの吸着の熱力学的ノ ξ ラメータを
3
.
4
.
3
. 糖分子の CH表面積と疎水性40.41)
示したものである。 α,sともに発熱的であるが,
これまでに示したデータから,糖のポリスチレン
I
d
.Hゐ1
<I
Td
.S
;
dI
であり,これらの相互作用が主と
親和性(糖の疎水性)を決定する主要因が CH表面
してエントロビー有利に基づくことがわかる。
積,厳密には CH表面積と OHおよび 0
・表面積の
上述の実験結果は,前述の共溶媒効果のデータと
比,であることは明らかである。前述のように,単
ともに,糖の疎水性溶質に対する結合サイトが CH
糖の PG親和性, 1
n[(Kav-Kふ)/
K
;
v
],と I
n
d
e
xA
局在面であることを示唆している。この結論は,糖
の聞にはほぼ直線的な関係が成立する(図 8)。し
9
)によって提
の疎水性のパラメータとして宮嶋ら 3
かし,表 1
0,1
1にみられるように,溶液中における
唱された CH表面積に基づく指標 (
IndexA)によっ
コンホメーションの自由度が高いメチル配糖体や 2
て明確な根拠を与えられた。
糖類の場合,これら 2つのパラメータ聞の相関は不
明瞭になる。(表 1
0, 1
1の CHI
ndex40)は基本的に
水性
表面積
I
n
d
e
xA一 疎:::/~~
:-::-~,.,..::,: x1
0
0
親水性表面積
ndexA
3
9
) と同様に定義される量であるが, I
n
はI
(ここで疎水性表面積=水分子が接近可能な CH,
dexAの計算では OH基の自由回転が仮定されてい
表 7 Thermodynamicp
a
r
a
m
e
t
e
r
sf
o
rsugar-Bio-Beadsi
n
t
e
r
a
c
t
i
o
n(
2
00C
)
d
.G
;
d(
c
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l
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m
o
1
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)
AH
ゐCca1
jm
o
1
e
)
Td
.S
;
d(
c
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1
/
m
o
1
e
)
3
.
6
3
4
.
8
0
-3350
-3540
-1640
-1420
1
7
1
0
2
1
2
0
ρ
白﹂
d
d ,
一唱
しV
-qucu
一0 0
一XiX
一凶同
一L U L u
一同列
M叫
ATL&TL
一e e
vt 一
昭一日叫
r
L
S 一8・α
K
a
v
平成 6年 1
2月(19
9
4年)
表8
11-
K
a
vo
fM
e
t
h
y
l
g
1
y
c
o
s
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x
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l
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b
K
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b
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s
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l4
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るのに対し, CHI
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xは結晶の原子座標のデータ
( 型が
とはできない。 α
p型よりも疎水性が強いこ
(CAM) をそのまま使って計算さあれたものであ
とは, eq.OCH
3 を持つ後者の水和殻が前者のそれ
る。また α,sアノマ一平衡も考慮されていない。)
より安定であることとは一致する。)これには,い
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vより著しく大きいこと, α
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vは相当する戸型のそれより大きいこと,ラ
ミナリピオースの K
a
vが他のグルコ 2種類の K
a
vよ
りも大きいことなどを CHI
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xだけで説明するこ
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xA,
くつかの原因が考えられる。その lつは ,I
CHI
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xともに結晶の原子座標に基づいて計算さ
れたものであり,メチル配糖体や 2糖類の溶液中に
おけるコンホメーションは結晶のそれと大幅にちが
う可能性があること,その 2は,これら 2つの I
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2
食物学会誌・第4
9号
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から,これら 2つの Indexの中に水和殻の安定性
の寄与が全く含まれてないわけではない。)しかし
いずれにしろ,メチル配糖体,デオキシ糖,二糖類
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,
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を 1つのグラフ上にプロットすると(図 9)
n
[CK
;
v
)/
K
;
v
]と CHIndexとの聞にかなり良 L、
a
v K
相闘が見られる。従って,糖の疎水性は,主として
CH表面積と OHおよび・0・の表面積の比によって
C
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決まるものと結論される。メチル配糖体間あるいは
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2糖類聞のこまかし、 K
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vのちがし、は,分子内におけ
る水和の協調性・非協調性の差に基づく露出 CH表
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dexには各単糖の構造依存性の水和や,メチル基と
表面積,②親水性水和殻の安定性に依存し,③水溶
OH基間ならびに糖残基間の水和殻の相互作用が考
液またはゲル中の糖濃度の増加とともに著しく増幅
慮されていないこと,などである。(水分子が接近
される。一般に eq.OH基が多いほど親水性水和殻
可能な CH表面積が大きいほど eq.OH基の数が少
が安定であり,従って水分子接近可能な CH表面積
,従って水和殻が不安定になると考えられる
が小さくなり,疎水性は弱くなる。少糖や多糖分子
3
.
5
. まとめ
以上のことから,糖の CH基に基づく疎水性
CCH基とパルクの水との接触度)は,①各糖の CH
なく
3
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年)
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• •
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D-mannose,2
の水和殻の安定性は糖残基間の水和殻相互作用に影
は,ラミナリピオースがグルコ 2糖類中最も疎水性
響されるので,それらの疎水性は,単糖残基の種類
が強いこと,マンノースがアルド、へキソース中最も
のみならず,配糖体結合や重合度にも依存する。ま
疎水性が強いこと,糖の疎水性が重合度とともに増
た,糖濃度の増加とともに分子聞の非協調的(措抗
加し,ゲル状で、は更に増大することなどと,それぞ
的)な水和殻相互作用が顕著になり, CHの露出に
れ密接に関連しているように思われる。
よって疎水性が増幅される。特に,見かけの濃度以
糖の疎水性の工業的な応用に関する研究も進めら
上に糖鎖の密集する部分の形成が予想される架橋ゲ
CD)の
れている。たとえば,シクロデキストリン (
ル中で、は,濃度の効果は著しくなる。
環内は CH基の局在によって強い疎水性を示し,そ
4
.
の中にはアルカン,フェノール,ピリジン,ニトロ
糖の疎水性の栄養学的意味
最後に,糖の疎水性の栄養学的意義について少し
ふれておきたい。食物繊維の栄養学的価値は,血清
コレステロール上昇抑制作用や消化過程で、腸内にで、
きる胆汁酸の分解産物の吸着能などによって証明さ
れている。コレステロール上昇抑制作用は,海藻中
化合物などが包接されるが, CDのこのような性質
は,医薬物の安定化,可溶化,徐放化に,また食品
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