CASE REPORT 2

CASE REPORT
2
ステントストラット側枝病変に
Z-CHALLENGERのPushabilityが
有用であった一例(Bifurcation Lesion)
岐阜大学医学部附属病院 循環器内科
臨床講師 服部
Case
Target Lesion
N.M. 63 Male
RCA Distal Bifurcation Lesion
有博先生
Clinical Diagnosis
OMI、Post Aneurysmectomy、Post CABG
Present illness
平成9年ASO精査の際に心血管造影検査が施行され、
LAD近位部にて完全閉塞、
左室は瘤形成となり心尖部に血栓、
RCAに
も狭窄が認められた。
このため左心室瘤切除術およびRITA-RCA#3冠動脈バイパス術が施行された。
その後、
RITAの血流不
良のためRCAにPCIが追加されている。
平成12年の冠動脈造影以降経過観察となっていたが、
狭心症状再発。
心筋シンチにて
下壁に虚血が認められ、
平成21年7月再造影したところ、
LAD#6およびRCA#1にて完全閉塞(Fig.1)、
LCX#13から#4AVに
側副血行路が認められた。このためRCAのCTOに対してPCIを施行しSeg.1-3へSTENT(Taxus Liberte 3.0×24、
3.0×32、2.5×32)植込みに成功(Fig.2)、同10月にはさらに末梢のSeg.3-4PDにSTENT(Taxus Liberte 2.5x16)
植 込みを追 加、Seg.4AVとでKBT ( Tazuna1.5mm) を行っている(Fig.3.4.5)。平成23年5月再造影を行ったところ、
LCX#12は90%狭窄、RCA#4AVが99%と再狭窄を認めた(Fig.6)。そのためLCXにSTENT植込み行った後、引き続き
RCAにPCIを施行した。
Fig.1
Fig.2
Fig.3
Fig.4
Fig.5
Fig.6
Coronary Risk Factor
DM、
HTN、
HL、
Smoking
LVG
EF 33%、
EDVI 103ml/m2、
CI 3.01/min/m2
PCI System
左橈骨動脈アプローチ、
ガイディングカテーテル6Fr、
MACH 1 FR4.0、
マイクロカテーテル Corsair、
ガイドワイヤ Wizard 1
PCI手技
造影検査からのPCIとなり、
左橈骨動脈アプローチで6Frシステムにて手技
を行った。標 的 病 変は右 冠 動 脈 Seg.3 - 4PDステント植 込 み部 の 側 枝
4AV99%狭窄病変であった。
前回のPCI施行時にストラット越しに病変を
Fig.7
Tazuna1.5mmにて拡張しているが1年半経過しているためCorsairを
ガイド下にガイドワイヤWizard 1を使用し手技を開始した。
ガイドワイヤ
通 過には成 功したもののCorsairがステントjail部分を通 過せず、他社の
1.5mmバルーンに変更し通過を試みたがこれも通過困難であった。
サポート
ワイヤへの交換、
バックアップ強化のためのフレンチサイズ変更など考慮
したが、
ガイドワイヤ再通過の保証はなく見合わせた。
さらにサポートワイヤ
を4PD側へ挿入しAnchorテクニックを用い再度同バルーンの通過を試み
てみたが 通 過困難であった。そこで、同じ条 件下 でZ- CHALLENGER
1.5mmバルーンを進めてみたところ、
比較的抵抗なくストラットを通過し
病変拡張できたため手技を終了することができた(Fig.7.8)。
Key Words
bifurcation STENT jail lesion、
pushability
考察
Fig.8
前回のPCI施行時に拡張しているとはいえ1年半経過しているステント側枝の病変
(STENT jail)
であり、
ガイドワイヤ通過が
困難と予想されたためCorsairをガイド下にWizard1を使用した。
ワイヤー通過には成功したが、
その後のバルーン通過には
難渋し、
Corsairおよび他社製の通過性能が高いと思われるバルーンはステントストラットを通過できなかった。
ガイドワイヤ
のステントストラット通過部位が前回と異なる部位を通過している可能性、
Wizardのワイヤサポートの弱さなど原因は考えら
れたが、
システムの変更は行わずZ-CHALLENGERの使用を試みた。
Z-CHALLENGERは多少の抵抗感はあったが軽くス
テップする感じでステントストラットを通過し病変拡張でき本症例に有効であった。
まとめ
近年、CTO用の通過性能に優れたバルーンが各社で開発され、複雑病変であっても比較的手技が容易となっている。今回、
本症例のような厳しいステントストラット通過困難症例にもZ-CHALLENGERは有用であり、他社高性能バルーンと同様
に困ったときの頼れる1本に該当すると思われる。
販売元
〔本 社〕
〒105−0011 東京都港区芝公園2−4−1
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0112015
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