教育長の 「見る・聞く・語る」 月 日、済美小学校でタブレット端末を使った公開授業 があり、 市長・教育委員と一緒に教育長も参観しました。「『新 南都八景』を選定しよう」と題し、一人一台のタブレット端 末を使って自分が残したい奈良の風景をプレゼンテーション する授業でした。授業後、子どもたちにタブレット端末を使 うことについてどう感じているか聞いてみました。 4 児童生徒のみなさんへ あなたの将来の夢は? 山中教授のメッセージを読ん で、どのような感想をもちました か? 山中教授のグループが世界で初 めてiPS細胞を作り出したこと 山中教授は、ノーベル賞受賞後 に、「 失 敗 し な い と 成 功 は で き な い。高く飛ぶためには低くかがむ ことが必要だ。苦しいときに、も う一歩だけ前に行くことを考える こ と が 大 事 な の だ。」 と も 話 し て います。失敗が次への成功につな てくれています。 により、これまで分からなかった 病気の仕組みの解明や、新しい治 療方法の開発が期待されていま す。 このiPS細胞の研究には、数 えきれないくらいの失敗や挫折が 奈良市で学ばれた先輩を誇りに 思い、将来の目標や夢を大きく描 き、それに向かってチャレンジし ていきましょう。 が る こ と、 成 功 す る た め の 力 を しっかりと蓄えること、困難なこ とがあっても、くじけずに乗り越 えることの大切さを私たちに教え あ っ た そ う で す。 け れ ど も、「 病 気で苦しむ人を助ける」という明 確な目標をもち、あきらめずに研 究を続けてきたからこそ、偉大な 記事に対するご意見やご感想等がございましたら、下記までお知らせください。 奈良市教育委員会事務局 教育総務課 〒630-8580 奈良市二条大路南一丁目1番1号 Tel.0742-34-5297 Fax.0742-34-6917 おはよう おかえり こんにちは 声かけ 気にかけ 笑顔かけ 守ろう、 地域の子どもたち 毎月17日は 「子ども安全の日」 です。 【子どもたちの感想】 ◦発表の道具として、みんな 奈良市教育だより 『きらめき☆奈良』 では、 奈良市の教育を紹介します。 成果につながったのです。 (写真提供:京都大学 iPS 細胞研究所) に伝えやすいです。 ◦わからなかったことがあっ たら調べられて、とても便 子どもたちには夢があります。 未来があります。 可能性があります。 利で勉強がしやすいです。 ◦先生だけでなく、自分やみ んなも意見の中に入ってい 教育長の感想 子どもたちは、自分が推薦す る奈良の風景を、タブレット端 末等を使って上手にアピールし ていました。タブレット端末を 使 い 始 め て 一、二 か 月 で こ の よ うに使いこなしていることに驚 きました。自分の考えを伝えた り情報を共有したりしながら楽 し く 意 欲 的 に 学 ぶ 道 具 と し て、 iPS細胞研究所 研究棟 19 けます。 第 号 編集後記: 「きらめき☆奈良」の発行も2年目を迎え、第4号をお届けすることができました。目標を持ってがんばる子どもを これからも学校、家庭、地域それぞれの立場で応援していきましょう。 教育委員会のことは、奈良市ホームページをご覧ください。 (http://www.city.nara.lg.jp) 「V (ビジョン) &W (ワーク) 」 これは、私がアメリカのグラッドストーン研究所に 留学した際、当時の所長だったロバート・メーリー先 生からいただいた言葉です。メーリー先生は、 「研究者として成功する秘訣は、VWだ。人生にとっ ても大切なのはVWだ。」 と言いました。 VWとは、先生の愛車だったフォルクスワーゲンの ことではありません。Vとはビジョン、(Vision) つまり長期的な目標を指します。そして、Wはワーク (Work)、一生懸命働くということです。人間とし て成功するには、ビジョンとワークが必要で、どちら が欠けてもダメだと先生は仰いました。 日本人は、一生懸命働くこと(ワーク)が得意です。 夜遅くまで、土日も働く人が大勢います。しかし、い つの間にか目的を見失ってしまい、何のために一生懸 命働いているのかわからない状態になってしまうこと が多くあります。 当時、自分自身にもそのような自覚があったので、 この言葉は心に響きました。 奈良市で学んだ先輩として、後輩の皆さんにはこの 言葉を贈りたいと思います。一生懸命学ぶだけではな く、何のために学ぶのか、将来どんなことを実現した いのかを考えて、学生時代を有意義に過ごしてくださ い。応援しています。 京都大学iPS細胞研究所長 山中伸弥 (奈良市立青和小学校 昭和五十年三月卒業) 4 1 これらの機器を効果的に活用し ていくことは、これからの教育 私たちの大切な宝である子どもたちが、 自らの力で輝き、 地域や社会、 未来を照らす光となるように、 奈良市ではさまざまな教育を行っています。 に必要です。 オープンラボで実験を行う様子 山中伸弥教授から奈良市 の子どもたち へメッセージ iPS細胞 11 発行:平成25年12月 奈良市教育委員会 奈良市教育だより 環境にやさしい植物油インキと古紙配合率100%再生紙を使用しています。 学校・家庭・地域 で子どもに必要な力を! 小4 小5 小6 中1 中2 中3 奈良市では、知識の活用や説明する 力をつけるために、グループ学習や自 分たちで課題を見つけ、解決していく 学習を積極的に取り入れた授業を行っ ています。 子どもたちは、 タブレッ そのなかで、 ト端末をはじめとするICT機器を効 果的に活用し、教室で手軽に多くの情 報を手に入れたり、共有するなどして、 自分の考えをまとめ発信していく活動 に取り組んでいます。 また、これからのグローバル社会で は、英語でコミュニケーションをとる を系統的に把握・分析しています。 2)を実施し、学力や生活の状況 独自の調査(小4・小5・中1・中 奈良市では、国の学力・学習状 況 調 査( 小 6・中 3) に 加 え、 市 【知識の活用に課題】 となっています。国語においても 読書する子どもに比べ、低い結果 普段、家庭や図書館で全く読書 を し な い 子 ど も の 平 均 正 答 率 は、 たものです。 左のグラフは算数・数学の平均 正答率と読書時間との関係を表し 【読書習慣と学力】 今後の指導に生かしていきたいと さ ん に 情 報 を 提 供 す る と と も に、 学力に関係する要因を探り、みな ~ 分 この調査を今後も実施し、デー タを蓄積することで、より詳しく いると思われます。 たとえ短い時間でも読書習慣の あるなしが学力に大きく影響して 調査結果によると、奈良市の子 どもたちの学力は、全国と比較し 考えています。 方では、知識を活用したり相手に 40 ~ 分 全くしない 全くしない ~ 分 ~ 分 全くしない 読書習慣を身につけ、 考える力や集中力を育てます 50 説明したりする力に課題があるこ ~ 分 全くしない 60 60 とが分かりました。 40 ~ 分 50 30 60 60 30 知識の活用 基礎・基本 ~ 分 60 ~ 分 70 30 30 30 30 30 さらに、平均正答率は全国より も 高 い も の の、 将 来 を 見 据 え て、 (%) 80 10 10 10 10 自分から進んで学習に取り組んで いくという意識については課題が 見られました。 国際的な調査でも、日本の子ど もたちの学ぶ意欲の弱さが指摘さ れています。学習への関心・意欲 も学力の重要な要素です。 ついて、現在の小学5年生より下の 学年から実施する方針を打ち出して 60 同様の結果が見られました。 表れています。 活用の問題において、より顕著に さらに、この平均正答率の差は、 基礎・基本の問題よりも、知識の 〜将来を思い描きながら、がんばる子どもを応援していきましょう〜 中3 機会が今よりずっと多くなってきます。 70 て、どの学年も総じて高いが、一 奈良市と国の学力・学習状況調査より 中2 そ の 際 に 必 要 に な る の が 語 学 力 で す。 います。 80 算数・数学の平均正答率 中1 文部科学省も今後の小学校英語教育に 奈良市では、小学3年生から英語 に触れる機会として「ハローイング リッシュ事業」をすでに導入してい ます。今後も、カリキュラムの見直 しを図りながら、英語教育を充実さ せたいと考えています。 このように、ICTや英語を活用 しながら、自分の思いや考えをしっ かり伝えていく力をつけていくこと が、変化の激しい社会を生き抜く上 【数学】 30 30 小6 ICTや英語を活用しながら、 自分の思いや考えを伝える力を育てます (調査は、4月24日に実施。中1の調査内容は、小学校の学習内容が対象) で必要だと考えています。 【算数】 ︻知識の活用︼ 80 60 40 20 0 小5 ︻基礎・基本︼ (%) 小4 ※ICTとは、コンピューターやインターネット等の情報通信技術のことです。 30 全国 奈良市 小さい時から、本を読み聞かせ言葉に親 しませることは、本を好きになる子どもを 育てるうえでとても大切なことです。 家庭での読み聞かせのほか、親子で図書 館に出かけたり、同じ本を読んで感想を言 い合ったりして、家庭で読書を楽しむこと で、子どもたちにより深く知りたいと思う 心や、さらに続けて調べたいという意欲が 生まれ、考える力や、集中力が身につき、「豊 かな心」が培われます。 地域の一員としての自覚をもち、 将来を思い描く力を育てます 子どもたちは、地域住民をはじめ多くの 人とかかわることで、コミュニケーション 力、人との関係を作っていく力、自分の将 来を思い描き設計する力が身につきます。 そのことにより、自分が社会とつながっ ていることを実感します。奈良市では、地 域で決める学校予算事業や放課後子ども教 室などを通して、子どもたちと地域が触れ 合う機会を大切にしています。 2 3 (%) では では 80 60 40 20 0 では 1日の読書時間と平均正答率 家庭 地域 (%) 学校
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