(第4号)平成25年12月発行(1148KB)(PDF文書)

教育長の
「見る・聞く・語る」
月 日、済美小学校でタブレット端末を使った公開授業
があり、
市長・教育委員と一緒に教育長も参観しました。「『新
南都八景』を選定しよう」と題し、一人一台のタブレット端
末を使って自分が残したい奈良の風景をプレゼンテーション
する授業でした。授業後、子どもたちにタブレット端末を使
うことについてどう感じているか聞いてみました。
4
児童生徒のみなさんへ
あなたの将来の夢は?
山中教授のメッセージを読ん
で、どのような感想をもちました
か?
山中教授のグループが世界で初
めてiPS細胞を作り出したこと
山中教授は、ノーベル賞受賞後
に、「 失 敗 し な い と 成 功 は で き な
い。高く飛ぶためには低くかがむ
ことが必要だ。苦しいときに、も
う一歩だけ前に行くことを考える
こ と が 大 事 な の だ。」 と も 話 し て
います。失敗が次への成功につな
てくれています。
により、これまで分からなかった
病気の仕組みの解明や、新しい治
療方法の開発が期待されていま
す。
このiPS細胞の研究には、数
えきれないくらいの失敗や挫折が
奈良市で学ばれた先輩を誇りに
思い、将来の目標や夢を大きく描
き、それに向かってチャレンジし
ていきましょう。
が る こ と、 成 功 す る た め の 力 を
しっかりと蓄えること、困難なこ
とがあっても、くじけずに乗り越
えることの大切さを私たちに教え
あ っ た そ う で す。 け れ ど も、「 病
気で苦しむ人を助ける」という明
確な目標をもち、あきらめずに研
究を続けてきたからこそ、偉大な
記事に対するご意見やご感想等がございましたら、下記までお知らせください。
奈良市教育委員会事務局 教育総務課
〒630-8580 奈良市二条大路南一丁目1番1号
Tel.0742-34-5297 Fax.0742-34-6917
おはよう おかえり こんにちは
声かけ 気にかけ 笑顔かけ
守ろう、
地域の子どもたち
毎月17日は
「子ども安全の日」
です。
【子どもたちの感想】
◦発表の道具として、みんな
奈良市教育だより
『きらめき☆奈良』
では、
奈良市の教育を紹介します。
成果につながったのです。
(写真提供:京都大学 iPS 細胞研究所)
に伝えやすいです。
◦わからなかったことがあっ
たら調べられて、とても便
子どもたちには夢があります。
未来があります。
可能性があります。
利で勉強がしやすいです。
◦先生だけでなく、自分やみ
んなも意見の中に入ってい
教育長の感想
子どもたちは、自分が推薦す
る奈良の風景を、タブレット端
末等を使って上手にアピールし
ていました。タブレット端末を
使 い 始 め て 一、二 か 月 で こ の よ
うに使いこなしていることに驚
きました。自分の考えを伝えた
り情報を共有したりしながら楽
し く 意 欲 的 に 学 ぶ 道 具 と し て、
iPS細胞研究所 研究棟
19
けます。
第 号
編集後記:
「きらめき☆奈良」の発行も2年目を迎え、第4号をお届けすることができました。目標を持ってがんばる子どもを
これからも学校、家庭、地域それぞれの立場で応援していきましょう。
教育委員会のことは、奈良市ホームページをご覧ください。
(http://www.city.nara.lg.jp)
「V
(ビジョン)
&W
(ワーク)
」
これは、私がアメリカのグラッドストーン研究所に
留学した際、当時の所長だったロバート・メーリー先
生からいただいた言葉です。メーリー先生は、
「研究者として成功する秘訣は、VWだ。人生にとっ
ても大切なのはVWだ。」
と言いました。
VWとは、先生の愛車だったフォルクスワーゲンの
ことではありません。Vとはビジョン、(Vision)
つまり長期的な目標を指します。そして、Wはワーク
(Work)、一生懸命働くということです。人間とし
て成功するには、ビジョンとワークが必要で、どちら
が欠けてもダメだと先生は仰いました。
日本人は、一生懸命働くこと(ワーク)が得意です。
夜遅くまで、土日も働く人が大勢います。しかし、い
つの間にか目的を見失ってしまい、何のために一生懸
命働いているのかわからない状態になってしまうこと
が多くあります。
当時、自分自身にもそのような自覚があったので、
この言葉は心に響きました。
奈良市で学んだ先輩として、後輩の皆さんにはこの
言葉を贈りたいと思います。一生懸命学ぶだけではな
く、何のために学ぶのか、将来どんなことを実現した
いのかを考えて、学生時代を有意義に過ごしてくださ
い。応援しています。
京都大学iPS細胞研究所長 山中伸弥 (奈良市立青和小学校 昭和五十年三月卒業)
4
1
これらの機器を効果的に活用し
ていくことは、これからの教育
私たちの大切な宝である子どもたちが、
自らの力で輝き、
地域や社会、
未来を照らす光となるように、
奈良市ではさまざまな教育を行っています。
に必要です。
オープンラボで実験を行う様子
山中伸弥教授から奈良市 の子どもたち へメッセージ
iPS細胞
11
発行:平成25年12月
奈良市教育委員会
奈良市教育だより
環境にやさしい植物油インキと古紙配合率100%再生紙を使用しています。
学校・家庭・地域 で子どもに必要な力を!
小4
小5
小6
中1
中2
中3
奈良市では、知識の活用や説明する
力をつけるために、グループ学習や自
分たちで課題を見つけ、解決していく
学習を積極的に取り入れた授業を行っ
ています。
子どもたちは、
タブレッ
そのなかで、
ト端末をはじめとするICT機器を効
果的に活用し、教室で手軽に多くの情
報を手に入れたり、共有するなどして、
自分の考えをまとめ発信していく活動
に取り組んでいます。
また、これからのグローバル社会で
は、英語でコミュニケーションをとる
を系統的に把握・分析しています。
2)を実施し、学力や生活の状況
独自の調査(小4・小5・中1・中
奈良市では、国の学力・学習状
況 調 査( 小 6・中 3) に 加 え、 市
【知識の活用に課題】
となっています。国語においても
読書する子どもに比べ、低い結果
普段、家庭や図書館で全く読書
を し な い 子 ど も の 平 均 正 答 率 は、
たものです。
左のグラフは算数・数学の平均
正答率と読書時間との関係を表し
【読書習慣と学力】
今後の指導に生かしていきたいと
さ ん に 情 報 を 提 供 す る と と も に、
学力に関係する要因を探り、みな
~ 分
この調査を今後も実施し、デー
タを蓄積することで、より詳しく
いると思われます。
たとえ短い時間でも読書習慣の
あるなしが学力に大きく影響して
調査結果によると、奈良市の子
どもたちの学力は、全国と比較し
考えています。
方では、知識を活用したり相手に
40
~ 分
全くしない
全くしない
~ 分
~ 分
全くしない
読書習慣を身につけ、
考える力や集中力を育てます
50
説明したりする力に課題があるこ
~ 分
全くしない
60
60
とが分かりました。
40
~ 分
50
30
60
60
30
知識の活用
基礎・基本
~ 分
60
~ 分
70
30
30
30
30
30
さらに、平均正答率は全国より
も 高 い も の の、 将 来 を 見 据 え て、
(%)
80
10
10
10
10
自分から進んで学習に取り組んで
いくという意識については課題が
見られました。
国際的な調査でも、日本の子ど
もたちの学ぶ意欲の弱さが指摘さ
れています。学習への関心・意欲
も学力の重要な要素です。
ついて、現在の小学5年生より下の
学年から実施する方針を打ち出して
60
同様の結果が見られました。
表れています。
活用の問題において、より顕著に
さらに、この平均正答率の差は、
基礎・基本の問題よりも、知識の
〜将来を思い描きながら、がんばる子どもを応援していきましょう〜
中3
機会が今よりずっと多くなってきます。
70
て、どの学年も総じて高いが、一
奈良市と国の学力・学習状況調査より
中2
そ の 際 に 必 要 に な る の が 語 学 力 で す。
います。
80
算数・数学の平均正答率
中1
文部科学省も今後の小学校英語教育に
奈良市では、小学3年生から英語
に触れる機会として「ハローイング
リッシュ事業」をすでに導入してい
ます。今後も、カリキュラムの見直
しを図りながら、英語教育を充実さ
せたいと考えています。
このように、ICTや英語を活用
しながら、自分の思いや考えをしっ
かり伝えていく力をつけていくこと
が、変化の激しい社会を生き抜く上
【数学】
30
30
小6
ICTや英語を活用しながら、
自分の思いや考えを伝える力を育てます
(調査は、4月24日に実施。中1の調査内容は、小学校の学習内容が対象)
で必要だと考えています。
【算数】
︻知識の活用︼
80
60
40
20
0
小5
︻基礎・基本︼
(%)
小4
※ICTとは、コンピューターやインターネット等の情報通信技術のことです。
30
全国
奈良市
小さい時から、本を読み聞かせ言葉に親
しませることは、本を好きになる子どもを
育てるうえでとても大切なことです。
家庭での読み聞かせのほか、親子で図書
館に出かけたり、同じ本を読んで感想を言
い合ったりして、家庭で読書を楽しむこと
で、子どもたちにより深く知りたいと思う
心や、さらに続けて調べたいという意欲が
生まれ、考える力や、集中力が身につき、「豊
かな心」が培われます。
地域の一員としての自覚をもち、
将来を思い描く力を育てます
子どもたちは、地域住民をはじめ多くの
人とかかわることで、コミュニケーション
力、人との関係を作っていく力、自分の将
来を思い描き設計する力が身につきます。
そのことにより、自分が社会とつながっ
ていることを実感します。奈良市では、地
域で決める学校予算事業や放課後子ども教
室などを通して、子どもたちと地域が触れ
合う機会を大切にしています。
2
3
(%)
では
では
80
60
40
20
0
では
1日の読書時間と平均正答率
家庭
地域
(%)
学校