VA Oneを用いた 振動騒音解析の初期検討方法

Initial study method of vibration and noise analysis by using VA One
VA One を用いた振動騒音解析の初期検討方法
Katsuhiko Kuroda, Department of Mechanical Engineering, Nagasaki Institute of Applied Science
長崎総合科学大学 工学部機械工学科 黒田勝彦
Abstract / アブストラクト
振動音響シミュレーションソフトウェアである VA One を用いた解析手法とその事例を 2
件紹介する.どちらの事例も設計の上・中流段階,または構造変更時に使用されることを
想定したもので,VA One によるモデル構築,周波数応答解析結果を援用したものであ
る.
1 件目は,「振動源と振動源から評価点までの伝達寄与に関する SEA と逆行列 TPA の比
較手法」であり,これまで別々に扱われてきた伝達系に関する両手法をパワーの次元で
整理し工夫することにより,両手法の比較を可能にした.本手法の提案により,振動源と
振動源から評価点までの伝達寄与に関する予測精度とロバスト性の向上,および全周波
数域での振動騒音解析が期待される.
簡易な 2 要素の薄板構造から複数の薄板構造,はりを含んだ薄板構造,音場を含めた薄
板構造へ展開し,提案法の有効性を示した.
2 件目は,「エネルギー法を用いた構造入力による音場応答の初期検討手法」であり,①
モデルの構築,②実稼動入力パワーの同定,③音場エネルギーの予測,④構造変更に
よる効果の検証,で構成される.はり 2 要素,薄板 5 要素,音場 1 要素の構造物を対象と
して,はりに入力がある場合について検討した結果,一連のプロセスの有効性が確認でき
た.