7C-3 2光波混合を用し丶る正弦波状波長走査干渉法による粗

平成17年度電子情報通信学会信越支部大会
7C-3 2光波混合を用いる正弦波状波長走査干渉法による粗面形状計測
矢後 裕章★ 佐々木 修己★★ 鈴木 孝昌★★
*新潟大学大学院自然科学研究科 ★★新潟大学工学部
1.はじめに
電子機器の小型化・高性能化に伴い、より前輪度
で高密度な部品が必要となってくる。このような部
品の形状測定にはレ-ザ干渉計を用いるが、部品の
表面形状が粗面の場合、測定物体で反射された物体
光は散乱光となり、通常のレ-ザ干渉計では測定が
困難となる。本研究では、フォトリフラクティプ結
晶を用いることで物体光と参照光の波面を一致させ、
より干渉信号を得やすくする。また、この2光波混
合で得られた光は伝播距離の情報を保持しているた
め、干渉計の光源に半導体レ-ザを用い、正弦波状
の波長走査を行うことにより粗面物体の変位による
光路差変化を検出できるD そして粗面形状の測定を
高精度で行う0
2.原理および実験装置
実験装置を図1に示す。図の点線で固まれた部分
は外部共振器型の半導体レ-ザ(LD)であり、ミラー
Mlを周波数fb=65Hzで振動させて波長走査を行うo
LDのLトL、波長は670nmである。 LDからの平行光
はビームスプリッタ(BS)で二分され、測定物体で反
射された物体光はUl、ミラーM2で反射された参照
光はU2となる。物体の像をレンズL2を用いてフォ
トリフラクティプ結晶(BaTiO3)内に倍率M,=!/3で
結像するOその像をレンズL4を用いてCCDヒに倍
率M,-3で結像する。
図2に示すように、物体光と参照光の2つの光が
干渉することにより結晶内に干渉縞ができ、これに
より屈折率格子を形成する。この回折格子により、
参照光の波面が物体光の波面に変換されて2つの
波面が一致する。このことから容易に干渉信号S(t)
=acos(Zccos叫t +ZbCOSCi)bt+cc)を得ることができる。
LDの発振波長入(I)は、波長走査振幅をbとすると
入(t)-Xo+bcosa>btとなるO この波長走査によって干渉
信号S(t)にZbcoso)btの項が生じるO ミラーM2を周
波数f'-2080Hzで振動させると、 S(t)にZccosc叫の項
が生じる。この干渉信号S(t)をCCDで検出する。
S(t)をコンピュータに取り込み、 Zccoscottをキャリ
アとしてフーリエ変換処理を行うとZbcoso)bt+αが
得られ、 zbが求まる Zb-(2^b/X。-)Lであるため、
Zt,を測定することにより光路差しを求めることが
できるD Ul、 U:の伝搬距離をそれぞれLI、 L_,とす
ると、光路差しはL-L2-L,であるので、 Lを求めれ
ば測定物体の表面形状が得られる。
3.&ifci&&
アルミ箔を2枚屯ねて作った段差形状表面を測定
物体とした。測定に用いたccDは648×494画素で、
そのうち20×10画素を測定に用いた。粗面を測定し
たときのZbの時間安定度を図3に示す。測定の結果、
振れ幅は約0.03radとなった。
0 1 2 3 4 5 6 7 8
凶1実験装匙の偶成
測定回数(回)
図3 Zbの時間安定度
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次に物体を図1のZの方向に変化させて測定したL
とZbの関係を図J、 5に示す。これらの直線の式を
求めるとzb-0.018Lとなる。 Iit線の式のyはZb、 ㌔
は光路差ALを示している。ここから波長走ft幅2b
を求めると2.57m11となった. ^、 B異なる2筒所で
測定を行ったが、 O.OSradの誤差があった。この直線
の傾きを用いて距離測定を行う。
6
石
_J_
2 5
5
4
「「」
L-
嵩
追
t^^^^^^Bt^^^^^^^E^^^^^^Kc
測定位醗y(jim)
図7 直線a上の段差形状2回臼
・ A
I・蝣1
蠎
0 つ 4
測定位置y((im)
図8 直線b上の段差形状
1 00 200 300
光路差仙11)
図4 Lとzbの関係A
段差形状を2次元表示したものが図9である。 Ax
は垂直方向成分、 Ayは水平方向成分である。ここか
ら求めた段差幅は65岬1となり、実際ノギスで測定
した段差は約70│imであった。
so
光路差仙m)
図5 Lとzbの関係B
以上の結果を踏まえて、粗tYiiの表面形状を測定し
た。 aの位置で水平方向に段差の測定を2回行った
結果を図6、 7に示すo 誤差はO.OSradとなった。測
定誤差は約軸mとなったO次にbの位置を水平方向
に測定し、段差を測定した。それが図8である。 a
と比べると誤差は0.8rad となった。測定誤差は約
8pmとなったO
250 こ
書
聖
200
図9 2次元段差形状の測定結果
LI.まとめ
フォトリフラクティプ結晶を用いた干渉計によっ
て粗面物体の段差測定を行うことができた。CCDを
使用して抱面物体の段差形状を測定し、形状を表示
することができた。
今後は、温度変化による変動を検討し時間安定度
を向上させ、測定精度を上げる。
図6 ft線a上の段差形状I回目
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