受験番号 東京大学大学院新領域創成科学研究科 環境学研究系 海洋技術環境学専攻 平成26(2014)年度大学院入学試験問題 修士課程・博士後期課程共通 専門基礎科目 「論理的思考能力を見るための数理的問題」 入学試験問題及び解答用紙 平成26(2014)年 2月6日(水) 10:00~11:30(90 分) 注意事項 1.試験開始の合図があるまで、この冊子を開いてはいけません。 2.落丁、乱丁、印刷不鮮明な箇所などがあった場合には挙手し、試験監督者 に伝えること。 3.このページの最上部の欄に受験番号のみ記入しなさい。それ以外の個所に 受験番号、氏名を書いてはいけません。 4.問題は全部で 9 問あります。9 問全てに解答しなさい。 5.それぞれの問題の下に解答の道筋を書き、四角の中に答を記入しなさい。 6.計算用紙は別に配布する。 第 1 問 f ( z ) = u + iv が z = x + iy の正則関数で、 u = u ( x, y ) 、 v = v ( x, y ) が u + v = 2x 3 − 6xy 2 − x 2 + 2xy + y 2 + 1 ( ) ( ) を満たす時、 u x, y , v x, y を、それぞれ求めよ。 ( ) 但し、i は虚数単位であり、 u 0,0 = 1 とする。 第2問 極座標 𝑟, 𝜃 で、𝑟 1 + 𝑒 cosθ = 𝐿と表される曲線がある。ただし、0 < 𝑒 < 1、𝐿は定数とする。この曲 線で囲まれた面積を求めよ。 第3問 ! ! ! 3 次元直交座標系(x,y,z)の基本ベクトルを i , j, k とする。時刻 t における点 P の位置が、原点からの位置 ベクトル ! ! ! ! r = t 3 − 4t i + t 2 + 4t j + 8t 2 − 3t 3 k ( ) ( ) ( ) で表される。次のものを求めよ。 ! ! (1) t=2 における速度ベクトル v と、加速度ベクトル a ! (2) t=2 における加速度 a の、P の軌跡に対する接線方向成分 at と法線方向成分 an (1) (2) 第4問 𝑥 (1) 3 次元直交座標系(右手系) 𝑥, 𝑦, 𝑧 において、点𝑃 𝑦 を x 軸まわりに𝜃だけ回転させる回転行列𝑅! を 𝑧 求めよ。 (2) この座標系上の点𝑄 ! ! ! を x 軸まわりに 30[deg]回転させ、その後 y 軸まわりに-60[deg]回転させた点 の座標を求めよ。 (1) (2) 第5問 2 次元直交座標系(x,y)にて、直線 ⎛ x ⎞ y = ax がある。この平面の任意の点 P ⎜ ⎟ の、この直線に関する対 ⎝ y ⎠ ⎛ x' ⎞ ⎟ とする。 ⎝ y' ⎠ 称点を P' ⎜ ⎛ x' ⎞ ⎛ x ⎞ = A ⎜ y' ⎟ ⎜ y ⎟ ⎝ ⎠ ⎝ ⎠ となる変換行列 A と、その固有値を求めよ。 行列 A A の固有値 第6問 有名な絵画を盗んだ泥棒を探している刑事が、有力な証人をみつけた。しかし、この証人はうそつきか、 正直者かのいずれかである。正直者は必ず真実を語る。うそつきは、必ずうそ(つまり真実の逆)を答 える。泥棒は A 氏か B 氏かのいずれかである。証人は一度だけ、刑事の質問に YES か NO で答える。 犯人を特定するためには以下のどの質問が有効か? (1) A 氏が犯人ですね? (2) B 氏が犯人ではありませんね? (3) 「A 氏が犯人ですね?」という質問には「YES」と答えますか? (4) 「A 氏が犯人ですね?」という質問には「NO」と答えますか? 有効な質問を全て選択し、その理由を記せ。 第7問 N×N 個の電球が図 1 に示すように番号をつけてマス目上に並べられている。いま、番号順に電球の点灯 と消灯を切り替える操作を行う。各電球の切り替え操作に伴い、その電球と同じ縦横、斜めのマス上の 全ての電球の点灯と消灯も自動的に切り替わる(図 2 参照)。最初は全ての電球が消灯している状態か ら始め、全ての電球について切り替え操作を行った。 (1) 𝑁 = 3のとき、最終的に点灯している電球の数を求めよ。 (2) 𝑁 = 4のとき、最終的に点灯している電球の数を求めよ。 図1 (1) 図 2 〇のあるマス目の電球切り替え操作。 グレーのマス目上の電球も同時に切り替わる。 (2) 第8問 赤、青、黄の 3 種類の同じ大きさの正方形の板を重ねることなく隙間なく並べて縦 N 枚、横 N 枚の正方 形領域を作る。このとき、縦横に隣合う板の色が同じにならないようにする。また、各色の板が足りな くなることはない。以下の問に答えよ。 (1) 𝑁 = 2のとき、並べ方の総数を求めよ。 (2) 𝑁 = 3のとき、並べ方の総数を求めよ。 (1) (2) 第9問 100 枚の宝くじがあり、それぞれ番号が 1~100 まで振られている。このうちどれか 1 枚が 1 等、その前 後の番号が 2 等とする。A)ランダムに 10 枚買う場合と、B)連番で 10 枚買う場合で、それぞれ以下の値 を求めよ。 ただし 100 番の次は 1 番、1 番の前は 100 番とみなす。例えば 1 等が 100 番の場合、2 等は 99 番と 1 番 になる。「B)連番で 10 枚買う場合」も同様である。 (1) いずれかの賞が当たる確率 (2) すべての賞が当たる確率 (1) (2)
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