「SCOPE3と組織のLCA」研究会 カテゴリ11(製品使用時)の算出手法 比較分析 三菱電機グループScope3の 試算による検討 2014年7月1日 三菱電機株式会社 環境推進本部 1 三菱電機グループ 環境ビジョン2021 技術と行動で 人と地球に貢献する ➢製品使用時のCO2排出量 30%削減 ➢製品3Rの推進 資源投入量 30%削減 ➢ゼロエミッション 直接埋立てゼロ ➢生産時のCO2排出総量 30%削減 ➢発電時のCO2削減への貢献 低炭素社会 循環型社会 生物多様性保全への対応 自然との共生・環境マインドの育成 2 三菱電機グループ 事業概要 監視カメラ 発電機 人工衛星 車両用機器 情報通信 システム 12% ルームエアコン 重電 システム 25% エレベータ 家庭電器 20% 売上高 4兆543億円 パワー半導体 電子 デバイス 4% 産業 メカトロニクス 24% 設立1921年1月15日 従業員数124,305人 (2014年3月末現在) FA機器 車両用機器 3 欧州LES(Living Environmental Systems)部門 サプライチェーンGHG排出量試算の目的及び概要 【目的】 ・EUの環境フットプリント(OEF)では、産業部門(セクタールール)が適用され、比較可能 性が意図されている。総合電機メーカは対応が困難と予測される(家電、自動車部品、 産業機器他、多数部門に該当)。 ただし、セクター別に評価を求められる可能性もあるため、「組織のLCA(今回は、 scope3(GHG)対象」にて試算を行い、算定の課題とリスクを把握する。 ・「環境フットプリント」、「GHG プロトコルScope3 算定報告基準」の策定等、事業者のサプラ イチェーン排出量の算定・報告に関する際の課題・リスクを把握する。 ・サプライチェーンを通じた環境負荷削減ポテンシャルの明確化―課題抽出、対応策を検討。 【算定対象範囲】 欧州-LES販社からみたサプライチェーンGHG排出量(いわゆるScope1,2,3) 【算定対象製品】 欧州-LES部門(RAC, PAC, ATW, Jet Towel Hand Driers, LOSSNAY) 【対象年度】 2012年度 4 欧州LES部門販社のScope1,2,3 フロー図 Scope 3 Scope1, 2 グループ会社 昇降機 工場(オランダ) Scope 3 ユーザ グループ会社 自動車部品 工場(チェコ) 三菱電機 LES組立 (日本) 資材メーカ 資材メーカ 資材メーカ 三菱電機欧州 -販社 (英、仏、伊、独、西他) グループ会社 グループ会社 LES部品 (タイ) LES組立 (UK) 三菱電機 欧州-LES部門 三菱電機 LES部品 (日本) その他 ユーザ グループ会社 資材メーカ 欧 州 ユ ー ザ LES組立 (タイ) 三菱電機(日本及び 欧州地域以外)の販社 外販用 取引先 ※1 欧州LES部門に関連した部門のみを簡略化して記載(排出量の配分が必要な部門・工場等) 三菱電機MEU-LES Scope1,2 三菱電機 欧州地域 三菱電機 グループ 5 廃 棄 サプライチェーンGHG算定範囲・方法の考え方、結果概要 【算定範囲及び算定方法の考え方】 区分 自社 上流 下流 算定範囲及び算定の考え方 欧州販社LES部門における電力使用量等の活動量データに排出原単位を乗 じて算出する 欧州販社LES部門が取り扱う製品に関する原材料の資源採取段階・製造加 工段階、輸送エネルギー等。(素材製造エネルギー、グループ企業の欧州・ア ジア・日本工場における組立エネルギー等)。 欧州販社LES部門が販売する製品の流通・使用・廃棄段階。 カテ1: 購入物品 3% 【結果概要】 欧州販社LES部門サプライチェーンGHG 排出量(カテゴリ別比率) カテ11: 販売製品 使用 96% 6 カテゴリ11(製品使用時)に関する考察 • 各製品、例えばRAC,PAC,ATW等空調機器でも、各80~100種類、出力が多段 階(例:4馬力~50馬力まで20段階以上)の機種モデルがある。地域差も考慮 して、各消費電力量を把握するのは困難。代表させた場合、どの程度、差異 が発生するか?詳細の程度はどこまで細かくすればよいか? 下記を比較し、感度分析を実施 1. 2. 3. 4. 5. 6. 全機種単純平均の1台あたり消費電力 加重平均1台あたり消費電力 a. 日本のCFPのDB_EU平均排出係数 最売れ筋モデル消費電力 × b. 日本のCFPのDB_各国排出係数 各国売れ筋モデル c. UK-DEFRAのDB_各国排出係数 中間能力帯 中央値 × 販売台数×耐用年数 7 欧州LES部門サプライチェーンGHG排出量試算結果 スコープ分類 スコープ3 スコープ1,2 合計 カテゴリ名 カテ1:購入物品 カテ2:資本財 カテ3:エネルギー関連 カテ4:上流の輸送・流通 カテ5:事業からの廃棄物 カテ:6出張 カテ7:従業員の通勤 カテ8:上流リース資産 カテ9:下流の輸送・流通 カテ10:販売製品の加工 カテ11:販売製品使用 カテ12:販売製品の廃棄 カテ13:下流リース資産 カテ14:フランチャイズ カテ15:投資 スコープ1,2 比率 3.40% 0.02% 0.00% 0.20% 0.00% 0.00% 0.02% 96.31% 0.05% 0.01% 100.00% 8 GHG排出量(kg-CO2e/kWh)比較 日本(CFPデータベース) 差引(日本-UK) UK(DEFRAデータベース) イギリス(英国) 5.47E-01 Electricity: UK 4.96.E-01 0.0511 フランス 8.32E-02 Electricity: France 8.40.E-02 -0.0008 ドイツ 5.49E-01 Electricity: Germany 4.93.E-01 0.0552 ロシア 3.69E-01 Electricity: Russian Federation 4.62.E-01 -0.0936 スウェーデン 1.51E-02 Electricity: Sweden 2.02.E-02 -0.0052 イタリア 4.89E-01 Electricity: Italy 4.38.E-01 0.0506 ポルトガル 5.23E-01 Electricity: Portugal 4.12.E-01 0.1108 スペイン 4.54E-01 Electricity: Spain 3.14.E-01 0.1406 アイルランド 6.50E-01 Electricity: Ireland 4.90.E-01 0.1607 9 試算結果:異なる算出方法による排出量差異 欧州製品(一部抜粋) 販売製品使用時GHG排出量算定根拠比較 700 600 単位:千t-CO2換算 500 400 300 200 100 0 全機種単純平均 加重平均 日本のCFP-DB:EU各国原単位 EU最多売筋能力帯 各国最多売筋能力帯 UK-DEFRA DB:各国原単位 中央値 中間能力帯 日本のCFP-DB: EU平均原単位 参考: カテ1排出量 日本のCFP-DB 10 今回の試算結果を踏まえて 【社外への働きかけ】 • 異なるDBの電力排出係数の差による影響が大きい。 ⇒各国間で、電力排出係数は合わせてほしい。 ⇒内訳詳細の分かりやすい解説(AISTやUK-DEFRAに比較を期待) • セクター別ガイドラインがあれば、本当に比較できるのか?データの代表 性、シナリオ設定等で、排出量の差異が大きく出てしまう。 ⇒そもそも比較は適切か?比較は適切でないし、反対。 ⇒使用時シナリオ、気象条件等、各々、無理に設定した仮定を入れざるを得ない。 【社内での今後の課題】 • 社内のデータ収集体制及びアップデート体制の効率的反映方法を検討。 – 販売台数、販売国、消費電力のアップデート、国(地域別) • 気象条件の地域性を反映して、影響をさらに検討。 – 空調機器の場合、国(外気温度等)が異なれば、COPも異なり、消費電力も異なる • 各大陸のグローバル平均消費電力量は適切か否かを検討。 – 例:アジアの冷房専用を考慮すべきか等 11
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